
介護休業は、勤務先へ何をいつ申請すればよいですか。
公式には「申請」より「申出」と呼びます。希望日から休むには、開始予定日の2週間前までに、社内様式か厚生労働省の様式例を使って事業主へ申し出るのが基本です。2025年4月から、介護に直面したと申し出た労働者への個別周知・意向確認が会社の義務になりました。ただし、周知を受けることと休業の申出は別です。
介護休業の手続きは「申出」と呼ぶ
介護休業の申請方法を探すとき、厚生労働省の案内では「申出」という言葉が使われます。希望どおりの日から休むには、休業開始予定日の2週間前までに事業主へ申し出ます。
勤務先に所定の申出書があれば、その様式を使います。ない場合は厚生労働省の様式例があります。口頭だけで済ませず、提出先、受領日、開始・終了予定日を手元にも残してください。事業主は開始・終了予定日などを速やかに書面等で通知します。
対象家族1人につき3回まで、通算93日までが制度の枠です。対象家族は配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母。雇用条件や労使協定による除外もあるため、自分の勤務先で使えるかを人事・労務へ確認します。
2025年4月の個別周知は、休業の自動取得ではない
2025年4月1日から、介護に直面したと申し出た労働者に対し、会社が介護休業制度等を個別周知し、利用意向を確認する義務が加わりました。
周知するのは、介護休業・両立支援制度等、社内の申出先、介護休業給付金です。方法は面談、書面、FAX、電子メール等。面談はオンラインでもよく、FAXと電子メールは労働者が希望した場合に限られます。
意外なのは、40歳前後で行う早期の情報提供が別の義務であることです。40歳到達日の属する年度か、40歳の誕生日から1年間に情報を伝える仕組みで、介護に直面した後の個別周知とは対象時期が違います。
介護に直面する前の家族情報は、厚生労働省が2026年4月に更新した親の介護準備チェックリスト|2026年版の埋め方で、空欄を残しながら整理できます。
良い点は、会社から制度と申出先が返ってくること
2025年4月の変更で良い点は、労働者が「親の介護が始まった」と伝えた後、会社が制度名だけでなく申出先まで個別に示すことです。就業規則を一人で探し続ける状態から進めます。
取得を控えさせるような周知や意向確認は認められていません。介護休業を取ると決めていなくても、まず介護に直面した旨と、制度を確認したい旨を伝えられます。親御さん側の相談先が分からない場合は、地域包括支援センターとケアマネジャーの違いを確認してください。
注文は、93日を家族だけで介護する期間にしないこと
制度として93日あっても、その全日を家族が一人で介護するだけなら、復職日になって同じ問題が戻ります。休業中に整えるのは、休む人の体力だけではなく、休業後の一週間です。
私は、介護休業を「介護に専念する期間」だけで終わらせてはいけないと考えます。認定の申請、ケアマネジャーとの相談、通所・訪問・短期入所の候補、ほかの家族の担当を並べ、復職する曜日の形まで作る期間です。
正直に言えば、2週間前までに全てを読んで整然と申し出られる家庭ばかりではありません。退院日が動いたり、親御さんの状態が急に変わったりします。それでも、会社への一報と親の相談窓口への一報を同じ日に入れるだけで、次に必要な書類が見えます。
申出から復職後までを五つに分ける
介護休業の申出では、紙を出す作業と介護体制づくりを同時に進めます。順番は次の五つです。
- 会社へ状況を伝える。介護に直面した旨、制度、社内様式、申出先を確認する。
- 開始予定日を置く。原則の2週間前から逆算し、終了予定日も書く。
- 親の窓口へ連絡する。認定前は地域包括支援センター、認定後はケアマネジャーへ相談する。
- 休業中に行うことを決める。認定、受診、サービス調整、家族分担を予定表に置く。
- 復職後の一週間を試算する。家族不在の時間と支援が届かない時間を探す。
短期入所を組み込むなら、ショートステイを予約するコツ、通い・訪問・泊まりを同じ事業所で組む選択は小規模多機能とデイサービスの違いで分けて確認できます。利用可否や自己負担は個別条件で変わります。
運営する側でも、会社の書類までは代行できない
私はサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する側です。住まい、通所、訪問は別サービスであり、私は提供側として利害があります。
介護サービス側で家族不在の時間を一緒に整理できても、勤務先への申出を代行したり、取得可否を断定したりはできません。反対に、勤務先は親御さんのケアプランを作れません。二つの窓口をつなぐのは、ご家族が書いた一週間の予定表です。
これは特定の利用者の体験談ではありません。運営する側として、休業終了日より先の暮らしを決めておくべきだ、という私の意見です。相談の入口は磐田市の介護相談窓口でも確認できます。
申出の前に親の状態が対象になるか迷う場合は、要介護2未満・未認定でも介護休業の対象になり得る理由を確認してください。
今日できるのは、申出先と様式名を聞くこと
今日できる確認は、勤務先へ「介護休業の申出先と所定様式を教えてください」と連絡することです。取得日数をその場で決める必要はありません。親御さんの住所地を担当する地域包括支援センターの電話番号も同じ紙へ控えます。
勤務条件と会社の取扱いは個別に違います。介護サービスの利用条件も別です。勤務先の人事・労務窓口と、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。
通院や面談のため数時間だけ休みたい場合は、介護休暇の取り方|磐田の家族が時間単位で休むにはで確認できます。
休業せず残業を抑える方法を検討する場合は、介護の時間外労働制限|磐田で請求する手順をご覧ください。
休業の申出と別に必要な給付の手続きは、介護休業給付金の申請書類と会社との分担で確認できます。
介護が始まる前に会社から届く案内の読み方は、40歳の介護情報提供|会社の案内で確かめることで相談前の準備を整理しています。
申出をためらわせる職場の言動に困った場合は、介護休業のハラスメント相談|磐田の家族へで記録と相談先を分けて整理しています。
よくあるご質問
介護休業は何日前までに申し出ますか。
厚生労働省は、希望どおりの日から休むため、休業開始予定日の2週間前までに事業主へ申し出ると案内しています。会社の様式と提出先を先に確認してください。急な事情では予定どおり進まないこともあるため、分かった時点で人事・労務へ連絡します。
介護休業は何日取れますか。
対象家族1人につき3回まで、通算93日までです。93日間ずっと介護を一人で担うためではなく、その後も仕事と介護を両立できる体制を整える期間として使います。対象家族や雇用条件により利用可否が変わるため、勤務先へ確認してください。
2025年4月から自動的に介護休業を取れるのですか。
自動取得ではありません。介護に直面したと労働者が申し出たとき、会社が制度、申出先、介護休業給付金を個別周知し、利用意向を確認する義務が加わりました。休業開始の手続きは別に必要です。周知を受けたら社内様式と期限を確認してください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
雇用条件、社内手続き、給付、制度の対象は個別条件と時期で変わります。介護サービスの利用可否・自己負担も一律ではありません。勤務先の人事・労務窓口と、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口で確認してください。