親の介護で休みたいと言ったら、職場で言い出しにくくなった。どこへ相談する?
介護休業の申出をためらわせる職場の言動に困ったら、日時・発言・申出の経過を記録し、社内窓口や都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談します。法的な該当性は個別判断です。給付金の問合せ先はハローワークで、職場の問題とは分けて確認します。
制度の説明をしながら取得を控えさせることは認められない
介護休業を利用したいと伝えた後、職場の言動が気になって申出をためらっているなら、出来事を整理して相談してください。制度を使える条件と、職場の言動の法的な評価は個別に確認する必要があります。家族だけで違法かどうかを確定させる必要はありません。
厚生労働省「介護休業制度特設サイト」によると、2025年4月1日から、事業主による個別の周知・意向確認などが義務となりました。対象は、介護に直面した旨を申し出た労働者です。制度、申出先、介護休業給付金に関する事項を伝え、利用意向を確認する仕組みです。
見落としたくないのは、制度の説明をすればそれでよいわけではない点です。厚生労働省は、取得を控えさせるような個別周知・意向確認を認めていません。面談を受けた事実だけで、適切な説明だったと判断することはできません。
同省は、介護休業等の申出・取得を理由とした解雇、雇止め、降格などの不利益な取扱いも禁止と説明しています。ハラスメントの防止措置を講じることも事業主の義務です。これらの防止義務そのものが2025年に新設された、という説明ではありません。
以上は2026年10月4日に確認した公的な説明です。特定の上司の一言だけを抜き出し、この記事がハラスメントと認定するものではありません。発言の前後、申出の内容、実際に受けた扱いを相談先へ伝えます。
相談メモは、発言と自分の受け止めを分ける
介護休業に関する相談の準備では、起きたことと困っていることを分けて記録すると説明しやすくなります。次の項目は私からの整理の提案です。特定の書式を満たさなければ相談できないという条件ではありません。
| 記録すること | 残し方の例 |
|---|---|
| 日時・場所・相手 | 面談、電話、メールなど、やり取りの方法も記す |
| 自分が申し出た内容 | 介護の事情を伝えたのか、休業を申請したのかを分ける |
| 相手の発言や対応 | 覚えている言葉を記す。記憶が曖昧な部分は明記する |
| 残っている資料 | 自分に届いたメール、案内、申請の控えなどを整理する |
| 困っていること | 申請できない、返事が来ない、働き方の見通しが立たないなど |
「休みづらくなった」という受け止めも、相談する理由です。ただ、相談先が経過を追えるよう、発言と感想は同じ欄に混ぜない方がよいと私は考えます。正確に覚えていない言葉を、後から強い表現へ書き換えることはしません。
相談のために、権限のない社内資料を持ち出す必要はありません。資料の扱いや提出方法に迷う場合は、相談窓口に先に聞いてください。親の病状などの情報も、何をどこまで伝える必要があるか確認し、関係のない人へ広めない形を選びます。
制度の申出をまだしていない場合は、介護休業の申請手順で提出先や準備を確認できます。本記事で扱うのは、その手続きの前後に生じた職場の言動や取扱いの相談です。
職場の問題、給付金、親の支援は相談先が異なる
介護休業に関する制度や職場の問題は、社内の人事・労務や相談窓口、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談します。厚生労働省の相談ページは、制度の相談と介護休業給付金の問合せ先を分けて案内しています。
社内で話せる窓口が分かるなら、記録をもとに状況を伝えます。直属の上司へ話しにくい、相談先が分からないというときは、外部の労働局へ連絡する入口もあります。社内で結論が出るまで、外部への相談を待たなければならないという案内ではありません。
磐田で親を介護していても、勤務先が市外・県外という場合があります。相談する労働局や担当部署は、勤務先所在地と相談内容を伝えて確認してください。親の住所地だけで窓口を決め付けず、厚生労働省の相談先案内から所在地一覧をたどれます。
給付金の問い合わせ先はハローワークです。介護休業給付金の申請書類と会社との分担も別記事に整理しています。給付の質問があることと、職場の言動に困っていることを分けて伝えると、相談の行き違いを減らせます。
親の暮らしや介護の支援は、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへ相談します。介護側の窓口は、職場の言動の法的な判断を代わりに行う場所ではありません。仕事側と介護側に、それぞれ何を相談したかを控えておくと次の連絡に使えます。
私は、職場の問題を家族の退職で片付けないと考える
個別周知・意向確認の仕組みの良さは、介護を伝えた人が制度や申出先を確認する機会を持てる点だと私は考えます。知らないまま諦める前に、勤務先へ説明を求める具体的な入口になります。
そのうえで運営する側から注文したいのは、説明した記録だけで終えないことです。本人が何に困り、どこへ質問できるかまで伝わっているかを確かめたい。人手の段取りと、制度の利用をためらわせる言い方は分けて考えるべきだと思います。
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービスの代表として介護事業を運営しています。ここで書くのは特定の相談者の実話ではなく、事業を運営する側の意見です。職場の問題を、家族の退職で片付けない。これを私の出発点にします。
私にも、親の支援を急いで整えたい気持ちと、働く人の事情を丁寧に聞く時間をどう両立するかという迷いがあります。ただ、その難しさを理由に「辞めればよい」「サービスを増やせばよい」と答えを先に置きたくありません。
退職を検討している場合は、介護離職を決める前の確認も材料になります。この記事は退職を否定するものではありません。仕事を続ける場合も離れる場合も、使える制度と相談先を知ってから決める余地を残すためです。
相談の最初の一文を、今日用意する
労働局や社内窓口に連絡するときは、「親の介護を伝えた後の職場の対応で困っています」と始め、申出の段階と出来事を続けます。相談で何を確認したいかを一つ決めると、すべてを一度に説明しようとする負担を減らせます。
例えば、「制度の説明を受けたい」「申請への返答について相談したい」「この言動をどう整理すればよいか知りたい」と書き分けます。これは相談文の例で、実際にあった発言ではありません。手元の事実に置き換えて使ってください。
窓口には、相談内容を誰にどの範囲で伝えることになるか、次に必要な資料は何かも尋ねます。記録が十分でなくても、足りない資料をどう用意するかから相談できます。資料が完成するまで一人で抱える必要はありません。
当社のサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」は住まい、ふじがおか見付デイサービスは通所介護、ふじがおか訪問介護センターは訪問介護です。住まいと介護サービスは契約が別です。職場の困りごとへの答えとして、いずれかの契約を急ぐ必要はありません。
よくあるご質問
ハラスメントか分からなくても相談できますか。
自分で法的な該当性を決めてから連絡する必要はありません。介護休業の申出状況、日時、相手の言動、困っていることを整理し、社内窓口や労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談してください。記憶が曖昧な点は曖昧と伝えます。この記事は個別の言動を違法と認定するものではありません。
介護休業給付金も労働局へ聞けばよいですか。
厚生労働省は、育児・介護休業法などの相談先を都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、介護休業給付金の問合せ先をハローワークと分けています。職場の言動と給付金の両方で困る場合は、相談事項を分けて控えてください。勤務先の担当窓口にも申請の分担や進捗を確認します。
介護事業所に職場の問題を解決してもらえますか。
介護事業所では暮らしの支援について相談できますが、職場の言動の法的な判断を代行するわけではありません。仕事の問題は労働局等へ、親の支援はケアマネジャーや地域包括支援センターへ分けて相談してください。職場の問題があるからという理由だけで、入居や介護サービスの追加契約を決める必要はありません。
この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
以下の一次情報を2026年10月4日に確認しました。
制度・利用可否・自己負担は、個別の状況や時期で変わります。本記事は一般的な整理で、個別の判断を確定するものではありません。各分野の担当窓口へ確認してください。
暮らしや介護の相談は、電話または相談フォームを選べます。入居や見学を決めてからでなくて構いません。
相談フォーム 電話で相談(0538-33-7070/9:00〜17:30)
介護の支援をどう組み合わせるかは、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。