
介護離職とは何ですか。もう仕事を辞めるしかないのでしょうか。
介護離職とは、家族の介護や看護を理由に仕事を辞めることです。総務省の10.6万人は、2022年調査で過去1年間に前職を離職した人の数で、介護だけの人数ではありません。退職届を出す前に、親の相談先、勤務先で休める制度、一か月の家計を同じ紙に書き出してください。今日、退職を決める必要はありません。
介護離職は「介護が始まった状態」ではない
介護離職とは、家族の介護や看護を理由に、働いていた人が仕事を辞めることを指す一般的な呼び方です。介護が始まっただけの状態や、仕事を休んでいる状態とは分けて考えます。
親御さんの通院に付き添った。夜の電話が増えた。仕事中にも様子が気になる。そこまで追い込まれると、退職が唯一の出口に見えることがあります。ただ、まだ離職前なら、使える時間と外部の支援を組み替える余地があります。
介護サービスを使うには、本人の状態、要介護認定、ケアプラン、地域の受入れ状況を確認します。利用可否や自己負担は一律ではありません。認定前の相談先と認定後の担当者の違いは、地域包括支援センターとケアマネジャーの違いで整理しています。
10.6万人は「介護だけ」でも「2026年の人数」でもない
総務省統計局の令和4年就業構造基本調査によると、介護・看護のために過去1年間に前職を離職した人は、2022年調査で10.6万人でした。男性2.6万人、女性8.0万人です。
女性は全体の約4分の3です。有業者は2.3万人、無業者は8.3万人でした。意外なのは、10.6万人が「介護だけ」の集計ではなく、介護と看護を合わせた数字であることです。調査日は2022年10月1日。2026年の速報値としては扱えません。
統計の本文には11万人という丸めた表現もあります。この記事では表8-4の10.6万人を使います。「毎年必ず10.6万人が辞める」と読む数字ではなく、2022年調査で直近1年間を振り返った結果です。
良い点は、家族だけで抱えない入口があること
介護と仕事の両立で良い点は、親御さんの支援と勤務先の制度を、別々の窓口へ相談できることです。家族が一人で介護の全時間を埋める前提から外れられます。
高齢の親同士で介護を担う割合の範囲は、老老介護の割合は61.9%|2025年調査で、2022年との比較と一緒に確認できます。
磐田市で認定前なら、親御さんの住所地を担当する地域包括支援センターが入口です。本人が相談を嫌がる場合でも、家族だけで状況を伝えられます。7か所の担当区域は磐田市の介護相談窓口にまとめました。
認定後はケアマネジャーに、通所、訪問、短期の宿泊を含む組合せを相談します。短期入所は希望日に必ず取れるものではありません。家族が休む日を先に出す段取りは、磐田でショートステイを予約するコツも参考になります。
注文したいのは、退職の話を最初にしないこと
介護離職を防ぐ制度があっても、窓口の名前を知るだけでは家族の予定は空きません。勤務先への申出、親御さんの認定、サービスの調整には、それぞれ時間がかかります。
だから私は、家族会議の最初の議題を「誰が仕事を辞めるか」にしないでほしいと考えます。先に「誰が、何曜日の何時に動いているか」を一週間分だけ書きます。退職は最後の選択肢です。これは離職を否定する話ではありません。決める前に材料を減らさない、という話です。
私にも迷いがあります。家計が苦しくても介護の時間が足りないご家族に、働き続けるべきだと外から言い切ることはできません。一方で、いったん辞めた後の収入や再就職まで、介護事業者が引き受けられるわけでもありません。だから順番だけは崩さないでほしいのです。
退職届より先に、三つを同じ紙へ書く
辞める前の確認は、親の介護、勤務先、家計の三つです。別々のノートにすると、時間が空いても収入が足りない、といった関係が見えません。
- 親の支援。一週間で困る時間帯、本人ができること、家族以外へ頼めることを書く。
- 勤務先。介護休業、休暇、短時間勤務、残業や深夜業の扱い、申出先を人事・労務へ聞く。
- 家計。手取り、固定費、介護で増えた支出、退職後に減る収入を一か月単位で並べる。
親御さんの暮らしに使える市の事業は介護保険だけではありません。対象条件を確認する入口として、磐田市の高齢者等在宅福祉サービス11事業も確認できます。
運営する側から言うと、住まい・通所・訪問は穴埋めの道具ではない
私はサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する側です。住まい、通所、訪問は別のサービスで、契約も役割も同じではありません。私には介護サービスを提供する利害があります。
その立場でも、サービスを入れれば仕事を辞めずに済むとは断言できません。親御さんの状態、家族の勤務、送迎、夜間の支え、利用できる曜日が合うかを見なければならないからです。この記事に特定の利用者の体験は使っていません。運営する側としての私の意見です。
自社の住まいや通所、訪問を先に当てはめることもしません。まず地域包括支援センターか担当のケアマネジャーに、家族が不在になる時間を伝えてください。選択肢を並べてから、住まいが要るのか、通う支援か、訪問する支援かを分けます。
今日できるのは「限界の時間帯」を一つ決めること
今日できる確認は、一週間のうち最も続けにくい時間帯を一つ決めることです。「全部つらい」から一歩だけ細かくして、「火曜日の通院付き添いで半日休む」「毎朝の電話で始業に遅れる」と書きます。
その一文を、勤務先の人事・労務と、親御さんの担当窓口へ同じ日に伝えます。今日、退職を決める必要はありません。制度・利用可否・自己負担は個別条件で変わります。担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。
よくあるご質問
介護離職とは、どの時点を指しますか。
一般には、家族の介護や看護を理由に仕事を辞めることを介護離職と呼びます。介護の負担が重い状態そのものではなく、退職という結果を指す言葉です。総務省の10.6万人は、2022年調査で介護・看護のため過去1年間に前職を離職した人を集計しています。
介護離職を考えたら、最初にどこへ相談しますか。
親御さんの介護サービスは、認定前なら住所地を担当する地域包括支援センター、認定後なら担当のケアマネジャーが入口です。仕事の休み方や社内制度は勤務先の人事・労務窓口へ確認します。介護と仕事の相談先は分けて、同じ日に連絡先を控えてください。
退職すれば介護の問題は解決しますか。
退職すると介護に使える時間は増えますが、収入、社会との接点、再就職の条件も変わります。介護サービスの利用可否や自己負担も個別条件で異なります。先に一週間の介護時間と家計を紙に出し、休業・休暇・勤務調整を確認してから判断してください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
制度、利用可否、自己負担、勤務先の取扱いは、本人の状況、雇用条件、地域、時期で変わります。ここに書いたのは一般的な整理です。勤務先の人事・労務窓口と、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口で確認してください。