介護の相談先 / 2026年8月30日

地域包括支援センターとケアマネの違い|磐田市

介護の相談先が二つに分かれることを表したイラスト。中央の道しるべから、左は相談窓口の建物へ、右はケアプランの書類を挟んだバインダーへ矢印が伸びている
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「地域包括支援センターとケアマネさん、どっちに聞けばいいのか分からないのですが」

違いは相談の時期です。地域包括支援センターは認定を受ける前から使える市の窓口で、磐田市には中学校区ごとに7か所あります。ケアマネジャーは認定が出たあとに家族が選んで契約する担当者です。まだ認定がなければ地域包括支援センター、担当がいるならその方。これで迷いません。

違いは「認定の前か、あとか」。これだけ覚えれば足りる

地域包括支援センターと居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、役割が重なって見えます。どちらも介護の相談に乗り、どちらもケアプランを作ります。それでも、家族が最初に押さえるべき違いは1つです。地域包括支援センターは要介護認定を受ける前から使えます。ケアマネジャーは認定が出てから選ぶ相手です。

足腰や外出の変化を25項目で整理してから相談したい方は、磐田市の基本チェックリスト|25項目の使い方へ進んでください。基準への該当は要介護認定の結果ではありません。

私は磐田市見付で、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターの3つを運営しています。サービスを提供する側であり、居宅介護支援事業所は持っていません。つまり、ケアマネジャーからサービスを依頼される側です。その位置から見ると、この2つの窓口の使い分けを知らないまま動いたご家族が、いちばん時間を損しています。

地域包括支援センターと居宅介護支援事業所のケアマネジャーを、設置者・職種・相談時期・担当範囲・費用で比べた表 地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の比較表。設置と運営は、地域包括支援センターが市町村の設置で介護保険法第115条の46第1項に基づき、全国5,487か所のうち81パーセントが委託運営。居宅介護支援事業所は民間の事業所で、利用者が自分で選んで契約する。いる人は、地域包括支援センターが保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種で、居宅介護支援事業所は介護支援専門員つまりケアマネジャー。相談できる時期は、地域包括支援センターが認定を受ける前から、介護が必要かもしれないという段階から相談できるのに対し、居宅介護支援事業所は要介護認定が出たあとに契約する。担当する範囲は、地域包括支援センターが総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの4つで、居宅介護支援事業所は要介護1から5の居宅サービス計画の作成。要支援1・2のケアプランは、2024年3月までは地域包括支援センターが作成し委託もできたが、2024年4月からは居宅介護支援事業者も市町村長の指定を受けて直接作成できる。費用はどちらも利用者負担なしで、全額が介護保険から給付される。 地域包括支援センターと、居宅介護支援事業所のケアマネジャー 分かれ目は「要介護認定の前か、あとか」 ※どちらも相談・ケアプラン作成の利用者負担はない くらべる点 地域包括支援センター 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー) 設置と運営 市町村が設置(介護保険法 第115条の46第1項)。81%が委託 民間の事業所。利用者が自分で 選んで契約する いる人 保健師・社会福祉士・主任介護 支援専門員の3職種 介護支援専門員 (ケアマネジャー) 相談できる時期 認定を受ける前から 「介護が必要かも」の段階でよい 要介護認定が出たあと 家族が事業所を選んで契約する 担当する範囲 総合相談支援/権利擁護/ケアマネ 支援/介護予防ケアマネジメント 要介護1〜5の居宅サービス計画 の作成(介護保険法第46条) 要支援1・2は 2024年3月までは包括が作成 (居宅への委託は可能だった) 2024年4月から直接作成できる (市町村長の指定を受けた場合) 費用 利用者負担なし 利用者負担なし(全額が保険給付) 磐田市の地域包括支援センターは7か所。担当は中学校区で決まる(城山・向陽/中部/南部/豊岡/豊田/竜洋/福田)。 全国の設置数は5,487か所(ブランチ・サブセンターを含め7,374か所)。2025年4月末現在、直営19%・委託81%。
介護保険法、厚生労働省「地域包括支援センターについて」(2025年4月末現在のデータ)、磐田市「地域包括支援センター」(2026年6月29日更新)の記載内容をもとに作成した図です(2026年8月30日確認)。

地域包括支援センターは、市が設置して3職種を置く相談の入口

地域包括支援センターの根拠は、介護保険法第115条の46第1項です。厚生労働省の資料は、その位置づけをこう説明しています。「地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設」

3職種を置くことは、介護保険法施行規則第140条の66第1号イに書かれています。第1号被保険者おおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師その他これに準ずる者、社会福祉士その他これに準ずる者、主任介護支援専門員その他これに準ずる者を、それぞれ原則1人ずつ常勤専従で置く形です。医療の目、福祉制度の目、ケアプランの目が、1つの窓口にそろっている。ここが単なる案内窓口と違うところです。

業務は4つあります。総合相談支援事業、権利擁護事業、包括的・継続的ケアマネジメント支援事業、第一号介護予防支援事業(介護予防ケアマネジメント)です。2つ目の権利擁護事業には、高齢者虐待への対応や成年後見制度の利用支援が含まれます。「虐待かもしれない」と迷う段階から緊急時までの相談の順番は、磐田市の高齢者虐待相談|迷った時の3段階で整理しています。3つ目のケアマネジメント支援は、地域のケアマネジャーを支える仕事です。つまり地域包括支援センターは、家族の相談相手であると同時に、ケアマネジャーの相談相手でもあります。

ケアマネジャーは、認定が出たあとに家族が選んで契約する担当者

居宅介護支援事業所のケアマネジャー(介護支援専門員)が担当するのは、介護保険法第46条第1項の居宅介護サービス計画費、つまり要介護1から5の方のケアプランです。事業所は民間で、利用者本人または家族が選んで契約します。市が割り当てるわけではありません。この点はケアマネジャーの変更方法と選び方|磐田市の届出書に詳しく書きました。

費用はかかりません。介護保険法第46条第2項は、居宅介護サービス計画費の額を「厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額」と定めるだけで、第41条第4項の居宅介護サービス費のような「100分の90」といった給付率の定めを置いていません。費用の全額が保険から給付されるため、利用者負担が発生しない構造です。磐田市のパンフレット「みんなのあんしん介護保険」も「ケアプランの作成、介護予防ケアプランの作成は、利用者の負担はありません。」と書いています。

1割・2割・3割という言葉が出てくるのは、ケアプランに沿って実際に使うサービスのほうです。ケアプラン作成そのものには割合がかかりません。この2つを混同すると「相談するとお金がかかる」と思い込んでしまいます。割合の話は介護保険負担割合証とは|1〜3割の見分け方に分けて整理しました。

2024年4月に変わったのは、要支援1・2のケアプランを誰が作るか

2024年4月1日から、居宅介護支援事業者も市町村長の指定を受けて介護予防支援を行えるようになりました。要支援1・2の方のケアプランを、居宅のケアマネジャーが直接作れるということです。

根拠は「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第31号、2023年5月19日公布)の第13条です。改正の中身はこの一文だけです。「第百十五条の二十二第一項中「設置者」の下に「又は指定居宅介護支援事業者」を加える。」たった1つの語句を足す改正で、要支援の方の相談窓口の構造が変わりました。

それまでは、指定介護予防支援を受けられるのは地域包括支援センターの設置者だけでした。居宅の事業所は、包括から委託を受ける形でしか関われません。改正後は直接契約できます。あわせて介護保険法第115条の23第3項が改正され、再委託ができるのは地域包括支援センターの設置者である指定介護予防支援事業者に限られることになりました。居宅の事業所が指定を受けた場合、そこからさらに委託には出せません。

報酬にも差がつきました。介護予防支援費は438単位から442単位になりましたが、これは地域包括支援センターが行う場合の単位です。指定居宅介護支援事業者が行う場合は介護予防支援費(Ⅰ)472単位が新設されました。同じ仕事に見えて、単位数は30単位違います。

家族の側から見た意味は単純です。要支援1と出た親御さんについて、「包括の担当者に毎回連絡する」以外の選択肢が増えた、ということです。すでに要介護の家族がいて、同じ事業所のケアマネジャーに家族全体を見てほしい、という場面では効きます。ただし、その事業所が市町村長の指定を受けていなければ従来どおりです。指定の有無は事業所か地域包括支援センターに聞いてください。

磐田市の7か所は、中学校区で担当が決まる

磐田市の地域包括支援センターは7か所です。市のウェブサイト「地域包括支援センター」(2026年6月29日更新)に一覧が載っています。担当は中学校区で決まっているので、親御さんの住所で相談先が決まります。

城山・向陽城山中学校区、向陽中学校区/磐田市見付2510-4(見付交流センター駐車場内)/0538-36-4865
中部磐田第一中学校区、神明中学校区/磐田市国府台57-7(iプラザ1階)/0538-37-1060
南部南部中学校区/磐田市上大之郷51(急患センター1階)/0538-36-8900
豊岡豊岡中学校区/磐田市下野部57-1(豊岡支所1階)/0539-63-0500
豊田豊田中学校区、豊田南中学校区/磐田市上新屋304(アミューズ豊田内)/0538-36-1300
竜洋竜洋中学校区/磐田市岡729-1(竜洋支所1階)/0538-66-9221
福田福田中学校区/磐田市福田400(福田支所1階)/0538-58-3242

豊岡だけ市外局番が0539です。ほかの6か所は0538なので、番号を書き写すときに間違えやすいところです。市のページの表記もそのまま0539になっています。

センターの設置主体は市ですが、運営は委託されています。これは磐田市に限った話ではなく、厚生労働省の資料によれば、全国5,487か所のうち直営は19%、委託が81%です(2025年4月末現在)。ブランチとサブセンターを含めた拠点数は7,374か所になります。市が設置した窓口に電話しても、出るのは委託先の法人の職員である場合がほとんど、ということです。

良い点は2つ、注文したい点も2つ

磐田市の体制について、良い点から数えます。1つ目は、担当が中学校区で決まっていることです。「どこに聞けばいいか」を住所で機械的に決められるので、家族が迷う余地がありません。2つ目は、7か所のうち4か所が支所や交流センター、公共施設の中にあることです。豊岡支所1階、竜洋支所1階、福田支所1階、iプラザ1階。高齢の親御さん本人が行く場所として、これは分かりやすい。

その上で、注文が2つあります。1つ目は、7か所の一覧に受付時間が併記されていないことです。市の案内では相談の受付時間は午前8時30分から午後5時15分とされていますが、2026年6月29日更新の一覧ページ自体には各センターの時間の記載がありませんでした(2026年8月30日確認)。土曜日に開いているのか、閉庁日はどうなるのか。仕事を持つ子ども世代がいちばん知りたいのはそこです。

2つ目は、担当課の分かれ方です。地域包括支援センターのページを出しているのは市の担当課の地域包括ケア推進グループ(0538-37-4831)で、介護保険の手続きは高齢者支援課 介護保険グループ(0538-37-4769)、負担限度額などの給付は高齢者支援課 給付グループ(0538-37-4869)です。同じiプラザ3階に3つの電話番号が並んでいます。市の中での分担としては筋が通っていますが、外から見ると番号を選べません。一事業者としては、高齢者向けの入口をひとつにまとめた電話番号があるとありがたいと思っています。窓口の場所については磐田市の介護相談窓口、敬老の日(9月21日)前に確認に整理しました。

運営する側から言うと、たらい回しに感じる原因は順番にある

ここからは私の意見です。介護現場の一場面として書ける記録が手元にないので、体験談ではなく考えとして書きます。

私の実感では、「窓口をたらい回しにされた」と感じるご家族の話は、実際に回されたのではなく順番が逆になっていた、というものです。まだ認定がないのに居宅介護支援事業所へ電話し、「認定を取ってからですね」と言われる。あるいは、認定は出ているのに市の窓口へ電話し、「担当のケアマネジャーに聞いてください」と言われる。どちらも制度としては正しい案内なのですが、受け取る側は突き放されたように感じます。

だから私は、認定の有無を先に確認することをすすめています。介護保険被保険者証に要介護度が書かれていれば認定が出ています。書かれていなければ、まだです。それだけ見れば、電話する先は決まります。認定申請から結果が出るまでの日数は要介護認定は何日かかる?磐田市の申請から結果までに書きました。

言い切っておきます。迷ったら地域包括支援センターです。認定がなくても、要支援でも、要介護でも、間違いになりません。ケアマネジャー支援も業務のうちなので、担当のケアマネジャーがいる方の相談も受けられます。逆方向、つまり認定前の方が居宅介護支援事業所に電話すると、事業所は仕事として受けられません。片方だけが全部の段階をカバーしています。

今日できる確認は3つ

今日、どこかへ相談する必要はありません。次の3つだけ確かめておくと、電話をかける日に迷いません。

1. 介護保険被保険者証を見る要介護度が書かれているか。書かれていれば認定済み、空欄なら未認定。電話する先はこれで決まる
2. 親御さんの住所の中学校区を確認する磐田市は中学校区で担当センターが決まる。上の表で番号を控えておく
3. 電話をかける前に、聞きたいことを1つに絞る「何から始めればいいか」でも構わない。3つ以上並べると、どの窓口の話かが混ざって案内が長くなる

1つだけ、私が確認できなかったことを書いておきます。各センターが土曜日や閉庁日にどう対応しているかは、市の一覧ページからは読み取れませんでした。平日の受付は午前8時30分から午後5時15分です。それ以外の時間帯を当てにしたい方は、市の担当課(0538-37-4831)に聞くのが確実です。

よくあるご質問

最初はどちらに電話すればいいですか。

要介護・要支援の認定をまだ受けていないなら、地域包括支援センターです。磐田市には中学校区ごとに7か所あり、住んでいる地区で担当が決まります。すでに認定が出ていて担当のケアマネジャーがいるなら、その方に相談してください。認定が出ているのに担当がいない場合も、地域包括支援センターが居宅介護支援事業所を紹介してくれます。

ケアプランの作成にお金はかかりますか。

かかりません。介護保険法第46条は居宅介護サービス計画費について、第41条の居宅介護サービス費のような給付率の定めを置いていません。費用の全額が介護保険から給付されるため、利用者負担が発生しない仕組みです。磐田市のパンフレット「みんなのあんしん介護保険」も「ケアプランの作成、介護予防ケアプランの作成は、利用者の負担はありません」と書いています。

要支援1・2でもケアマネジャーに頼めますか。

頼めます。2024年4月1日から、居宅介護支援事業者も市町村長の指定を受けて介護予防支援を行えるようになりました。根拠は令和5年法律第31号による介護保険法第115条の22第1項の改正です。それまでは地域包括支援センターが作り、居宅の事業所は委託を受ける形でした。指定を受けている事業所かどうかは、事業所か地域包括支援センターに確認してください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは2026年8月30日時点の一般的な整理です。センターの所在地・電話番号・担当区域は変更されることがあります。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。

見学・介護相談はこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

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