
親の介護で残業を減らしたい。会社にどう請求する?
介護の時間外労働の制限は、対象となる労働者が勤務先へ請求し、法定時間外労働を月24時間・年150時間以内に制限する制度です。開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。対象条件と社内様式を確認してください。残業をゼロにする所定外労働の制限とは別で、毎日の定時退社を保証する制度ではありません。
時間外労働の制限は、残業ゼロとは違う
介護のための時間外労働の制限は、法定労働時間を超える労働に上限を設ける制度です。厚生労働省は、対象となる労働者が請求した場合、月24時間、年150時間を超える時間外労働をさせてはならないと説明しています。本記事は2026年9月24日に公式情報を確認しました。
法定労働時間は原則として1日8時間、週40時間です。一方、会社の就業規則などで決めた所定労働時間を超える勤務を免除するのが「所定外労働の制限(残業免除)」です。名前が似ていても、抑える対象が違います。
意外かもしれませんが、時間外労働の制限を請求しても、毎日の定時退社が決まるわけではありません。磐田の親の夕食に間に合うよう職場を出たいなら、月の合計だけでなく、必要な退社時刻を勤務先へ伝えます。制度の対象や利用条件、賃金の扱いは個別に確認が必要です。
| 制度 | 何を相談するか |
|---|---|
| 時間外労働の制限 | 法定時間外労働を月24時間・年150時間以内に抑える |
| 所定外労働の制限 | 会社で定めた所定労働時間を超える勤務の免除 |
| 介護休業 | まとまった期間休み、仕事と介護を続ける体制を整える |
休業を含めて検討したい場合は、介護休業の申出手順で整理できます。休む日を確保する話と、働く日の残業を抑える話を分けて相談してください。
夜の勤務そのものを外したい場合は、介護の深夜業制限の対象条件と請求手順を確認してください。
請求できる労働者と対象家族を確認する
介護の時間外労働の制限は、要介護状態の対象家族を介護する労働者が対象です。厚生労働省は、日々雇用される人、継続雇用1年未満の人、週の所定労働日数が2日以下の人を対象外として挙げています。正社員かどうかという名称だけで決めず、雇用期間と勤務日数を確認します。
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。要介護状態とは、負傷、疾病、身体または精神の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指します。この記事だけで親の状態が該当するとは判断せず、勤務先の窓口に確認してください。
開始日から逆算し、書面等で請求する
介護の時間外労働の制限は、開始予定日の1か月前までに、書面等で勤務先に請求します。1回の期間は1か月以上1年以内で、回数に制限はありません。厚生労働省は、社内の様式がある場合はその様式を使うよう案内しています。
- 人事・労務窓口に、制度の対象条件と請求先を聞く。
- 希望する開始日と終了日を決め、開始1か月前の期限を確認する。
- 社内様式と添付書類、提出方法を確認して記入する。
- 書面等で提出し、提出日と控えを残す。
- 担当者と、適用期間、勤怠の確認方法、実際の仕事の分担を確認する。
たとえば2026年11月1日からの利用を考えるなら、1か月前は2026年10月1日です。これは日付の例であり、個別の受付を保証するものではありません。社内の提出先に届く方法も確認してください。急な介護で期限まで待てない場合は、希望日と困る時間帯を伝え、当面の勤務調整も相談します。
通院への付き添いなどで休む時間が必要なら、介護休暇の取り方も候補になります。時間外労働の制限の請求書を出すだけで、休暇の手続まで済んだとは考えないでください。
勤務先に伝える文例と、提出後の確認
勤務先への最初の連絡では、介護に直面していること、希望する働き方、確認したい手続を分けて伝えます。以下は私が作成した相談文例で、法定の請求様式ではありません。正式な請求は会社が案内する方法で行ってください。
父母の介護が必要になり、働き続けながら残業を抑える方法を相談したいです。介護のための時間外労働の制限について、対象条件、請求書式、提出先を教えてください。開始希望日は[年月日]、終了希望日は[年月日]です。夕方は[時刻]までに職場を出る必要があり、所定外労働の制限との違いも確認したいです。
私なら、面談後に「誰へ、何を、いつまでに提出するか」を一枚に残します。月24時間以内でも、家族が困る日に残業が集中すれば、夕方の介護は回りません。曜日ごとの帰宅時刻、通院予定、引継ぎが必要な仕事を相談の材料にします。
厚生労働省は、事業の正常な運営を妨げる場合には請求を拒める例外も示しています。ただ、個別の事情が例外に当たるかは、この記事では決められません。利用できないとの説明に疑問があれば、理由と条件を確認し、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談してください。
2025年4月からの個別周知を相談の入口にする
2025年4月1日から、介護に直面したと申し出た労働者に対し、会社が介護休業や両立支援制度を個別に知らせ、利用意向を確認することが義務になりました。厚生労働省の案内では、制度に加え、申出先なども周知する対象です。利用を控えさせるような周知は認められません。
私は、制度を知っている人だけが担当部署にたどり着く状態を変える入口として評価します。そのうえで、説明資料を渡すだけで相談が終わる形にはしたくありません。家族が必要な時間帯を話し、勤務先が提出先と手続を返すところまでつながってほしいと考えます。
個別周知を受けることと、時間外労働の制限を正式に請求することは別です。面談をしたから自動的に残業が制限された、と受け取らないようにしてください。在宅勤務も検討するなら、介護のテレワークを勤務先に相談する項目も読めます。
運営する側から、必要な帰宅時刻を先に考える
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、住まいの「ふじがおか見付連理枝」、通所のふじがおか見付デイサービス、訪問のふじがおか訪問介護センターを運営しています。3つは別のサービスで、住まいと介護サービスの契約も別です。
私は、制度の名前より、何時に職場を出る必要があるかを先にしたいと考えます。残業を減らせても、その時間を家族の介護だけで埋めれば、負担は残るからです。一方で、勤務と介護をどこまで細かく予定化できるかには迷いもあります。まず固定できる曜日と、変わる予定を分ける。これは実在の相談事例ではなく、私からの段取りの提案です。
今日、人事に聞くことを一つ決める
介護のために残業を抑えたい家族が今日できる確認は、勤務先へ「時間外労働の制限の請求先と様式を教えてください」と連絡することです。勤務の制度は勤務先へ、親の生活を支える方法は介護の相談先へ、分けて確かめます。
私たちのサービスを利用するかどうかは、その後に考えて構いません。まず、夕方に必要な助けと、家族が仕事を続ける条件を一緒に紙に置くことです。申し込みや見学を先に決めなくても、相談は始められます。
定時を超える勤務そのものの免除を希望する場合は、介護の残業免除を請求する手順で対象条件と社内手続きを確かめてください。
よくあるご質問
制度の対象や手続は、勤務先の担当窓口に確認してください。
時間外労働の制限はいつまでに請求しますか。
開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。1回の期間は1か月以上1年以内で、回数に制限はありません。社内様式があればそれを使い、提出先と必要な添付書類を勤務先へ確認してください。急な介護で希望日までの余裕がないときは、正式な請求と当面の勤務調整を分けて相談します。
月24時間以内なら毎日定時に帰れますか。
毎日の定時退社を保証する制度ではありません。時間外労働の制限は、法定時間外労働を月24時間・年150時間以内に抑える制度です。所定労働時間を超える勤務を免除する制度とは異なります。夕方の介護で退社時刻が決まっているなら、その時刻を伝え、所定外労働の制限も含めて確認してください。
会社から利用できないと言われたらどうしますか。
まず対象となる雇用条件と、利用できないとする理由を確認してください。厚生労働省は事業の正常な運営を妨げる場合の例外も示していますが、個別の該当性は記事では判断できません。説明に疑問が残る場合は、やり取りを整理し、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談できます。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
次の一次情報を2026年9月24日に確認しました(2026年9月確認)。
この記事は2026年9月24日に確認した一般的な制度案内です。法令や社内手続は変更されることがあります。雇用条件、利用可否、賃金の扱いは勤務先へ、法令の解釈や紛争に関する相談は労働局などへ確認してください。介護サービスの提供者が勤務先の判断を代行することはできません。
介護相談フォームはこちら 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
介護の制度・利用可否・自己負担は個別条件で異なります。担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。