訪問介護 / 2026年8月27日

訪問介護の身体介護と生活援助の違いは?磐田で頼めること

訪問介護の身体介護と生活援助の違いは?磐田で頼めることの内容を表したAI生成イラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「ヘルパーさんに、どこまで頼んでいいのか分かりません」

線を引いているのは事業所ではなく、国の通知です。身体介護は利用者の身体に直接接触して行う介助など、生活援助は掃除・洗濯・調理などの家事。同居家族の分の調理や庭の草むしりは、介護保険の生活援助に含まれません。ただし保険外なら頼める、とも通知に書かれています。

区分を決めているのは事業所ではなく、平成12年の国の通知

訪問介護で何を頼めるかの線引きは、事業所ごとの方針ではありません。「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日 老計第10号、厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)という1本の通知が、行為ごとに区分を定めています。直近の改正は平成30年3月30日の老振発0330第2号で、平成30年4月1日から適用されています。

断られたときに「この事業所は融通が利かない」と感じるご家族がいます。実際には、全国共通の区分に沿って動いているだけです。線の位置に納得がいかないときの相手は、事業所ではなく制度のほうです。

身体介護は「身体に直接接触」、生活援助は「身体介護以外の家事」

老計第10号は、2つの区分をそれぞれ次のように定義しています。身体介護は「利用者の身体に直接接触して行う介助サービス」、利用者のADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援・重度化防止のためのサービス、その他専門的知識・技術をもって行う日常生活上・社会生活上のためのサービス、の3つです。

生活援助のほうは、こう書かれています。「生活援助とは、身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいう。」

通知は行為ごとに番号を振っています。主なものを抜き出します。

身体介護(1-0〜1-6)生活援助(2-0〜2-6)
サービス準備・記録等(健康チェック、環境整備、相談援助)サービス準備等(健康チェック、環境整備、相談援助)
排泄・食事介助(トイレ利用、ポータブルトイレ利用、おむつ交換、食事介助)掃除(居室内やトイレ、卓上等の清掃、ゴミ出し、準備・後片づけ)
洗面等、身体整容、更衣介助洗濯(洗濯、乾燥・物干し、取り入れと収納、アイロンがけ)
体位変換、移動・移乗介助、外出介助ベッドメイク(利用者不在のベッドでのシーツ交換等)
自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助衣類の整理・被服の補修、一般的な調理・配下膳、買い物・薬の受け取り

入浴介助でも、家にある浴槽を使う訪問介護と、浴槽を持ち込む訪問入浴介護は別サービスです。違いと磐田市所在の件数は訪問介護と訪問入浴の違い|磐田は2事業所で確認できます。

2024年度改定で下がったのは単位数。区分の定義は変わっていない

2024年(令和6年)度の介護報酬改定で、訪問介護の基本報酬は引き下げられました。厚生労働省の第239回社会保障審議会介護給付費分科会(令和6年1月22日)の諮問書別紙にある新旧対照表で、区分ごとの単位数を確認できます。適用は令和6年4月1日からです。

区分改定前改定後
身体介護 20分未満167単位163単位
身体介護 20分以上30分未満250単位244単位
身体介護 30分以上1時間未満396単位387単位
生活援助 20分以上45分未満183単位179単位
生活援助 45分以上225単位220単位
通院等乗降介助99単位97単位

一方で、改定率そのものは全体でプラス1.59%でした。基本報酬を下げ、処遇改善加算の一本化で加算率を上げる。同じ資料に「現行の3加算の取得状況に基づく加算率と比べて、改定後の加算率は2.1%ポイント引き上げられている」とあります。

なお、同じ2024年度の改定で訪問看護の基本報酬は全区分で上がっています。訪問介護とは方向が逆でした。始め方の違いも含めた整理は磐田で選ぶ訪問介護と訪問看護の違いに書きました。

区分の定義のほうは動いていません。老計第10号の改正は2024年度改定に含まれておらず、身体介護と生活援助の線は平成30年4月1日のものが今も生きています。報酬の話と、頼める内容の話は別だと考えてください。

単位数を「限度額の枠をどれだけ食うか」に翻訳する

単位数を円に直すと、身体介護30分以上1時間未満は387単位、1単位10円なら1回3,870円で、1割負担なら387円。生活援助45分以上は220単位で2,200円、1割負担で220円です。1回あたりの差は167円程度で、これだけ見ると大きな話に見えません。

効いてくるのは月単位の枠のほうです。要介護1の区分支給限度基準額は16,765単位(平成12年厚生省告示第33号)。週3回・月12回の訪問を身体介護30分以上1時間未満で組むと387×12=4,644単位で、枠の約27.7%を使います。同じ回数を生活援助45分以上で組むと220×12=2,640単位、枠の約15.7%です。差は12ポイント。デイサービスや福祉用具と同じ枠を分け合うので、この12ポイントは他のサービスの回数に直結します。

不動産でも同じで、月々の返済額だけで判断すると修繕費や固定資産税で後から詰まります。介護の枠も、1回の金額ではなく月の消費で見ないと、後から回数を削ることになります。自己負担が1割か2割かで金額は倍変わるので、介護保険負担割合証の見方も先に確かめてください。

生活援助として頼めない家事は、通知に例示されている

介護保険の生活援助に含まれない家事は、厚生省老人保健福祉局振興課長通知(平成12年11月16日 老振第76号)の別紙に「一般的に介護保険の家事援助の範囲に含まれないと考えられる事例」として、3つに分けて例示されています。

分類例示されている行為
「直接本人の援助」に該当しない行為(主として家族の利便に供する、または家族が行うことが適当な行為)利用者以外のものに係る洗濯、調理、買い物、布団干し/主として利用者が使用する居室等以外の掃除/来客の応接(お茶、食事の手配等)/自家用車の洗車・清掃
「日常生活の援助」に該当しない行為(訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じない行為)草むしり/花木の水やり/犬の散歩等ペットの世話
「日常生活の援助」に該当しない行為(日常的に行われる家事の範囲を超える行為)家具・電気器具等の移動、修繕、模様替え/大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ/室内外家屋の修理、ペンキ塗り/植木の剪定等の園芸/正月、節句等のために特別な手間をかけて行う調理

老計第10号にも、生活援助に含まれないものとして「商品の販売・農作業等生業の援助的な行為」「直接、本人の日常生活の援助に属しないと判断される行為」の2つがあります。実家の畑の世話を頼めないのは、事業所が冷たいからではありません。

頼めない家事も「保険外なら可能」と、同じ通知に書いてある

老振第76号でいちばん見落とされているのは、頼めない家事の一覧ではなく、そのあとに置かれた一文だと私は思っています。同じ通知にこうあります。「なお、これらの保険給付の範囲外のサービスについて、利用者と事業者との間の契約に基づき、保険外のサービスとして、保険給付対象サービスと明確に区分し、利用者の自己負担によってサービスを提供することは、当然、可能である。」

草むしりも大掃除も同居家族の分の調理も、介護保険では頼めないだけで、保険外の契約としてなら成り立ちます。条件は、保険のサービスと明確に区分することと、全額自己負担になること。厚生労働省が平成30年に出した通知でも、訪問介護と保険外を組み合わせる例として、草むしりやペットの世話、同居家族の部屋の掃除が挙がっています。

保険外をどこまで用意しているかは事業所ごとに違います。あるかどうかは、その事業所に聞くしかありません。

運営する側から言うと、迷うのは「見守り的援助」の線

私は磐田市見付で、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターの3つを運営しています。訪問介護を売っている側です。以下は特定の利用者の事例ではなく、運営する側としての私の考えです。

私がいちばん迷うのは「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」です。平成30年の改正で、この項目は「自立生活支援のための見守り的援助」から名前が変わり、定義もADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と共に行うサービス、となりました。共に行う、という言葉が入っています。

ヘルパーが台所に立って一人で作れば、生活援助の調理です。本人と一緒に立ち、本人ができる工程をやってもらいながら見守れば、身体介護の見守り的援助になり得ます。同じ30分でも区分が変わる。どちらが正しいかはその方の状態とケアプランで決まり、現場の判断だけで動かせるものではありません。私は今も、この線をきれいに説明できたと思えたことがありません。

家族の側からは、家事が終わっていないと「何もしてくれなかった」と見えることがあります。実際には、本人にやってもらうこと自体が計画に入っている場合があります。腑に落ちないときは、事業所を責める前にケアプランの目標欄を見てください。通所と訪問の役割分担についてはデイサービスと訪問介護の違いは?磐田での選び方に整理しました。

今日できる確認は3つ

ヘルパーに何を頼むかを今日決める必要はありません。手元で終わる確認が3つ。

  • サービス提供票で、身体介護と生活援助のどちらで組まれているかを見る。区分と時間が行ごとに書かれています。思っていた内容と違うなら、そこが話の起点になります。
  • 頼みたいことを書き出し、この記事の表と突き合わせる。保険で頼めるもの、保険外になるものに分かれます。分かれた時点で、次に聞く相手が決まります。
  • 区分支給限度基準額の残りをケアマネジャーに聞く。回数を増やす話は、枠の残りが分からないと進みません。

台風や停電のときの訪問は台風の前に、磐田の介護施設に確認したい4つのことに書きました。介護の順番をまだ押さえていない方は介護を知るからどうぞ。うちに切り替える必要はありません。聞く材料が1つ増えれば十分です。

同居家族がいる場合の生活援助については、訪問介護は同居家族がいても使える?磐田の確認で整理しています。

生活援助で使う洗剤の保管を家族と共有するときは、高齢者の洗剤誤飲|磐田の親と知る容器の危険も確認してください。

自費で頼む先の認証表示と契約を確認する場合は、介護保険外サービスの認証と家族の3確認も参照してください。

庭仕事を別の依頼先へ相談する考え方は、シルバー人材と訪問介護の違い|磐田の家事で整理しています。

よくあるご質問

身体介護と生活援助は、どちらを頼むか家族が選べますか。

区分は事業所や家族が決めるものではなく、老計第10号の定義に沿ってケアプランで決まります。身体介護は利用者の身体に直接接触して行う介助など、生活援助は掃除・洗濯・調理などで、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものです。実際の区分は担当のケアマネジャーにご確認ください。

ヘルパーに、同居している家族の分の食事も作ってもらえますか。

介護保険の生活援助には含まれません。厚生省老人保健福祉局振興課長通知(老振第76号)の別紙は「利用者以外のものに係る洗濯、調理、買い物、布団干し」を、介護保険の家事援助の範囲に含まれない事例として挙げています。同じ通知は、保険給付対象サービスと明確に区分したうえで、利用者の自己負担による保険外サービスとして提供することは可能だとも書いています。

2024年度の改定で、訪問介護の身体介護と生活援助の区分は変わりましたか。

区分の定義は変わっていません。変わったのは基本報酬の単位数で、身体介護30分以上1時間未満が396単位から387単位、生活援助45分以上が225単位から220単位に下がりました。適用は令和6年4月1日からです。区分を定めた老計第10号の直近の改正は平成30年4月1日適用のもので、2024年度改定には含まれていません。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは2026年8月27日時点の一般的な整理です。単位数の金額換算は1単位10円としたもので、実際の単価は地域区分とサービス種別で変わります。どの行為がどちらの区分になるかは個々の状況とケアプランで判断されます。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。

見学・介護相談はこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

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