
Q. 介護保険外サービスの認証マークがあれば、そのまま頼んでいい?
A. 100年人生サポート認証は、介護関連サービス事業協会が基準に沿って審査する民間の認証です。第五期の募集対象は生活支援と配食の2領域。家族は認証の対象、頼める作業、料金と解約条件を別々に確認してください。申請中は認証取得済みを意味しません。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービスの代表取締役として介護事業を運営しています。事業者に認証マークがあれば、家族には頼む先を選ぶ手掛かりになります。ただ、マークを見ることと、親に必要な作業を頼めるかの確認は別です。保険の対象、利用可否、自己負担は個別条件で変わります。2026年10月10日に確認した資料から、契約前に聞く順番を整理します。
100年人生サポート認証は何を示すか
100年人生サポート認証は、一般社団法人介護関連サービス事業協会が行う民間の認証です。協会が定めたガイドラインに沿って審査・評価し、一定の基準を満たす介護保険外サービス事業者に認証を付与します。介護保険の給付対象を決める認定とは別の仕組みです。
協会が第五期に募集しているのは、生活支援サービスと配食サービスの領域です。生活支援の例には、会話や交流、買い物代行、掃除、衣替え、外出や通院の付き添いなどが挙げられています。列挙された作業の全てを、どの事業者にも頼めるという案内ではありません。
私は、マークの印象より先に、誰が発行し、何を対象に審査したのかを読む習慣が役立つと考えます。「認証」という同じ言葉でも、家族が頼もうとしている事業所やサービスが対象に含まれるかは、表示と説明を照合しないと分かりません。
第五期の受付開始と認証付与は別の時点
介護関連サービス事業協会は、2026年9月28日に第五期認証審査の受付開始を公表しました。認証申請の受付は9月28日から10月14日です。案内上の審査期間は10月中旬から12月下旬、認証付与は翌2027年1月中とされています。いずれも事業者向けの予定です。
申請できるのは協会の一般会員で、認証取得には費用が発生します。協会への入会、審査への申請、認証の取得は別の段階です。受付が始まったという知らせを、第五期の申請事業者が既に認証されたという意味に読み替えないでください。
家族が親のサービスを10月14日までに契約する必要はありません。私は、事業者側の募集期限が、利用者側の決断の期限に見えない説明をしたいと考えます。審査中という回答なら、現在確認できる提供内容と契約条件を聞き、取得済みという表示とは分けて受け止めます。
良い点は共通の物差し、注文は個別条件の説明
介護保険外サービスの民間認証の良い点は、事業者が一定の基準で審査を受けたかを、選ぶ材料にできることです。私は、サービス名や宣伝文だけを比べるより、審査の主体と対象が示されることを評価します。初めて自費サービスを調べる家族にも、質問の出発点を作れます。
一方、私が注文したいのは、認証の説明で個別契約の説明を終えないことです。誰が来るのか、頼んだ作業をどこまで行うのか、予定変更時にどう連絡するのかは、家庭ごとの利用場面に合わせて確かめる必要があります。マークは親の一日の予定表を代わりに作ってはくれません。
認証の有無だけで、他の事業者の良し悪しを断定するのも避けたいと思います。家族が比べたいのは、自分たちの依頼に対して説明が具体的か、困ったときに連絡できるかです。認証を一つの材料として使いながら、答えがまだない項目を残しておきます。
家族が契約前に分けて聞く3項目
介護保険外サービスを選ぶ家族には、認証の対象、依頼する作業、費用と契約条件の3項目を別々に確認する方法を提案します。以下は協会の審査項目を転載したものではなく、家族が説明を聞き漏らさないための私の確認順です。
第一に、認証の正式名称、取得済みかどうか、対象となる事業所とサービスを尋ねます。広告のマークと見積書の事業者名が違うときは、その関係を説明してもらいます。表示だけで判断せず、どの契約の相手が認証を受けているかを確かめます。
第二に、頼みたい作業と頼まない作業を書きます。「通院の付き添い」なら、自宅からの同行なのか、院内だけなのか、待ち時間も含むのかを質問します。できる範囲は事業者へ確認し、家族の想像で広げないようにします。
第三に、見積書で基本の料金と追加費用を分け、取消しや解約の条件を聞きます。時間が延びた場合、担当者が来られない場合、事故や苦情があった場合の連絡先も確認します。ここでは未確認の価格を例示せず、それぞれの書面で確かめる形にします。
保険の訪問介護と自費の作業を混ぜない
厚生労働省の家事使用人と訪問介護の組合せに関する案内では、保険サービスと保険外サービスの違いを明確にするよう示しています。組み合わせる際は、双方をケアプランに明確に位置づけ、業務に必要な時間も家庭で理解する必要があると説明しています。
保険で頼める範囲を整理する場合は、訪問介護の身体介護と生活援助の違いが入口になります。家族が同居している場合の確認は、同居家族と訪問介護の利用相談に分けています。認証の有無で、保険の利用条件が置き換わるわけではありません。
私は、保険の相談で頼みにくいと感じた作業も、まず内容を支援者へ伝えてよいと考えます。そのうえで、どこからが自費なのか、どの時間を誰が担うのかを確認します。ケアプランに家族の意向を伝える準備も、依頼を言葉にする際の参考になります。
私は、持ち帰れる見積書を判断の出発点にしたい
自費の依頼内容と見積書を手元に残すことは、家族が契約を考えるための準備です。認証マークを見た日を、契約を決める日にしなくてよい。今日できるのは、親に頼みたい作業を聞き、一つだけ事業者に質問することです。
私はこう考えます。自分がサービスを売る側なら、家族が説明を持ち帰って比べられる状態を作りたい。作業の紙、金額の紙、取りやめ方の紙を並べて、分からない箇所に印を付ける。契約書を閉じた後にも家族が確認できるようにすることが、認証の説明と同じくらい必要だと思います。口頭の安心だけで契約を進めたくありません。
私自身、認証だけでどこまで判断できるかには迷いがあります。今回の資料から、自社の認証取得や保険外サービスの提供は確認できていません。自社が認証済みであるかのようには案内しません。
運営する側として利害を明かすと、私の事業には住まいの「ふじがおか見付連理枝」があります。サービス付き高齢者向け住宅です。通所のふじがおか見付デイサービス、訪問のふじがおか訪問介護センターとは別です。住まいと介護サービスは契約が別で、この記事の認証対象だと結びつけるものではありません。
よくあるご質問
この記事のテーマについて、利用や申請を決める前に確認したい疑問を整理します。
認証があれば介護保険を使えますか。
100年人生サポート認証は、介護関連サービス事業協会が介護保険外サービスの事業者を審査する民間認証です。認証があることで、依頼した作業が介護保険の給付対象になるわけではありません。利用する制度、作業の範囲、支払う費用を分けて確認し、訪問介護と組み合わせる場合は担当のケアマネジャーにも相談してください。
第五期に申請中なら認証済みですか。
申請中は認証取得済みではありません。第五期の案内では、2026年9月28日から10月14日までが申請受付で、審査は10月中旬から12月下旬、認証付与は翌2027年1月中の予定です。家族は依頼時点での取得状況と対象サービスを確認してください。この期限は事業者向けで、家族の契約期限ではありません。
認証があれば契約条件を確認しなくてもよいですか。
認証があっても、依頼する作業、担当者、料金、追加費用、取消しや解約の条件は別に確認します。認証の対象に、契約する事業所やサービスが含まれるかも尋ねてください。親の希望と家族の負担を書面で整理し、不明点は説明を受けてから判断します。マークだけを理由に、その日のうちに契約を決める必要はありません。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護事業を運営し、不動産業では実家じまい・相続の相談も受けています。プロフィール
参考にした公式情報
以下の一次情報を2026年10月10日に確認しました。
- 介護関連サービス事業協会「第五期認証審査の受付開始」(2026年10月確認)
- 介護関連サービス事業協会「認証概要」(2026年10月確認)
- 厚生労働省「家事使用人が訪問介護と組み合わせて利用する場合」(2026年10月確認)
自社サービスについては、電話または相談フォームから確認できます。相談だけでも構いません。
相談フォームを開く 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
制度・数値・手続きは変更される場合があります。利用可否や自己負担は個別条件で変わります。税の適用は税務署や税理士へ、用具の適合は専門職へ、申請や指定は各担当窓口へご確認ください。介護の利用に関する個別の判断は、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。