サービスの選び方 / 2026年8月27日

デイサービスと訪問介護の違いは?磐田での選び方

デイサービスと訪問介護の違いは?磐田での選び方の内容を表したAI生成イラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「親にはデイサービスと訪問介護、どちらを勧めればいいですか」

比べる軸は「どちらが良いか」ではなく、埋めたい時間がどこかです。通所介護は法律上「通わせ」て介護と機能訓練を行うもの、訪問介護は「その者の居宅において」介護を行うもの。両方とも同じ区分支給限度基準額の枠内で組み合わせられます。費用のかかり方は通所のほうが実費が多くなります。

介護保険法の定義が違う。通所介護にだけ「機能訓練」が入っている

デイサービスと訪問介護は、介護保険法の条文の段階で別のものとして書かれています。訪問介護は第8条第2項、通所介護は第8条第7項です。並べて読むと、違いは通う・通わないだけではありません。

訪問介護(ホームヘルプ)通所介護(デイサービス)
法律上の場所「その者の居宅において」老人デイサービスセンター等に「通わせ」
行うこと入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練
要支援1・2介護保険の訪問介護は対象外(総合事業へ)利用できない(総合事業へ)
利用者から受け取れる実費事業実施地域外の交通費のみ食事の提供に要する費用、おむつ代、地域外の送迎、日常生活費

条文で「及び機能訓練」と書かれているのは通所介護のほうだけです。訪問介護の定義にこの語はありません。ここが両者を分ける一番はっきりした線だと私は見ています。ただし、機能訓練があるから体の状態が良くなるとは書けません。事業者が約束できる話ではないからです。定義に含まれているのは「そういう内容を行う枠組みである」という意味にとどめてください。

要支援1・2の方については、厚生労働省の介護サービス情報公表システムに「通所介護は、要支援1・2の人は利用できません」と明記されています。通う先は市町村の総合事業の通所型サービスです。まだ認定を受けていない段階なら、そもそもどちらの話にもなりません。認定にかかる日数は要介護認定は何日で出る?磐田市は平均30.1日にまとめました。

通所・訪問の候補を見学前に絞るときは、介護サービス情報公表システムの見方|磐田3項目で、最初に見る欄を3つに整理しています。

令和8年6月から、処遇改善加算は訪問介護28.7%・通所介護12.0%が上限

厚生労働省老健局は令和8年1月16日の社会保障審議会介護給付費分科会(第253回)に、「令和8年度介護報酬改定について」という資料を出しました。改定率はプラス2.03%。内訳は処遇改善分がプラス1.95%、基準費用額(食費)の引上げ分がプラス0.09%、国費ベースで518億円です。令和9年度の改定を待たない期中改定です。

この資料に、介護職員等処遇改善加算の加算率がサービス種別ごとに載っています。訪問介護と通所介護を抜き出すと次のとおりです。

加算区分訪問介護通所介護
加算Ⅰ(ロ)28.7%12.0%
加算Ⅰ(イ)27.0%11.1%
加算Ⅱ(ロ)26.6%11.8%
加算Ⅲ20.7%9.9%
加算Ⅳ17.0%8.3%

28.7%と12.0%は、どちらも加算Ⅰ(ロ)を取得した場合の率です。すべての事業所がこの率になるわけではありません。資料の注記によれば加算率は「サービス毎の常勤換算の職員数に基づき設定」され、加算を除く加減算後の総報酬単位数に乗じられます。施行日は令和8年6月1日です。

加算率を支払う側の数字に翻訳すると、差はこうなる

加算率は事業所の賃上げの原資ですが、総報酬単位数に乗せる形なので、利用者の自己負担にも同じ割合で乗ります。パーセントのままだと実感が持てないので、割り戻してみます。

仮に、ある月に訪問介護を20,000単位使ったとします。加算Ⅰ(ロ)なら加算は20,000×0.287で5,740単位。1単位を10円として57,400円、1割負担の方の自己負担はそのうち5,740円です。同じ20,000単位を通所介護で使った場合は12.0%なので2,400単位、24,000円、1割負担で2,400円。加算だけで月3,340円の差が出る計算になります。2割負担なら差は倍になります。自己負担割合の決まり方を先に確かめておくと、この数字の意味がはっきりします。

断り書きを2つ。1単位あたりの単価は地域区分とサービス種別で変わります。ここでは分かりやすさのために1単位10円で計算したので、実際の金額はずれます。もうひとつ、この加算が区分支給限度基準額の枠に含まれるかどうかは、今回私が確認した資料からは判別できませんでした。ご自身のプランでの扱いは担当のケアマネジャーにご確認ください。分からないことを分かったように書くほうが、あとで困ると考えて残しています。

なお、区分支給限度基準額そのものは令和8年度の改定で変わっていません。要介護1が16,765単位、要介護3が27,048単位、要介護5が36,217単位、要支援2が10,531単位です(平成12年厚生省告示第33号)。訪問介護も通所介護も同じ「居宅サービス」なので、この1つの枠を分け合います。

実費のかかり方が違う。通所には食費とおむつ代がある

介護保険の1割・2割の話とは別に、利用者から受け取れる実費の範囲が、通所と訪問で明確に違います。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第96条第3項は、通所介護について「食事の提供に要する費用」「おむつ代」、通常の事業実施地域外の送迎費用、日常生活費を利用者から受け取れると定めています。

一方、訪問介護について定めた同じ基準の第20条第3項にあるのは、「通常の事業の実施地域以外の地域の居宅において指定訪問介護を行う場合」の交通費だけです。食費もおむつ代も、訪問介護には受領できる規定そのものがありません。当たり前といえば当たり前で、家で食べる食事は家の食費だからです。

つまり通所は「介護保険の自己負担+食費+おむつ代」、訪問は「介護保険の自己負担」がほぼすべてです。1日あたりの見た目で比べると通所が高く見えますが、通所の食費は家の食費が浮く分と相殺されます。家計として比べるなら、月単位で家の食費を差し引いて並べてください。施設に移る選択肢まで含めるなら、サ高住と特養の費用差もあわせてどうぞ。

「同居家族がいると生活援助は使えない」は、国の考え方ではない

訪問介護を検討するご家族から、同居している家族がいるから生活援助は無理だと言われた、という話を聞くことがあります。これは国の考え方ではありません。厚生労働省老健局振興課長が平成21年12月25日に出した通知(老振発1224第1号)は、都道府県に対してこう求めています。「生活援助等において同居家族等がいることのみを判断基準として、一律機械的にサービスに対する保険給付の支給の可否について決定することがないよう、改めて周知徹底していただくようお願いいたします」。

同じ通知には、「適切なケアプランに基づき、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断されるべきもの」ともあります。同居家族の有無は判断材料のひとつで、それだけで結論が決まる仕組みではありません。断られた理由に納得できないときは、担当のケアマネジャーに根拠を聞いてください。そもそも生活援助として何を頼めるのかは、訪問介護の身体介護と生活援助の違いは?磐田で頼めることに、国の通知の区分ごとに整理しました。

運営する側から言うと、選ぶ順番はサービス名ではなく「空白の時間」

私は磐田市見付で、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターの3つを運営しています。通所も訪問も自分のところにあるので、どちらを勧めても売上になる立場です。以下は特定の利用者の事例ではなく、運営する側としての私の意見です。

デイサービスと訪問介護は、どちらが優れているかを比べるものではないと考えています。埋めたい時間が違うだけです。デイサービスは、朝から夕方までのまとまった時間を建物の側で預かる仕組み。訪問介護は、決められた時間に決められた内容を家で行う仕組みです。だから最初に決めるのは、サービス名ではなく「1週間のうち、どの時間が空白になっていて困っているか」のほうです。同じ通所でも、デイサービスとデイケアの違いは、日常生活上の支援を軸にするか、医師が関わるリハビリを軸にするかです。

家族が働いていて日中ずっと家を空けるなら、その時間を埋められるのは通所です。逆に、朝の着替えと服薬の30分だけが回らないなら、人が来る訪問のほうが噛み合います。うちのデイサービスは定員25名、入浴は一人ずつ案内する個別浴。訪問介護センターの受付は月曜日から日曜日の8時30分から17時30分です。この時間の外が空白になるご家庭では、訪問だけで組み立てるのは無理があります。自社のサービスでも、できないことは先に書いておきます。

預けている時間と家にいる時間は別に考えてください。磐田の猛暑日にどこを確認するかと同じ話で、訪問介護は来ていない時間が空白になります。両方を組み合わせる選択肢が最初からあることを忘れないでください。通いと泊まりと訪問を1つの事業所でまとめて受ける形もあります。その違いは小規模多機能とデイサービスの違い|磐田は6か所に整理しました。

今日できる確認は3つ

どちらにするかを今日決める必要はありません。決めるための材料を3つ揃えるところまでで十分です。

  • 1週間の予定を紙に書き、困っている時間帯に線を引く。曜日と時刻まで落とすと、通所と訪問のどちらが噛み合うかは自然に見えてきます。
  • 介護保険負担割合証で、自己負担が1割か2割かを確かめる。加算率が乗る割合が変わるので、月の支払いの見通しが変わります。
  • 担当のケアマネジャーに、区分支給限度基準額の残りを聞く。訪問と通所は同じ枠を分け合います。今どれだけ使っていて、あといくら分の余地があるかを数字で聞いてください。

この3つが揃えば、どちらから始めるかをご家族の中で話せる状態になります。全体の順番をまだ押さえていない方は介護を知るを先に読んでください。比べる段階まで来たら見学・相談にお越しいただければ結構です。今日は、決めない自由を残したままで構いません。

よくあるご質問

デイサービスと訪問介護は、どちらか一方しか使えませんか。

どちらも介護保険法上の居宅サービスなので、同じ区分支給限度基準額の枠内で組み合わせて使えます。限度額は要介護1が16,765単位、要介護3が27,048単位、要介護5が36,217単位です(平成12年厚生省告示第33号)。枠の中でどう配分するかは、担当のケアマネジャーと組み立てることになります。

同居している家族がいると、訪問介護の生活援助は使えませんか。

使えないと決まっているわけではありません。厚生労働省老健局振興課長通知(老振発1224第1号、平成21年12月25日)は、同居家族等がいることのみを判断基準として一律機械的に給付の可否を決めることがないよう、市町村へ周知を求めています。個々の状況に応じてケアプランで判断されるものです。断られた理由に納得できないときは、担当のケアマネジャーか市の窓口に確認してください。

要支援でもデイサービスは使えますか。

介護保険の通所介護は、要支援1・2の方は利用できません。厚生労働省の介護サービス情報公表システムにも「通所介護は、要支援1・2の人は利用できません」と明記されています。要支援の方が通う先は、市町村が実施する総合事業の通所型サービスになります。磐田市での利用可否は、地域包括支援センターにご確認ください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは2026年8月27日時点の一般的な整理です。加算率は事業所が取得している区分によって異なり、すべての事業所が上限の率になるわけではありません。単位あたりの単価も地域区分で変わります。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。

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