認知症 / 2026年8月27日

磐田で認知症かもと思ったら、最初の相談先はどこか

磐田で認知症かもと思ったら、最初の相談先はどこかの内容を表したAI生成イラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「親が同じことを何度も聞くようになりました。病院に連れて行ったほうがいいですか」

最初にかけるのは病院ではなく、親御さんの住所の中学校区を担当する地域包括支援センターです。磐田市内に7か所あります。磐田市立総合病院の認知症疾患医療センターは、かかりつけ医の紹介状がないと受診できません。順番を逆にすると、余分に時間がかかります。

9月21日が「認知症の日」なのは、法律にそう書いてあるから

共生社会の実現を推進するための認知症基本法(令和5年法律第65号)は、第9条にこう書いています。「認知症の日は九月二十一日とし、認知症月間は同月一日から同月三十日までとする。」施行日は2024年1月1日。啓発の慣行として9月にイベントが集まっているのではなく、法律に日付が定められています。この法律そのものが家族にとって何なのかは、認知症基本法とは?2024年1月施行で家族に変わることで条文ごとに整理しました。

もとをたどると、1994年9月21日にスコットランドのエジンバラで開かれた第10回国際アルツハイマー病協会国際会議の初日が「世界アルツハイマーデー」と宣言されたのが始まりだと、厚生労働省のページが説明しています。

磐田市の認知症月間は、9月12日の音楽会から始まる

磐田市の「認知症月間」のページ(2026年8月26日更新)に、市内の催しが出ています。地域包括支援センターが開く認知症啓発イベント「まちがってもいい音楽会」は、令和8年9月12日(土曜日)13時から15時、iプラザ(総合健康福祉会館)2階。認知症に関する展示とパステル画の体験会も同時に行われ、「私たち、今を生きています」をテーマにした展示は9月末まで続きます。市内の図書館とにこっとでも特別展示が予定されています。

問合せ先は中部(0538-37-1060)、豊田(0538-36-1300)、城山・向陽(0538-36-4865)の3つの地域包括支援センターです。市の代表番号ではなく、包括の番号が直接書かれています。

最初の電話は、病院でも介護事業者でもなく、地区の地域包括支援センター

磐田市の地域包括支援センターは7か所あり、担当は住所ではなく中学校区で決まります。受付時間はいずれも午前8時30分から午後5時15分。市の案内では「高齢者やその家族、近隣に暮らす方の介護にかかわる悩みや問題」を受け付ける窓口とされ、診断書も要介護認定も相談の前提になっていません。一覧と担当中学校区は磐田市の介護相談窓口、敬老の日(9月21日)前に確認に表でまとめてあります。

なぜ病院より先に包括なのか。認知症に関して磐田市が用意している仕組みの入口が、ほぼすべて包括に置かれているからです。あとで触れる見守りオレンジシールも個人賠償責任保険事業も、申請場所は「担当の地域包括支援センター」と市が明記しています。シールの登録手順と、行方が分からなくなったときの流れは磐田市の認知症見守りオレンジシール|貼るだけの備えに分けて書きました。

私は介護事業者です。それでも、最初の1本をうちのような事業者にかけてほしいとは思いません。事業者は自分が持っているサービスの中からしか答えを出せません。

磐田市立総合病院の認知症疾患医療センターは、紹介状がないと受診できない

磐田市立総合病院には、静岡県が指定する認知症疾患医療センターがあります。認知症の鑑別診断、地域の介護・医療機関との連携、専門医療相談を行う機関です。ところが同院のページには、こう書かれています。「認知症疾患医療センターを受診される方は他院(かかりつけ医)からの紹介状が必要になります。脳神経内科外来での診察になりますので地域医療連携室で診察予約をお願いします。」

専門の窓口があると知ると、そこへ直行するのが最短だと考えたくなります。実際は逆で、まずかかりつけ医に相談し、紹介状を書いてもらってから予約する順番です。なお「もの忘れ外来」という名前で探しても市内では見つかりません。その理由と、受診の目安を公的資料で探した結果はもの忘れ外来の受診目安|磐田市で最初に行く先に書きました。

ただし、受診ではなく相談だけなら別の入口があります。同院の医療・福祉総合相談窓口(本館1階32番窓口)が、平日8時15分から17時まで、看護師と精神保健福祉士の担当で相談を受けています。電話は0538-38-5000(代表)です。

市の冊子には、認知症を診られる市内の医療機関の一覧が別紙で付いている

磐田市は『いわた認知症ハンドブック』という冊子を作っています(ページ更新日2026年4月1日)。症状の説明と対応方法、市内の地域包括支援センター、認知症の初期の相談や専門診療ができる医療機関が載っています。配布場所は、認知症の診療を行う市内医療機関、地域包括支援センター、市の担当課(iプラザ3階)です。

実務で効くのは、冊子本体より別紙のほうです。「認知症の診療を行う医療機関一覧」が令和8年4月更新の別PDFになっていて、429KB。冊子本体は7.1MBあります。かかりつけ医がいないご家族が最初に見るのは、この別紙です。

診断がつく前でも使える仕組みが磐田市に2つある。片方は補償上限1億円

磐田市には、認知症高齢者等事前登録事業(見守りオレンジシール)と、認知症高齢者等個人賠償責任保険事業という2つの仕組みがあります(いずれもページ更新日2026年6月16日)。どちらも申請場所は担当の地域包括支援センターで、同時に申請できます。

見守りオレンジシール個人賠償責任保険事業
目的行方不明時の早期発見・早期対応損害賠償責任を負った場合の補償
対象認知症や認知機能の低下により行方不明になる可能性がある市内在住の高齢者の方など上記シールの登録者で、市税などを滞納していない方(本人・同一世帯の全員)
費用市の案内に自己負担の記載なし市が一括加入するため被保険者の自己負担額なし
補償額該当なし上限1億円

登録には本人の写真が要ります。登録番号を記載したシールを受け取り、靴やサンダル、杖など普段使っている品に貼ります。保険は、線路に侵入して電車に遅延損害を与えた場合、他人にけがを負わせた場合、他人の財物を壊した場合などが対象だと市の案内にあります。

補償上限1億円は、私が普段扱っている不動産で言えば、磐田市内の中古戸建てが数軒買える金額です。それが被保険者の自己負担額なしで付く。家計の側から見て、登録しておく理由になる仕組みだと私は考えます。ただし市税などの滞納がないことが要件です。該当するかどうかは包括の窓口でご確認ください。

良い点を2つ数えたうえで、一事業者として注文を2つ書く

磐田市の認知症まわりの仕組みで、良いと思う点が2つあります。1つ目は、9月の催しの問合せ先が市の代表番号ではなく3か所の地域包括支援センターの直通番号であること。イベントを問い合わせた人が、そのまま相談先とつながります。2つ目は、医療機関一覧を冊子本体から切り離して別紙にし、令和8年4月に更新していること。冊子を作り直さずに医療機関の情報だけを新しくできる形は、現場で回しやすい。

そのうえで注文が2つ。1つ目は、ハンドブック本体が7.1MBのPDFであること。相談の初期にこれを開くのは、離れて暮らすお子さんのスマートフォンです。別紙が429KBで軽いだけに、本体もHTMLで読める形が並んでいると助かります。

2つ目は、認知症初期集中支援チームの案内が市のサイトに独立したページとして見当たらないことです。私が今回たどれた一次情報は、令和4年度の協議会の議事録PDFだけでした。複数の専門職が認知症の疑いのある方やその家族を訪問し、観察と評価のうえで初期支援を行う役割だと書かれています。まさに「認知症かもしれない」段階の家族が探しているものです。名前を知らない家族が自力でたどり着ける場所に置いてほしい、というのが一事業者としての要望です。

運営する側から言うと、私はまだ「早く受診を」と言い切れない

私は磐田市見付で、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターの3つを運営しています。認知症の診断がつけば、そのままうちのサービスの利用につながる立場です。以下は特定の利用者の事例ではなく、運営する側としての私の意見です。

その立場から書くと、私は「早く受診を」と言い切れないでいます。早いほうがよい理由は分かります。原因が認知症以外の病気だったときに手が打てること、本人が自分で希望を言えるうちに聞けること。それでも、本人が「自分は大丈夫だ」と言っている段階で子どもが病院へ連れ出そうとし、親子の関係が硬くなる場面のほうが先に来ます。硬くなった関係は、あとの介護の全部に効いてきます。

だから私は、順番を逆にすることを勧めています。本人を動かす前に、家族が先に相談する。地域包括支援センターへの電話は本人抜きでかけられます。本人を病院に連れて行くかどうかは、そのあとで決めればいい。ここは私の判断で、正解が1つに決まっている問題ではないと思っています。

この段階では、要介護認定の申請を急ぐ必要もありません。認定までの日数は要介護認定は何日で出る?磐田市は平均30.1日に、認定後にデイサービスと訪問介護のどちらから始めるかはデイサービスと訪問介護の違いは?磐田での選び方に整理しました。どちらも、今日読む必要はありません。なお9月21日は2026年の敬老の日でもあり、9月19日から23日は5連休です。帰省して様子を見るなら、この5日間が動きやすくなります。

今日できる確認は3つ

受診するかどうかを今日決める必要はありません。材料を3つ揃えるところまでで十分です。

  • 親御さんの家の中学校区を調べ、担当の地域包括支援センターの電話番号を控える。本人に相談せずにできます。かける前でも、番号が手元にあるだけで違います。
  • 親御さんのかかりつけ医が誰かを確かめる。認知症疾患医療センターに紹介状を書くのはこの医師です。診察券の置き場所と医院名だけで足ります。
  • 気になった変化を、日付つきで3行メモする。「いつから」は相談でも診察でも必ず聞かれます。記憶で答えるより、書いたものを見せるほうが早く進みます。

介護の全体の順番をまだ押さえていない方は介護を知るを先に読んでください。相談先をまだ決めたくない段階でも構いません。うちの見学・介護相談は、比べる段階まで来てからで十分です。

預金管理や契約手続きの不安が具体化している場合は、磐田市の成年後見制度の相談先と法人後見16件の意味も確認できます。

よくあるご質問

診断がついていない段階でも、地域包括支援センターに相談していいですか。

できます。磐田市は地域包括支援センターを「高齢者やその家族、近隣に暮らす方の介護にかかわる悩みや問題」の窓口と案内しており、診断書や認定の有無を相談の条件にしていません。磐田市内は7か所で、担当は住所ではなく中学校区で決まります。受付は午前8時30分から午後5時15分です。

磐田市立総合病院の認知症疾患医療センターは、予約すればすぐ受診できますか。

同院のページには「認知症疾患医療センターを受診される方は他院(かかりつけ医)からの紹介状が必要になります」と明記されています。診察は脳神経内科外来で、予約は地域医療連携室です。紹介状なしで直接行く形は想定されていません。相談だけなら本館1階32番窓口の医療・福祉総合相談窓口が平日8時15分から17時まで受け付けています。

見守りオレンジシールは、診断がついていないと登録できませんか。

磐田市の案内では、対象は「認知症や認知機能の低下により行方不明になる可能性がある市内在住の高齢者の方など」と書かれており、診断名は要件として示されていません。登録場所は担当の地域包括支援センターで、本人の写真を持参します。実際に登録できるかは個別の状況で判断されるため、担当の地域包括支援センターにご確認ください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは2026年8月27日時点の一般的な整理です。催しの日程や配布物の内容は変更されることがあります。認知症の診断や治療について、この記事は医学的な判断を示すものではありません。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。

見学・介護相談はこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

電話で相談相談する