防災 / 2026年9月1日

磐田市の個別避難計画|本人参加で確かめる

高齢の本人と家族、支援者が自宅前で避難する方向を一緒に確かめているイラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

親の個別避難計画は、家族が書いて市へ出せば終わりですか。

磐田市では、家族以外の支援が必要な在宅の方が名簿登録を申し出た後、自治会・自主防災会などが個別避難計画の作成に関わります。登録しても支援は保証されません。紙を完成させるだけでなく、本人が自宅から動き、経路・休む場所・連絡手段を確かめるところまでが備えです。

磐田市の対象は「支援が必要な在宅の方」

磐田市の個別避難計画は、高齢者全員が自動的に持つ計画ではありません。市の「災害時における要配慮者支援」によると、入口は避難行動要支援者名簿への登録です。対象は、家族以外の避難支援が必要な在宅の方で、次の7区分が示されています(2026年9月1日確認)。

  • 要介護3から5の判定を受けている方
  • 身体障害者手帳1級または2級の方
  • 静岡県療育手帳A1からA3の方
  • 精神障害者保健福祉手帳1級の方
  • 特定疾患医療受給者
  • 75歳以上の方だけで暮らす世帯
  • 上の区分に準じる状態にある自己申告の方

本人側が「避難行動要支援者名簿登録兼情報提供同意書」を市へ提出します。市は名簿を自治会長、自主防災会長、民生委員・児童委員へ配布します。自治会・自主防災会が避難方法や避難支援者などを記した個別避難計画を作り、民生委員・児童委員が協力する流れです。

要介護2以下なら対象外、とも限りません。7番目に自己申告の余地があります。一方、登録していない世帯の状況を周囲が自動で把握する仕組みでもありません。対象か迷った段階で、市の担当窓口へ確認するのが先です。介護の相談先自体が定まっていない方は、磐田市の地域包括支援センター7か所も確認できます。

2026年の防災週間は、本人が参加する訓練を明記

中央防災会議が2026年7月31日に公表した防災週間の実施要綱は、「避難行動要支援者本人が参加する避難訓練の実施」を取組の例に挙げました。2026年の防災週間は8月30日から9月5日まで、防災の日は9月1日です。

同じ要綱には「個別避難計画を活用した訓練等の実施」もあります。2021年5月に市町村による個別避難計画の作成が努力義務になった後、2026年は作成枚数だけでなく、本人が参加して計画を動かすことに焦点が当たっています。ここが意外でした。

ただし、国の要綱に書かれたことと、磐田市内の各地区で2026年度に訓練が実施済みであることは別です。私は磐田市の公式ページで、地区ごとの実施日までは確認できませんでした。国の記述を「磐田市で実施が決まった」と読み替えてはいけません。

本人と確かめるのは、経路・休憩・連絡・次の手

本人参加の確認では、自宅から避難先までを速く歩けるかではなく、普段の身体状況で無理なく動けるかを見ます。訓練日を待たず、天候の安定した昼間に家の周りだけ確かめる方法もあります。

  1. 玄関から道路へ出る。段差、靴、杖や歩行器の置き場所、持ち出す荷物を本人と確かめます。
  2. 予定する経路を本人の速さで進む。坂、側溝、暗くなる場所、車いすで曲がりにくい角を見ます。
  3. 途中で休める場所を決める。疲れたときに立ったまま待たずに済む位置を、計画へ具体的に足します。
  4. 支援者と連絡がつかない場合を決める。家族、近隣、自治会の誰へ次に連絡するかを一つ決めます。

避難先を福祉避難所と決め打ちしないでください。磐田市の福祉避難所は、災害直後に自宅から直接行く場所ではありません。開設と受け入れの順番は磐田市の福祉避難所、直接避難はできませんに整理しました。

良い点は情報共有、注文は訓練の予定を家族まで届けること

磐田市の仕組みの良い点は、本人側の同意を入口に、自治会・自主防災会、民生委員・児童委員へ情報をつなぐ流れが見えることです。家族だけで支援者を探して、家族だけで計画を抱える形ではありません。

さらに、市は「必ず避難支援を受けられるという制度ではありません」と明記しています。災害時には支援者も被災します。不安を和らげるために保証めいた説明をするより、この留保を先に知らせるほうが誠実です。

その上で、一事業者として注文があります。市のページには、本人と避難支援者が避難方法を確認し、自治会・自主防災会が個別避難計画を使った訓練を行うことが書かれています。ただ、地区ごとの予定を家族がどこで知るかは同じページから分かりません。作成後の家族へ、訓練の問い合わせ先と確認時期を一枚で渡すところまでつながれば、参加しやすくなると私は考えます。

紙が完成しても、本人が動かなければ計画とは呼びにくい

個別避難計画は、紙が完成しても、本人が一度も動いていなければ計画とは呼びにくい。制度として筋が通っていても、使う人が玄関の段差を越えられなければ意味がありません。私はここを言い切ります。

私はサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する側です。住まい、通所、訪問は別のサービスで、災害時の動きも同じではありません。特定の利用者について見た体験をここへ書いているのではなく、利害のある運営者としての意見です。

正直に言えば、本人が参加すれば全部分かる、とまでは言えません。平日の通所中と夜の在宅時では居場所が違います。訪問介護の予定時刻に災害が起きても、職員が到着できる保証はありません。住まいの契約があっても、通所介護や訪問介護が自動で付くわけではありません。利用中のサービス別に連絡の順番を確かめる質問は、台風の前に介護事業所へ確認したい4項目へ分けてあります。

今日できる確認は、計画の有無を本人に聞くこと

2026年9月1日にできる最初の確認は、親御さんへ「個別避難計画を作った覚えがあるか」と聞くことです。分からなければ、同意書の控えや自治会から届いた紙を探します。書類が見つかったら、記載された避難先と支援者の連絡先が現在も合っているかを見ます。

救急搬送時に伝える情報は別に、磐田市の救急情報シート|親と更新する3項目で、緊急連絡先・服用薬・かかりつけ医の更新手順を確認できます。

認知症があり、外出時の行方不明も心配なご家庭では、避難計画とは別の平時の備えとして磐田市の認知症見守りオレンジシールも確認できます。どちらも登録した事実だけで安心せず、本人が使う場面まで考える点は同じです。

今日、住まいや介護サービスを決める必要はありません。まず計画の有無を一つ確認し、次に本人と玄関から外へ出てみる。その結果を持って、自治会・自主防災会、市の窓口へ相談してください。

関連する確認として、家具固定|磐田の親の寝室で確かめる3点も整理しました。

2026年度の地区ごとの訓練日を確認する際は、磐田市の防災訓練|介護家族が確かめる参加日で整理しています。

よくあるご質問

磐田市では、高齢者なら全員が個別避難計画の対象ですか。

高齢者全員ではありません。磐田市が名簿登録の対象に挙げるのは、家族以外の避難支援が必要な在宅の方です。要介護3から5、75歳以上だけの世帯など7区分があり、該当区分に準じる状態の方は自己申告もできます。個別の該当可否は市へ確認してください。

個別避難計画は家族だけで作るのですか。

磐田市の案内では、本人側が名簿登録兼情報提供同意書を市へ提出します。その後、自治会・自主防災会が避難方法や避難支援者などを記した個別避難計画を作成し、民生委員・児童委員が協力する流れです。家族だけで完成させる書類ではありません。

名簿に登録すれば、災害時に必ず助けてもらえますか。

必ず支援を受けられる制度ではありません。磐田市も、災害時には避難支援者も被災する可能性があると説明しています。登録は支援の可能性を高める備えです。本人が動ける距離や経路、支援者と連絡がつかない場合の次の手も平時に確かめてください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度、支援の可否、介護サービスの利用条件と自己負担は、個別の状況と時期で変わります。この記事は2026年9月1日に確認した一般的な整理です。ご本人の状況に当てはまるかは、市の窓口、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。

介護相談フォームはこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

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