
親がつまずくようになった。家の段差を直せば、それで大丈夫?
高齢者の転倒は、段差や濡れた床などの生活環境だけでなく、身体機能の低下、疾患、薬の副作用も確認対象です。親がつまずいた場所・時刻・動作と体調を記録し、薬は自己判断で中止せず医師・薬剤師へ相談します。転倒だけで入居を決めず、本人の希望と自宅で変えられる点を整理します。既にけがや体調の変化があれば、環境点検より先に医療機関へ相談してください。
高齢者の転倒原因は、段差だけではない
高齢者の転倒では、生活環境と身体の状態の両方を確かめます。消費者庁は、段差や雨で濡れた床に加え、身体機能の低下、疾患、薬の副作用による転倒の可能性を挙げています。家に危ない場所が見つかっても、それだけが原因と決めないことです。
この記事は、消費者庁の2025年9月12日配信「Vol.669 高齢者の事故」を、2026年9月17日に再確認したものです。敬老の日を前に親の暮らしを確かめる材料として取り上げます。2026年に新しく発表された注意喚起ではありません。
親が既に転んでけがをしたり、体調が変わったりしている場合は、家の点検より医療機関への相談を優先します。厚生労働省は、支えなしでは立てないほど急にふらつく場合などを、救急車を呼ぶ目安として示しています。緊急性が高いときは119番です。
この記事は転倒原因を診断するものではありません。暮らしで気づいたことを、医師・薬剤師や介護の担当者に伝えるための整理です。介護の制度、利用可否、自己負担は個別条件で異なります。転倒したという情報だけで、必要なサービスまで断定しません。
家の環境は、親が実際に通る道筋で見る
家の転倒リスクを確かめる際は、親が普段通る道筋を本人と確認します。消費者庁は生活環境の確認と危険箇所を減らすことを呼びかけています。私は、部屋を一律に片付ける前に、どこで足を取られたかを親に聞く方法を勧めます。
磐田の実家を訪ねた子どもが見る昼の玄関と、親が夜にトイレへ向かう道筋は違います。玄関、寝床からトイレ、台所など、本人が「ここは歩きにくい」と言う場所を選びます。再現のために、危険な動きをもう一度してもらう必要はありません。
| 確認する場面 | 親と見ること | 相談に残す材料 |
|---|---|---|
| 部屋の出入口 | 段差やマットの縁、足元の物 | どこに足が当たったか |
| 夜の移動 | 通る道筋と足元の見え方 | 時刻、目的、照明の状態 |
| 雨の日の外出 | 濡れた道路や建物の床 | 場所、天候、滑った状況 |
この表は私が提案する聞き取り項目です。照明やマットを含め、何を変えるかは本人の使い方も確認します。家族が勝手に家具を動かし、いつもの動作を変えてしまわないよう、手を付ける前に声をかけます。
工事や福祉用具が必要そうなら、家族だけで方法を決めず専門職に相談します。制度を使う改修の手続は、磐田市の介護保険による住宅改修と申請の順番で別に整理しています。
身体と薬は、医師・薬剤師に相談する
身体機能や疾患、薬の影響については、医療職に判断を相談します。消費者庁の注意喚起が薬にも触れている点は、段差だけを見ていると抜けやすいところです。「年齢のせい」「この薬のせい」と家族が先に結論を出す材料ではありません。
厚生労働省の「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編・療養環境別)」は、自己判断による減薬や中止の危険性に注意を促しています。気になる変化があっても、家族の判断で量や飲み方を変えず、医師・薬剤師へ連絡してください。
私なら、いつからつまずきが気になったか、どの動作で起きたか、薬の変更について分かることを分けてメモします。薬を替えた日を知らなければ、知らないまま相談して構いません。お薬手帳や手元の薬の情報を用意し、確かめてもらいます。
手帳がスマートフォンにある場合は、薬局で見せられる状態かも確かめます。電子版お薬手帳を親と使うときの確認も参考に、本人の了承を得て情報を扱ってください。
家族のメモは、見た事実と推測を分ける
転倒の相談では、家族が見たことと、原因についての推測を分けて伝えます。私は「足腰が弱くなった」だけでなく、場所・時刻・動作を短く残す方法が役立つと考えます。
- いつ、どこで、何をしていたときにつまずいたか。
- 実際に転んだか、踏みとどまったか。
- 床の濡れ、段差、物の配置など、確認できた環境。
- 本人が話す痛みやふらつきなどの変化。
- 受診や薬の変更について分かっていること。
家族がその場にいなかったなら、「本人から聞いた」と書きます。原因の欄を無理に埋めないことです。通所先や訪問の担当者に共有する場合も、本人と相談し、支援に必要な範囲で伝えます。「家では夜に困る」といった時間帯の違いも、確認を頼む材料になります。
相談先がまだ決まっていないご家庭は、地域包括支援センターとケアマネジャーの役割を確認してください。医療面の相談は主治医へ、生活の手助けや環境の相談は介護の担当者へ、と用件を分けます。
運営する側から言うと、転倒だけで入居を決めない
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい・通所・訪問は別のサービスです。住まいと介護サービスの契約も別で、入居すれば転倒しないとは案内できません。
消費者庁の呼びかけで良いと私が考えるのは、本人だけに注意を求めず、家族や身近な人も確認する立場に置いていることです。その上で注文したいのは、「気を付けて」で終わらず、誰に何を相談するかまで家庭の言葉にすることです。
利害のある運営者としての私の意見です。転んだことを、そのまま入居の理由にしない。身体の確認、薬の相談、家で変えられるところを飛ばして契約の話へ進めば、家族が判断する材料を減らしてしまいます。住まいを変える選択も残しながら、まず本人がどこで困っているかを確かめます。
私が迷うのは、安全を心配するほど、親が自分で動く機会まで家族が狭めてしまわないかという点です。反対に、本人が大丈夫と言うだけで放っておくこともできません。外出を一律にやめさせる結論ではなく、どの場面でどんな支えが要るかを専門職と考えたいのです。
今日の確認は、困った場所を一つ聞くこと
今日できる確認は、親に「どこで、何をしているときに、つまずいたのか」と聞くことです。けがや急な体調変化がなく環境を確認できる状況なら、該当する場所を安全な位置から一緒に見ます。
場所のメモと、身体や薬について医療職へ聞きたいことを分ければ、次の相談が具体的になります。原因を家族だけで決めず、本人の希望も添えて伝える。その準備を今日の成果にしてよいと私は考えます。
見え方や眼鏡の不適合も気になる場合は、眼鏡が合わない高齢の親|磐田で相談する前にで相談前の準備を整理しています。
庭木の手入れや荷物整理で脚立を使う場合は、高齢者の脚立作業の分担も読み、登らずに済む方法と担当者を別に決めてください。
事故が起きた後の説明を受けるときは、介護事故の家族説明|確認したい3項目で確認事項を整理できます。
骨の状態を医療者へ相談する準備は、骨粗鬆症の相談|磐田の親と10月20日に確認で整理しています。
よくあるご質問
高齢者の転倒について、環境の見直し、薬の相談、住まいの判断を分けて確認します。
家の段差をなくせば、転倒の心配はなくなりますか。
段差は確認事項の一つですが、それだけで転倒の心配がなくなるとは言えません。消費者庁は濡れた床、身体機能の低下、疾患、薬の副作用も挙げています。本人がつまずいた場所と動作を確認し、身体や薬の疑問は医師・薬剤師へ相談してください。工事や福祉用具の必要性は、本人の暮らし方を踏まえて介護の担当者と検討します。
薬を飲み始めてからふらつく場合、やめてもよいですか。
家族や本人の自己判断で薬を減らしたり中止したりせず、医師・薬剤師に相談してください。厚生労働省の指針も、自己判断による減薬や中止の危険性に注意を促しています。薬を飲み始めた時期と、ふらつきが出た時期、実際の飲み方を伝えます。お薬手帳も用意し、原因の判断と薬の扱いを医療職に確認してもらいます。
親が一度転んだら、施設への入居を決めるべきですか。
転倒したことだけで入居を決めることはできません。まずけがや体調の変化を医療機関へ相談し、生活環境と必要な支援を確認します。本人の希望、自宅で変えられる点、家族が支えられる範囲を整理してから、住まいを変える選択も含めて検討します。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに、起きた場面を具体的に伝えてください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
次の一次情報を2026年9月17日に確認しました。
- 消費者庁「Vol.669 高齢者の事故」(2025年9月12日配信)(2026年9月確認)
- 厚生労働省「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編・療養環境別)」(2026年9月確認)
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」(2026年9月確認)
この記事は一般的な確認事項で、転倒原因の診断や治療の指示ではありません。個別の身体の状態と薬の扱いは医師・薬剤師へ相談してください。制度や支援内容は変更されることがあり、家の改修や介護サービスの利用条件も個別に確認が必要です。
暮らしや介護の相談は、入居・契約を決める前でも構いません。電話と相談フォームのどちらでも受け付けます。
介護相談フォームはこちら 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
介護の制度・利用可否・自己負担は個別条件で異なります。担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。なお、帰省時の見守り手順については秋彼岸の帰省で気づく親の変化|磐田で相談する初期3項目も合わせて参考にしてください。