「親の介護保険料、磐田市だといくらなんでしょうか」
磐田市の第1号被保険者(65歳以上)の保険料の基準額は、年額67,200円・月額5,600円です。ただし基準額は第5段階に当たる方の額で、全員がこの額ではありません。所得に応じて13段階に分かれ、年額19,152円から161,280円まで開きがあります(磐田市ホームページ、2026年7月9日更新)。
磐田市の基準額は、年額67,200円・月額5,600円
磐田市が公開している「介護保険料」のページ(2026年7月9日更新)に、そのまま書かれています。「磐田市の基準額は、年額67,200円(月額5,600円)です。また保険料は高齢化の進展などを見込み、3年ごとに見直しがされます。」ここでいう保険料は、65歳以上の第1号被保険者のものです。
40歳から64歳の方(第2号被保険者)の保険料は、この基準額とは別の仕組みです。同じ磐田市のページに、加入している健康保険(医療保険)の中から一括して納める、と書かれています。親の保険料を調べているつもりで自分の給与明細を見ても、67,200円という数字は出てきません。
「基準額」は市民の平均額ではなく、第5段階に当たる方の額
介護保険料の基準額を検索でたどり着いた方が、いちばん取り違えやすいところです。基準額は市民全員の平均でも、いちばん人数が多い層の額でもありません。所得段階のうち第5段階に当たる方の額であり、他の段階の保険料は、この67,200円に一定の割合を掛けて決まります。
磐田市は第1段階から第13段階まで、13の段階すべての年額を金額で公開しています。全部並べると読みにくいので、両端と節目を抜き出します。
| 段階 | 基準割合 | 保険料(年額) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 基準額×0.285 | 19,152円 |
| 第4段階 | 基準額×0.90 | 60,480円 |
| 第5段階(=基準額) | 基準額 | 67,200円 |
| 第9段階 | 基準額×1.70 | 114,240円 |
| 第13段階 | 基準額×2.40 | 161,280円 |
第1段階と第13段階の差は、年額で142,128円。倍率にすると8.42倍です(161,280円÷19,152円。私の計算)。同じ市内に住み、同じ制度を使うのに、納める額はこれだけ開きます。第13段階は「本人が市民税課税で、前年の合計所得金額が720万円以上の場合」と磐田市のページに書かれています。
親の保険料を知りたいなら、基準額を見ても答えは出ません。段階が分からないと額が決まらないからです。
月5,600円を、手元の別の支出と並べて見る
年額で言われると大きく感じ、月額で言われると小さく感じる。私は不動産の仕事でも介護の仕事でも、金額を言われたら必ず手元の別の支出と並べる癖がついています。
私が運営しているサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」の共益費は、月38,000円です。基準額の月5,600円は、その約15%にあたります(5,600円÷38,000円。私の計算)。ご夫婦2人とも65歳以上で、2人とも第5段階なら、世帯としては年額134,400円・月額11,200円になります(67,200円×2。私の計算)。共益費の約3割です。
段階別の月額も出しておきます。第1段階は月1,596円、第13段階は月13,440円(いずれも年額を12で割った私の計算)。磐田市のページに段階別の月額表記はないので、この2つの数字は市の公表値ではありません。
ここまでが保険料の話です。実際にサービスを使い始めると、これとは別に利用料がかかります。さらにもう1つ、介護保険とは別枠で磐田市が用意している11の事業があります(磐田市の高齢者等在宅福祉サービス、使える11事業)。住まいの費用の考え方についてはサ高住と特養の費用差、2026年8月の改定でどう変わるに整理しました。
令和8年度の保険料には、その年だけの特例措置が置かれている
磐田市のページには、令和8年度(2026年度)の保険料に限った特例措置が明記されています。給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に変わる改正への対応として、令和8年度の介護保険料は改正前の給与所得控除額で算出する、という内容です。
対象は、令和7年中の給与収入が55.1万円以上190万円未満で、令和8年1月1日および4月1日に磐田市に住民登録がある方。親がパートや嘱託で給与収入を得ている場合に効いてきます。私が読んだ限り、この特例措置に自分から申請する手続きの記載はありません。該当しそうなら市の窓口で聞いたほうが早いです。
なお、災害や収入の著しい減少で保険料の支払いが難しいときは、減免と徴収猶予の制度が別にあります。事由と申請期限は磐田市の介護保険料、減免と徴収猶予の申請先に整理しました。
磐田市のページの良い点と、一事業者としての注文
磐田市の介護保険料のページには、他市と比べて良いところがあります。順番に3つ数えます。①第1段階から第13段階まで、割合だけでなく年額を円単位で全部書いていること。②令和8年度限定の特例措置を、対象となる給与収入の下限と上限まで示していること。③問い合わせ先が課名・電話番号・受付時間まで書かれていること(健康福祉部高齢者支援課介護保険グループ、0538-37-4769、午前8時30分〜午後5時15分)。
その上で、一事業者としての注文が2つあります。①段階別の月額がないこと。年金から天引きされる側の実感は月単位なので、13段階の年額の隣に月額が並んでいるだけで、読者が自分で割り算をしなくて済みます。②「3年ごとに見直し」とあるだけで、今の額がいつからいつまでのものかがページ上で分からないこと。私も今回、計画期間の記載を探しましたが、このページ内では見つけられませんでした。次の見直しがいつ来るのかは、保険料を家計に組み込む側にとっては金額そのものと同じくらい知りたい情報です。
運営する側から言うと、混同されるのは「保険料と利用料」
私は磐田市見付で、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターの3つを運営しています。介護サービスを売っている側です。以下は特定の相談者の事例ではなく、運営する側としての私の考えとして読んでください。
介護のお金の話でいちばんほどきにくいのが、「保険料をずっと納めてきたのに、どうして利用料も要るのか」という感覚だと私は考えています。財布は2つあります。保険料は40歳以上の方が納めるお金。利用料は、要介護認定を受けてサービスを使った方が、使った分に応じて1割から3割を負担するお金です。納めていることと、使えることと、いくらかかるかは、それぞれ別の話です。
正直に言うと、私はこの説明をどの順番で出すか、いまだに迷っています。先に「別のお金です」と言うと突き放して聞こえ、後から言うと隠していたように聞こえる。うちのように介護サービスを売っている側が言うと、なおさら言い訳がましく響きます。それでも先に言うほうがましだと今は思っていて、この記事でも先に書きました。ご本人の負担割合は介護保険2割負担の拡大は?磐田の家族が今できる確認で触れた負担割合証に書かれています。
今日できる確認は3つ
親の保険料の段階を今日つきとめる必要はありません。手元と電話1本で終わる確認が3つあります。
- 介護保険料額決定通知書(納入通知書)で段階を見る。毎年7月ごろに市から届く書類です。段階と年額が書かれています。これが分かれば、この記事の表と突き合わせるだけで済みます。
- 年金からの天引きか、納付書かを確認する。天引き(特別徴収)なら年金の振込通知書に金額が出ています。納付書なら手元の払込票です。どちらか分かるだけで、探す場所が決まります。
- 介護保険負担割合証を探しておく。要介護認定を受けている方には届いています。保険料とは別の書類で、サービスを使うときの自己負担割合が書かれています。
認定そのものをこれから申請する段階の方は要介護認定は何日で出る?磐田市は平均30.1日を、どこに相談したらいいか分からない方は磐田市の介護相談窓口をご覧ください。うちのサービスに切り替える必要はありません。今日、決めるための材料が1つ増えれば十分です。保険料の計算のもとになる認定者数の見込みそのものは、磐田市の高齢化率29.1%|認定率は全国より低いに数字を並べました。
年金から差し引かれる額と実際の入金を確かめるときは、年金振込通知書の見方|10月の介護保険料を確認で通知書の読む順番を整理しています。
保険料額を調べた後は、誰が納付したかも確認します。親の介護保険料は誰が控除?磐田の年末調整で確認の順番を整理しています。
よくあるご質問
磐田市の介護保険料の基準額はいくらですか。
65歳以上の第1号被保険者の基準額は年額67,200円(月額5,600円)です。磐田市ホームページ「介護保険料」(2026年7月9日更新)に記載されています。ただしこれは所得段階の第5段階に当たる方の額で、保険料は13の段階に分かれます。最も低い第1段階は年額19,152円、最も高い第13段階は年額161,280円です。自分がどの段階かは市から届く通知書で確認できます。
介護保険料を納めていれば、デイサービスや訪問介護は無料で使えますか。
使えません。介護保険料と、サービスを使ったときの利用料(自己負担)は別のお金です。保険料は40歳以上の方が納めるもので、利用料は要介護認定を受けてサービスを使った方が、費用の1割から3割を負担します。ご本人の負担割合は、市から届く介護保険負担割合証に書かれています。個別の金額は担当のケアマネジャーにご確認ください。
磐田市の介護保険料はどうやって納めますか。
磐田市ホームページによると、65歳以上の方は原則として年金からの天引き(特別徴収)です。年金額が年額18万円未満の方などは、納付書または口座振替で納めます(普通徴収)。40歳から64歳の方は、加入している健康保険(医療保険)の中から一括して納めます。納め方の個別の扱いは磐田市高齢者支援課介護保険グループ(0538-37-4769)へご確認ください。
この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは2026年8月28日時点の一般的な整理です。段階別の月額、倍率、世帯合計は年額から私が計算したもので、磐田市の公表値ではありません。ご本人がどの所得段階に当たるかは前年の所得と世帯の課税状況で決まります。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、磐田市高齢者支援課の窓口でご確認ください。