磐田の制度 / 2026年8月29日

磐田市の介護保険料、減免と徴収猶予の申請先

市の窓口で保険料の相談をする場面を表したAI生成イラスト。木のカウンターに申請書を広げ、来庁した家族と担当者が向かい合っている
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「台風で家をやられて、親の介護保険料まで手が回りません。待ってもらえますか」

磐田市には減免と徴収猶予の両方があります。相談先は高齢者支援課 介護保険グループ(0538-37-4769、午前8時30分〜午後5時15分)。徴収猶予は1年以内の期間を限って認められ、減免の申請期限は普通徴収なら納期限前7日までです。納期限を過ぎる前に電話してください。

磐田市の介護保険料の減免・徴収猶予の事由と申請先、滞納したときの措置を並べた図 磐田市介護保険条例第9条第1項と第10条第1項が定める減免・徴収猶予の事由は5つ。1つ目は第1号被保険者またはその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災・風水害・火災その他これらに類する災害により住宅・家財その他の財産に著しい損害を受けたこと。2つ目は世帯の生計を主として維持する者が死亡したこと、または心身に重大な障害を受け、もしくは長期間入院したことにより収入が著しく減少したこと。3つ目は生計を主として維持する者の収入が、事業もしくは業務の休廃止、事業における著しい損失、失業等により著しく減少したこと。4つ目は干ばつ・冷害・凍霜害等による農作物の不作、不漁等により収入が著しく減少したこと。5つ目はその他特別の理由があること。徴収猶予の期間は1年以内。減免の申請期限は普通徴収が納期限前7日まで、特別徴収が年金の支払日前7日まで。申請書は様式第51号「介護保険料減免・徴収猶予申請書」。窓口は健康福祉部 高齢者支援課 介護保険グループ、磐田市国府台57-7 iプラザ3階、電話0538-37-4769、受付は午前8時30分から午後5時15分。滞納した場合は1年以上で償還払い化、1年6か月以上で保険給付の一時差止、2年以上で自己負担が1割または2割の方は3割、3割の方は4割になる。 磐田市 介護保険料の減免・徴収猶予(条例第9条・第10条) 磐田市介護保険条例(平成17年4月1日条例第134号)による ※減免額の算定方法は市の公開情報では未確認 減免・徴収猶予の事由(5つ。減免と猶予で同じ立て方) 1 震災・風水害・火災などの災害で、住宅・家財などに著しい損害を受けた 2 生計を主に維持する方の死亡・重大な心身の障害・長期入院で収入が著しく減った 3 事業・業務の休廃止、事業の著しい損失、失業などで収入が著しく減った 4 干ばつ・冷害・凍霜害などによる農作物の不作、不漁で収入が著しく減った 5 その他特別の理由があるとき 徴収猶予(条例第9条) 一時に納付できないと認めるとき 1年以内の期間を限って猶予 納付義務者の申請による 減額・免除(条例第10条) 普通徴収は納期限前7日まで 特別徴収は年金支払日前7日まで 様式第51号で申請 滞納したとき:1年以上→いったん全額自己負担/1年6か月以上→給付の一時差止/2年以上→1割・2割の方は3割、3割の方は4割 窓口:健康福祉部 高齢者支援課 介護保険グループ(磐田市国府台57-7 iプラザ3階/0538-37-4769/午前8時30分〜午後5時15分)
磐田市介護保険条例および磐田市公式ウェブサイトの記載内容をもとに作成した図です(2026年8月29日確認)。実際に減免や猶予が認められるかは市が個別に判断します。

磐田市は「早めに相談を」と書いている

磐田市公式ウェブサイトの「介護保険料」のページ(2026年7月9日更新/2026年8月29日確認)には、保険料の減免について次の2文が載っています。「災害などで、保険料を納めることが難しい場合は、保険料の減免や猶予が受けられる場合もあります。困ったときは、お早めに高齢者支援課にご相談ください。」

市のページに書かれているのは、この2文だけです。どんな理由なら対象になるのか、いつまでに出せばいいのか、どの様式を使うのかは書かれていません。それらは磐田市介護保険条例(平成17年4月1日条例第134号)と同条例施行規則(平成17年規則第70号)のほうに書いてあります。この記事では、その条文から拾えるところを整理します。

制度の根拠は介護保険法第142条です。「市町村は、条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、保険料を減免し、又はその徴収を猶予することができる。」つまり中身は市町村ごとの条例で決まります。他の市の解説をそのまま磐田に当てはめることはできません。

事由は5つ。災害だけではない

磐田市介護保険条例第9条第1項(徴収猶予)と第10条第1項(減額・免除)は、同じ5つの事由を挙げています。条文はこう書かれています。第1号は「第1号被保険者又はその属する世帯の生計を主として維持する者が、震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、住宅、家財又はその他の財産について著しい損害を受けたこと」。

第2号は「第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者が死亡したこと又はその者が心身に重大な障害を受け、若しくは長期間入院したことにより、その者の収入が著しく減少したこと」。第3号は「第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者の収入が、事業又は業務の休廃止、事業における著しい損失、失業等により著しく減少したこと」。第4号は干ばつ・冷害・凍霜害等による農作物の不作、不漁等による収入の著しい減少。第5号は「その他特別の理由があること」です。

災害だけの制度ではない、というのが読み取れる一番大事なところです。失業や事業の不振で世帯の収入が落ちた場合も、第3号にあたる可能性があります。磐田市のページには「災害などで」としか書かれていないので、災害に遭っていない方が自分は対象外だと判断してしまいやすい。条文はもっと広く書かれています。

注意点として、いずれも主語は「第1号被保険者の属する世帯の生計を主として維持する者」です。親御さん本人ではなく、世帯の家計を支えている方の状況で判断される号が多い、ということです。

期限は「7日前まで」。過ぎたら間に合わない

減額・免除の申請期限は、磐田市介護保険条例第10条第2項が定めています。普通徴収(納付書または口座振替)の方は納期限前7日まで、特別徴収(年金からの天引き)の方は特別徴収対象年金給付の支払日前7日までです。徴収猶予のほうは、条例第9条第1項が「1年以内の期間を限って徴収猶予することができる」と定めています。半年ではなく1年です。

ここは言い切っておきます。納期限を過ぎてから相談に行っても、その期の減免には間に合いません。困ってから動くのではなく、困りそうだと分かった時点で電話するのが正解です。

普通徴収の納期は条例第5条第1項に6期分が定められています。第1期が7月10日から同月31日、第2期が8月10日から同月31日、第3期が9月10日から同月30日、第4期が10月10日から同月31日、第5期が12月10日から同月25日、第6期が翌年2月10日から同月末日です。この日付は市のウェブサイトには載っておらず、条例を見ないと分かりません。

申請に使う様式は「介護保険料減免・徴収猶予申請書」(様式第51号)で、同条例施行規則第18条第6号に定められています。決定の通知は徴収猶予が様式第52号、減免が様式第53号です。

放っておいたときに、いくら重くなるか

滞納したまま放置すると、負担は保険料だけでは終わりません。まず延滞金があります。磐田市介護保険条例第8条第1項は年14.6パーセント(納期限の翌日から1月を経過する日までは年7.3パーセント)と定めています。附則により、当分の間は延滞金特例基準割合による軽減があります。

そのうえで、介護サービスの使い方そのものが変わります。滞納が1年以上続くと、サービスを使うときにいったん全額を自己負担し、後から払い戻しを受ける形になります(介護保険法第66条第1項)。1年6か月以上で、保険給付の一部または全部が一時差し止めになります(同法第67条第1項)。2年以上になると、自己負担が本来1割または2割の方は3割、本来3割の方は4割に引き上げられ、高額介護サービス費や特定入所者介護サービス費も受けられなくなります。

数字にすると重さが見えます。磐田市の第9期(令和6年度から令和8年度)の65歳以上の介護保険料の基準額は年額67,200円、月額5,600円です(磐田市の介護保険料はいくら?基準額は月5,600円)。仮に1年分67,200円を滞納したまま2年を過ぎると、負担割合が1割から3割に上がります。デイサービスや訪問介護の自己負担が3倍になり、しかも上限で戻してくれる高額介護サービス費が使えません(高額介護サービス費とは|上限額と2026年8月改定)。67,200円を払わなかったことで、その何倍もの自己負担が発生しうる、という構造です。

良い点は2つ、注文したい点も2つ

良い点から数えます。1つ目は、事由が5号立てで条例に明記されていることです。窓口の裁量ではなく条文で決まっているので、自分が当てはまるかを事前に読んで確かめられます。2つ目は、令和8年度に限った申請不要の減免が条例の附則に置かれていることです。同条例附則第10条は、令和7年度と令和8年度の市民税が非課税であること、令和7年中の給与等の収入金額が551,000円以上190万円未満であること、賦課期日に市内に住所があることのいずれにも該当する場合の減免を定め、この減免は申請によらずに行うことができるとしています。申請を待たずに市の側で処理する仕組みがあるのは、ありがたい作りです。

その上で、注文したい点が2つあります。1つ目は、市のウェブサイトに事由も期限も様式も載っていないことです。減免について書かれているのは2文だけで、条例を自分で開かないと「7日前まで」も「1年以内」も分かりません。困っているご家族が、例規集を検索して条文を読むところまでたどり着けるでしょうか。私は難しいと思います。一事業者としては、この2文の下に事由の5行と期限の1行を足してほしい。

2つ目は、電話番号の分かりにくさです。高齢者支援課には事業給付グループ(0538-37-4869)と介護保険グループ(0538-37-4769)があり、保険料の賦課・徴収を扱うのは介護保険グループのほうです。数字が1桁違うだけで、間違えて掛ける方は必ず出ます。市のページの「高齢者支援課にご相談ください」の一行に、番号まで書いてあれば済む話です。

運営する側から言うと、滞納は介護の中身に跳ね返る

ここからは私の意見です。当てはまる現場の一場面が手元の記録にないので、体験談ではなく考えとして書きます。

私は磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営しています。利用料をいただく側なので、家計の話には利害があります。そのうえで書くと、保険料の滞納は「保険料の問題」で終わりません。負担割合が上がれば、同じケアプランのまま自己負担が跳ね上がります。そうなると、たいていはサービスの回数を減らす方向に話が進みます。減らされるのは、入浴の回数や訪問の回数です。

だから私は、保険料の相談を後回しにしないほうがいいと考えています。順番としては、まず保険料の相談、次にサービスの組み立てです。逆にすると、必要なケアから先に削ることになります。

ひとつ、私が確認できなかったことを書いておきます。減免が認められた場合に保険料がどれだけ減るのか、その割合や算定方法を、市のウェブサイト・条例・施行規則の公開されている本文からは読み取れませんでした。要綱などが別にあるのかもしれませんが、確認できていません。「いくら減るか」は、窓口で聞くしかありません。同じく、4か所の支所(福田・竜洋・豊田・豊岡)で減免・徴収猶予の申請そのものを受け付けるかどうかも、公開情報からは確認できませんでした。

今日できる確認は3つ

災害や収入の減少で支払いが苦しくなりそうなときに、今日できることを3つに絞ります。

1. 次の納期限を確かめる納付書か通帳で次の納期限を見る。減免の申請はその7日前まで。特別徴収なら年金の支払日の7日前まで
2. 5つの事由のどれに当たるか見当を付ける災害・死亡や長期入院・失業や事業の不振・農作物の不作や不漁・その他特別の理由。当たりそうなら電話の段階で伝える
3. 番号を間違えずに電話する高齢者支援課 介護保険グループ 0538-37-4769(午前8時30分〜午後5時15分)。0538-37-4869は事業給付グループで担当が違う

台風や大雨の前後は、事業所側の備えも確認しておくと安心です(台風の前に、磐田の介護施設に確認したい4つのこと)。介護保険とは別枠で使える市の助成もあります(磐田市の高齢者等在宅福祉サービス、使える11事業)。

保険料だけでなく家計全体が心配で親の来所が難しい場合は、磐田市の生活費相談|親の代わりに相談できる?で相談前の準備を整理しています。

よくあるご質問

磐田市で介護保険料の減免を相談する窓口はどこですか。

健康福祉部 高齢者支援課 介護保険グループです。所在地は磐田市国府台57-7 iプラザ(総合健康福祉会館)3階、電話0538-37-4769、受付時間は午前8時30分から午後5時15分。同じ課でも0538-37-4869は事業給付グループの番号で、担当が違います。保険料の賦課・徴収を扱うのは介護保険グループのほうです。

介護保険料の減免はいつまでに申請すればいいですか。

磐田市介護保険条例第10条第2項は、普通徴収の場合は納期限前7日まで、特別徴収(年金からの天引き)の場合は特別徴収対象年金給付の支払日前7日までに申請することを定めています。納期限を過ぎてからでは間に合いません。支払いが難しくなりそうだと分かった時点で、早めに高齢者支援課へ電話してください。

介護保険料を滞納すると、サービスの利用はどうなりますか。

滞納が1年以上続くと、いったん全額を自己負担して後から払い戻しを受ける形になります。1年6か月以上で保険給付の一部または全部が一時差し止め、2年以上で自己負担が本来1割または2割の方は3割、本来3割の方は4割に上がり、高額介護サービス費なども受けられなくなります。介護保険法第66条・第67条・第69条にもとづく措置です。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは条例と市の公開情報からの一般的な整理です。減免や徴収猶予が実際に認められるかどうか、認められた場合にいくら減るかは、市が世帯の状況をもとに個別に判断します。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、磐田市 高齢者支援課 介護保険グループ、担当のケアマネジャー、地域包括支援センターでご確認ください。

見学・介護相談はこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

電話で相談相談する