通所サービス / 2026年9月1日

デイサービスとデイケアの違い|全国3万2615事業所

高齢の本人と家族が、交流を中心にした通所介護と専門職によるリハビリの場面を見比べるイラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

デイサービスとデイケアは、何が違うのですか。

デイサービスは通所介護で、入浴・食事などの日常生活上の支援と機能訓練を担います。デイケアは通所リハビリテーションで、主治医が必要と認めた方に、医師の指示と計画に基づくリハビリを行います。2024年は通所介護2万4585、通所リハ8030事業所。数より、本人が通う目的で選びます。

違いの中心は「生活支援」か「医師が関わるリハビリ」か

デイサービスの正式な制度名は通所介護、デイケアは通所リハビリテーションです。どちらも自宅から通う介護保険サービスですが、目的、提供場所、人員の組み方が違います。

比較デイサービスデイケア
正式名通所介護通所リハビリテーション
重心入浴・排せつ・食事などの介護、日常生活上の支援、機能訓練心身機能の維持回復と日常生活の自立を助ける理学療法・作業療法など
対象自宅で暮らす要介護認定者自宅で暮らす要介護認定者のうち、主治医が利用の必要を認めた方
主な場所老人デイサービスセンターなど介護老人保健施設、介護医療院、病院、診療所など
人員の特徴生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員など医師、PT・OT・ST、看護職員、介護職員など

デイケアは医師の指示とリハビリテーション計画に基づきます。だからといって、デイサービスには身体を動かす機会がないわけではありません。通所介護の法律上の定義にも機能訓練が入っています。名称の印象だけで「運動したいからデイケア」と決めると、本人が必要とする生活支援を見落とします。

全国3万2615は、二つの公表数を足した数字

厚生労働省の令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査によると、2024年10月1日時点の通所介護は2万4585事業所、通所リハビリテーションは8030事業所です。単純に足すと3万2615になります。

単純合計では通所介護が約75%、通所リハが約25%。家族の感覚に直すと、およそ4件に3件がデイサービス、1件がデイケアです。前年は通所介護2万4577、通所リハ8124。2024年は通所介護が8増え、通所リハが94減りました。

ただし、3万2615は重複を除いた実施設数ではありません。統計の注記は、複数サービスを提供する事業所をそれぞれに計上するとしています。同じ場所で複数の指定を受けていれば別々に数えられます。「全国に3万2615か所の建物がある」とは読めません。ここはタイトルの数字より大事な留保です。

開設・経営主体にも違いが表れます。2024年の構成割合は、通所介護では営利法人が55.0%、社会福祉法人が34.0%。通所リハでは医療法人が79.2%です。デイケアが病院、診療所、介護老人保健施設などで提供される位置づけとつながる数字です。

デイケアだけが運動する場所、ではない

デイサービスとデイケアを比べるとき、最も避けたい誤解は「デイサービスは預かるだけ、デイケアは治す場所」という分け方です。デイサービスには日常生活上の支援と機能訓練があります。デイケアにも介護職員や看護職員が関わります。

一方、デイケアを利用すれば心身状態が必ず改善する、とも言えません。今回確認した厚生労働省の統計は事業所数を示す資料で、両サービスの効果を比較した資料ではありません。個別リハビリの有無、時間、入浴、食事、送迎の範囲も事業所ごとに違います。

大切なのは、制度名の一般論と、候補事業所が実際に提供する内容を分けることです。見学や相談では「リハビリはありますか」だけでなく、誰が、週に何回、どの計画に基づき、家で困っている動作とどうつなげるかを聞いてください。

家族は「通う目的」を一文にしてから比べる

デイサービスとデイケアの選択では、候補の名前を並べる前に、本人が通う目的を一文にします。「入浴を家族だけで支えるのが難しい」「退院後、主治医が通所でのリハビリを必要と判断した」「日中一人になる時間を減らしたい」では、合うサービスが違います。

  1. 困っている生活場面を書く。入浴、食事、歩行、外出、家族不在の時間など、具体的な一場面にします。
  2. 主治医の判断が要るか確認する。通所リハは主治医が必要性を認めることが入口です。
  3. ケアプランで役割を分ける。本人の認定、支給限度額、ほかのサービスとの組合せを確認します。
  4. 候補事業所へ内容を聞く。名称ではなく、実際の一日の流れと専門職の関わりを比べます。

相談の入口が分からない方は地域包括支援センターとケアマネジャーの違いを先に確認してください。通う支援と自宅へ来る支援の比較はデイサービスと訪問介護の違いに分けています。

3万2615は多さの証明ではなく、選択の入口

3万2615は「選択肢が十分に多い」ことの証明ではありません。二つのサービス数を単純に足した入口の数字です。磐田で親御さんが通える範囲、空き曜日、送迎範囲、本人の認定、主治医の判断まで絞れば、実際の候補は全国統計よりずっと少なくなります。

数を家族の選択に翻訳すると、まず「デイサービスのほうが約3倍多い」。次に「デイケアは医師とリハビリ職が制度の中心にいる」。この二点です。多いほうが優れているわけではありません。目的に合わない一件を選べば、全国に何件あっても役に立ちません。

通い、訪問、泊まりを一事業所で組み合わせる小規模多機能居宅介護は、さらに別のサービスです。比較範囲を広げる場合は小規模多機能とデイサービスの違いも確認できます。

運営する側でも、名称より一日の中身で迷う

私はサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する側です。住まい、通所、訪問は別のサービスです。私は通所介護に利害があることを隠しません。

それでも「デイサービスのほうがよい」とは言えません。主治医の判断のもと、リハビリを生活課題の中心に置く必要がある方なら、通所リハが候補になります。反対に、入浴や食事、日中の見守りを含めて生活全体を組みたい方は通所介護が候補になります。

正直に言えば、制度上の違いが分かっても、候補が一つに決まらないことがあります。本人が通いたいと思える雰囲気、送迎時間、家族が続けられる曜日は、統計表には出ません。この記事は特定の利用者の体験ではなく、運営する側としての私の判断です。

今日できる確認は、困りごとを一文で書くこと

今日できるのは、親御さんが通所で何を補いたいかを一文で書くことです。「運動してほしい」では広すぎます。「玄関の段差を越えて近所へ出たい」「自宅の浴槽をまたぐのが難しい」「昼食を一人で済ませる日を減らしたい」まで具体にします。

その一文を担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターへ見せてください。デイサービスかデイケアかを今日決める必要はありません。候補を見学するときは、同じ一文を伝えて、どの職種がどのように関わるかを聞けば比較できます。

リハビリを自宅で受ける形も検討する場合は、訪問リハと通所リハの違い|磐田で選ぶ前の確認で確認できます。

よくあるご質問

要支援1・2でもデイサービスとデイケアを利用できますか。

要支援の方には、介護予防通所リハビリテーションや市町村の介護予防・日常生活支援総合事業など、要介護の方とは異なる区分があります。同じ条件で両方を選べるとは限りません。利用可否は本人の認定と地域の取扱いにより変わるため、担当窓口へ確認してください。

デイサービスにはリハビリや機能訓練がないのですか。

デイサービスにも機能訓練があります。デイケアだけが身体を動かす場所という理解は正確ではありません。違いの中心は、デイサービスが日常生活上の支援と機能訓練を担い、デイケアが医師の指示と計画に基づく理学療法・作業療法などを軸にすることです。

デイサービスとデイケアは併用できますか。

一律に可否を決められません。本人の状態、ケアプラン、支給限度額、利用目的、地域や事業所の受入状況で変わります。同じ目的のサービスを重ねる妥当性も検討されます。先に「どの生活課題をどちらで補うか」を担当のケアマネジャーへ相談してください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度、利用可否、料金、自己負担、提供内容は、認定、ケアプラン、地域、事業所、時期で変わります。医療上の効果を示す記事ではありません。ご本人の状況に当てはまるかは、主治医、市の窓口、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。

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