仕事と介護 / 2026年9月22日

介護のテレワーク|勤務先に相談する3項目

自宅の机でパソコンと予定表を前に家族が相談し、奥の居間では高齢の親が過ごすイラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

親の介護で在宅勤務にしたい。会社には何から相談すればいい?

介護のテレワークは、働く場所、勤務できる時間、仕事中の介護を誰が担うかの3項目を整理して勤務先へ相談します。2025年4月1日から事業主に導入の努力義務が課されましたが、希望すれば必ず利用できる制度ではありません。対象条件と社内規定を確かめ、休暇なども含めて働き続ける方法を相談してください。

制度の対象や使える働き方は、家族の状態、仕事内容、勤務先の規定で異なります。介護サービスの利用可否と自己負担も個別です。この記事では、磐田の親を支えながら働く子どもが、勤務先に話す順番を整理します。

私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。介護事業も運営する立場から、働き方の相談と介護の手配を、同じ予定表で考えることを提案します。

2025年4月からの改正は「導入の努力義務」

厚生労働省「法改正のポイント」では、介護関係の改正は2025年4月1日施行とされています。家族を介護する労働者がテレワーク等を選べるようにする措置は、事業主の努力義務です。2026年9月22日に原文を確認しました。

意外に思われるかもしれませんが、改正があっても、全員の在宅勤務が確約されたわけではありません。「制度が変わったので明日から自宅で働きます」ではなく、会社の導入状況と利用条件を確かめるところから始まります。

私は、働く場所の選択肢が制度に位置づけられた点を評価します。通勤と親の支援をどう組み合わせるか、話し合う材料になるからです。一方、導入の有無だけで相談を終えず、実際に続けられる勤務の形まで詰めたいと思います。

相談1:自宅と親の家、どこで勤務するか

介護のテレワークを相談する際は、勤務予定の場所を具体的に伝えます。自分の自宅なのか、磐田にある親の家なのかで、会社が確認する条件も変わるためです。自宅勤務が認められていても、親の家を同じ扱いにできるとは限りません。

まず、親の家で作業できる机と通信環境を確かめます。そのうえで、会社の端末を持ち出せるか、電話や会議の内容を家族に聞かれない場所があるかを相談します。通信費や機器の扱いは推測せず、社内規定を確認してください。

「親の近くにいたい」だけでは、仕事の形が相手に伝わりません。「親の家の別室で作業したい。会議中に離席する可能性がある」まで分けて伝えると、会社側も条件を整理できます。使える場所が決まる前に、家族の当番を確定しないほうが無理を減らせます。

相談2:勤務時間と、仕事を離れる時間を分ける

勤務時間の相談では、仕事ができる時間と、通院や介助のため離れる時間を分けます。テレワークは勤務場所の話であり、休暇とは別です。親の予定が入っている時間を、勤務できる時間として約束しないことが出発点です。

紙に、仕事の会議、親の予定、移動を並べてみてください。確定している予定と、変更する可能性がある予定も分けます。相談例として「午前は勤務できるが、午後の通院は休む必要がある」と伝えれば、在宅勤務だけでなく休暇の相談につながります。

中抜けを認めるか、離席時の連絡は誰にするか、勤怠をどう記録するかも確認します。通院の付き添いなど、短い時間だけ仕事を離れる場合は、介護休暇の取り方と時間単位の確認を併せて読んでください。

私が迷うのは、親の予定がまだ読めない段階で、どこまで勤務の約束をするかです。分からない時間を無理に埋めるより、「この部分は未定」と伝え、いつ見直すかを決める。そのほうが、後から家族だけで帳尻を合わせずに済むと考えます。

相談3:仕事中の介護を誰が担うか

介護の分担は、テレワークの申請とは別に整理します。会議中、締切前、外出が必要な日に、親への対応を誰が担えるかを確かめます。担当する家族が決まっていなければ、決まっていない事実を相談材料にしてください。

私は、家にいることと、介護を担えることは別だと考えます。制度が立派でも、誰がいつ動くかが決まらなければ回りません。在宅勤務する子どもを、仕事も介護も全部受け持つ人にしない。この線は、最初の家族の話し合いで引いておきたいところです。

例えば、これは実例ではなく整理の方法ですが、「通院の付き添い」「日中の連絡」「予定変更の連絡役」を別々の欄にします。それぞれに担当と、担当できない場合の相談先を書きます。親が望む手伝い方も聞き、子どもの勤務都合だけで予定を組まないようにします。

介護の体制を整えるためにまとまった休みを検討するなら、介護休業の申請と2025年改正の確認も選択肢の整理に使えます。勤務先へ尋ねることと、担当のケアマネジャーへ尋ねることを分けておくと、回答を取り違えずに済みます。

勤務先へ伝える相談文は、未定の部分も残す

勤務先への相談文には、希望する場所・時間・分担と、まだ決まっていない条件を書きます。申請を完成させてから話す必要はなく、利用できる制度を教えてもらうための相談でも構いません。次の文は、事情に合わせて直すための例です。

家族の介護が必要になり、働き方を相談したいです。勤務場所は〇〇を希望しています。勤務できる時間は〇〇、仕事を離れる必要がある時間は〇〇です。仕事中の家族対応は〇〇が担当する予定ですが、〇〇は未定です。テレワークの対象条件と、休暇・勤務時間の調整について教えてください。

面談では、希望どおりにできるかだけでなく、申出先、必要な書類、判断までの流れを聞きます。回答が出たら、開始時期や見直しの時期をメモに残します。親の病状などの詳しい情報は、誰に何のために伝える必要があるかを確認してから扱ってください。

今日できることは、3項目を書いた紙を1枚作り、人事・労務の相談先を調べることです。退職まで考えている場合も、先に介護離職を考える前の確認で、仕事を続けるための材料を揃えてください。

運営する側から言うと、勤務と契約は別に考える

勤務先との相談と、介護サービスの契約は別の判断です。私は住まいの「ふじがおか見付連理枝」、通所の「ふじがおか見付デイサービス」、訪問の「ふじがおか訪問介護センター」を運営する側です。サービスを提供する利害があるからこそ、働き方の悩みを入居の話へ直結させたくありません。

サービス付き高齢者向け住宅の住まいと、通所介護・訪問介護は別のサービスで、契約も別です。利用すれば勤務中のすべての対応を任せられる、とも限りません。必要な支援の時間と内容を伝え、何ができて何ができないかを確認してから判断してください。

よくあるご質問

介護が理由なら必ずテレワークにできますか。

必ず利用できるわけではありません。2025年4月1日からの改正は、家族を介護する労働者がテレワーク等を選べるよう、事業主に措置を講ずる努力義務を課したものです。対象条件、業務との適合、勤務場所などは勤務先に確認してください。難しい場合も、勤務時間の調整や休暇を含めて相談する余地があります。

テレワーク中に親の介護をしてもよいですか。

テレワークは働く場所を変える方法であり、勤務時間がそのまま介護の時間になるわけではありません。介助や付き添いで仕事を離れる可能性があれば、中抜け、休暇、勤怠記録の扱いを勤務先と確認してください。家族や介護サービスとの分担も別に決め、会議中など対応できない時間を明らかにしておきます。

上司に話しにくい場合はどこへ相談しますか。

社内の人事・労務担当や、介護と仕事の両立に関する相談窓口を確認してください。最初は介護の詳しい事情を広く伝えるより、勤務に影響する時間と希望する働き方を整理すると相談を始めやすくなります。育児・介護休業法の制度上の疑問は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ確認できます。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・利用可否・自己負担は個別の状況と時期で変わります。この記事は2026年9月22日に確認した一般的な整理です。介護の支援については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。

相談フォームはこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00〜17:30)

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