
親の夕方の介護のために、残業を免除してもらうには何を出しますか。
介護の残業免除は「所定外労働の制限」を勤務先に請求する制度です。対象家族の要介護状態や雇用条件を確認し、開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。1回の期間は1か月以上1年以内で、回数制限はありません。労使協定による対象外や事業運営上の例外があるため、就業規則・社内様式・提出先を確認し、単なる口頭のお願いで終わらせないことです。
所定外労働の制限は定められた勤務時間を超えない制度
介護の残業免除は、就業規則などで決められた労働時間を超える勤務を免除する仕組みです。正式名は「所定外労働の制限」です。厚生労働省の介護休業制度特設サイトを2026年9月29日に確認しました。利用できるかは、家族の状態と本人の雇用条件によって異なります。
法定時間外労働に上限を設ける制度と、残業免除は同じではありません。定時に仕事を終えたいなら、「残業を減らしたい」だけでなく、所定外労働の制限を請求したいと制度名を伝えます。違いは介護の時間外労働の制限を請求する記事にも整理しています。
残業免除は、定められた勤務時間そのものを短くする制度ではありません。例えば所定の終業時刻が17時なら、17時を超える勤務の扱いを確認する話です。これは説明用の例で、各職場の時刻を示すものではありません。移動を含めて帰宅が間に合うかは、別に計算する必要があります。
定時より前に帰る必要がある場合は、介護の短時間勤務を職場に相談する手順も確かめてください。必要な時刻を決めてから制度を選ぶと、申請した後で目的が合わなかった、という行き違いを減らせます。
対象家族と雇用条件を確認する
残業免除の対象は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者です。日々雇用される人は除かれます。対象家族には父母や配偶者の父母も含まれます。親の介護で使えるかを考える際は、続柄と、どのような介護が必要かを勤務先へ伝えます。
厚生労働省は、負傷、病気、身体上または精神上の障害によって、2週間以上にわたり常時介護が必要な状態を要介護状態と説明しています。家族の年齢や「親だから」という理由だけで利用条件を満たすとは判断しません。どんな資料で状態を確認するかを人事に聞いてください。
労使協定がある場合は、継続雇用1年未満の人と、週の所定労働日数が2日以下の人を対象外にできます。入社から1年たっていない人が、一律に法律上の対象外になるという説明ではありません。就業規則だけでなく、適用される労使協定の有無も確認する部分です。
雇用形態の呼び名だけで諦める必要はありません。逆に、自分は正社員だから手続きなしで利用できると考えるのも早計です。必要なのは、個別の条件と請求方法の確認です。提出を求められた書類の意味が分からない場合は、何の確認に使うかを聞いておきます。
開始予定日の1か月前までに書面等で請求する
残業免除は、開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。1回の利用期間は1か月以上1年以内で、回数に制限はありません。勤務先に所定の様式がある場合は、それを使います。厚生労働省の案内には、社内様式がない場合などに使える様式例もあります。
申請の準備は、開始希望日と終了予定日を決めるところからです。次に、人事などの提出先へ様式と必要書類を聞きます。提出後は、受領された日、適用される期間、上司や勤務表の担当者への連絡方法を確かめます。書類を送っただけで勤務表も変わったと思い込まないことです。
相談の文例は、「父の介護のため、所定外労働の制限を請求したいです。開始予定日と利用期間を相談したいので、社内様式、提出先、必要書類を教えてください」です。実際の体験談ではなく、最初の連絡に使う例です。続柄や日付は本人の状況に合わせて書きます。
家族の予定が固まっていないときは、未定の部分も伝えて構いません。ただし、相談したことと正式に請求したことは区別します。いつ、誰に、何を提出したかを手元に残せば、開始前の確認ができます。希望日まで1か月ない場合は、別の勤務調整も同時に相談します。
2025年4月の改正を職場への相談に使う
2025年4月1日から、介護に直面したと申し出た労働者への制度の個別周知・意向確認などが事業主の義務になりました。厚生労働省の案内では、介護との両立を支える制度や申出先などを知らせ、利用の意向を確認する仕組みです。残業免除そのものを2025年に新設した改正ではありません。
私は、介護が始まった人が一人で制度を探し切らなくても、勤務先の説明を受けられる仕組みを評価します。一方、制度の一覧を渡されただけでは、夕方の介護に何を使えばよいか分からないこともあります。職場には、申出先と手続きの違いまで説明してほしいと思います。
「親の介護に直面しています。残業免除を含む制度について説明を受けたい」と切り出せます。通院など一時的な用事で休みが必要なら、介護休暇の取り方も別に確認します。毎日の残業免除と、その日の休暇を同じ申請と考えないことです。
拒まれた場合は理由と適用条件を確認する
残業免除には、事業の正常な運営を妨げる場合に、事業主が請求を拒める例外があります。厚生労働省の案内に明記されています。ただし、個別の職場で例外に当たるかを、この記事で判定することはできません。
断られたときは、対象条件に該当しないという説明なのか、事業運営上の例外なのかを分けて確認します。説明された理由とやり取りの日付を残し、疑問が解けない場合は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へ相談してください。
「断れる制度だから」とだけ伝えて対立を深めても、必要な帰宅時刻は確保できません。私は、正式な請求と理由の確認を記録に残し、判断が割れる部分は労働行政の窓口へつなぐのがよいと考えます。介護事業者が勤務先の判断や法的な結論を代行することはできません。
運営する側から、帰宅後の役割も一緒に組む
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。住まいの「ふじがおか見付連理枝」、通所の「ふじがおか見付デイサービス」、訪問の「ふじがおか訪問介護センター」を運営しています。住まいと介護サービスは契約が別で、通所と訪問も同じサービスではありません。
私の考えは、制度の名前を覚えるより、必要な帰宅時刻と提出先を決めることです。定時退社が実現しても、その後の介護を家族一人で全部担う計画なら、別の負担が残ります。帰宅後に必要なことを紙に書き、家族と支援者の役割も一緒に確認したいと思います。
私にも、家族の希望する時刻と支援を組める時刻が合うか、資料だけでは分からない迷いがあります。だからサービスの利用を先に勧めず、まず必要な時間帯を確かめます。今日の一歩は、開始希望日をカレンダーに記し、人事へ社内様式の所在を聞くことです。
よくあるご質問
ご家族が迷いやすい点を、2026年9月29日に確認した情報で整理します。
入社1年未満だと必ず対象外ですか。
入社1年未満だから必ず対象外になるわけではありません。厚生労働省の案内では、労使協定がある場合に継続雇用1年未満の人を対象外にできるとされています。週の所定労働日数が2日以下の人にも同様の扱いがあります。自分に適用される労使協定の有無と内容を、勤務先の担当者に確認してください。
明日から残業免除を使えますか。
制度上は開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。明日から当然に免除されるとはいえません。急に介護が必要になった場合は、人事へ事情を伝え、会社独自の対応や休暇など、開始までの働き方を相談します。利用できる制度、賃金、手続きは個別に確かめ、上司への口頭連絡だけで完了したと思わないでください。
2025年4月から残業免除が新設されたのですか。
残業免除そのものを2025年4月に新設したという意味ではありません。介護に直面した旨を申し出た労働者への個別周知・意向確認などが事業主の義務になりました。勤務先から制度や申出先の説明を受ける入口として使い、所定外労働の制限を希望することと、必要な開始時期を具体的に伝えてください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
以下の一次情報を2026年9月29日に確認しました(2026年9月確認)。
制度や社内手続きは変更される場合があります。対象条件、賃金、利用可否は勤務先へ、法令の解釈や紛争は労働局などへ確認してください。介護の制度・利用可否・自己負担は個別条件で異なります。
介護の相談は、電話とフォームから選べます。相談時点で入居や契約を決める必要はありません。
介護相談フォームはこちら 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
介護サービスの利用については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。