
「同居する親の介護に一日中かかります。全国と比べて長すぎますか」
2025年国民生活基礎調査では、同居の主な介護者の15.8%が「ほとんど終日」と回答しました。ただし、24時間の実測値でも、個々の負担が適切かを決める基準でもありません。まず1週間、介護を「内容・始まりと終わり・代われる人」で記録し、休めない時間を相談先へ見せてください。
家族介護の時間15.8%は「同居の主な介護者」の回答
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」は、2026年7月15日に公表されました。介護票の調査日は2025年6月5日です。図27では、同居の主な介護者の介護時間を要介護度別に示しています。
総数の15.8%が「ほとんど終日」、10.1%が「半日程度」、10.7%が「2~3時間程度」、49.3%が「必要なときに手をかす程度」と回答しました。残りは「その他」10.5%と「不詳」3.6%です。
15.8%を同居の主な介護者100人へ置き換えると、およそ16人です。ただし、調査は時計で介護時間を測ったものではありません。「ほとんど終日」は回答欄の言葉です。24時間ずっと身体介助をした人が15.8%、という意味ではありません。
対象は、要支援・要介護認定を受けて在宅で暮らす方と、同居する主な介護者です。別居の子、複数で分担する家族、介護事業者を含む全介護者の割合ではありません。図27だけの実人数も公表資料にはありません。
同じ調査で、要介護者等と同居の主な介護者の年齢を組み合わせた数字は老老介護の割合は61.9%|2025年調査で範囲を確かめています。
要介護3以上では「ほとんど終日」が最多
2025年調査では、要支援1から要介護2まで「必要なときに手をかす程度」が最多です。要介護3以上になると「ほとんど終日」が最も多い回答へ変わります。
| 要介護度 | ほとんど終日 | 必要なときに手をかす程度 |
|---|---|---|
| 総数 | 15.8% | 49.3% |
| 要支援1 | 3.5% | 60.6% |
| 要支援2 | 6.0% | 66.4% |
| 要介護1 | 10.6% | 57.7% |
| 要介護2 | 15.1% | 49.1% |
| 要介護3 | 29.5% | 26.3% |
| 要介護4 | 48.5% | 15.1% |
| 要介護5 | 54.2% | 11.2% |
要介護5では54.2%です。総数15.8%だけを見るより、認定区分で回答が大きく違う事実の方が、家族の段取りには効きます。ただし、この表だけで要介護度が介護時間を長くしたという因果までは決められません。
「ほとんど終日」と答えた人の続柄は、配偶者64.6%、子28.9%、子の配偶者4.9%、その他の親族1.6%でした。終日近くを担う人の約3分の2が配偶者だったことも、見落としたくない数字です。
良い点は、認定区分だけでなく家族の時計が見えること
国民生活基礎調査の良い点は、本人の要介護度だけで終わらず、同居の主な介護者が時間をどう感じているかまで示したことです。認定区分が同じでも、夜の見守り、食事、移動の回数は一世帯ずつ違います。
介護時間が勤務へ食い込み始めたとき、退職だけを先に決める必要はありません。年間10.6万人という離職数の範囲と先に確認する家計は、介護離職とは|年間10.6万人、辞める前の確認で整理しました。
勤務先へ伝える段階では、制度名と申出期限を分けます。介護休業の使い方は、介護休業の申請方法|2025年4月から個別周知で確認できます。
注文したいのは、全国値を我慢比べに使わないこと
全国値は我慢比べの採点表ではありません。15.8%を見て「うちも珍しくないから、まだ耐えられる」と結論づけるのは違います。反対に、自分が「半日程度」だから軽いとも決められません。
同じ2時間でも、まとまった2時間と、夜中に何度も途切れる2時間では、家族の睡眠も仕事も変わります。統計には、その切れ方が出ません。比べるなら全国の割合ではなく、ご家族の一週間の中で、誰にも代われず休めない時間です。
短期入所で家族の時間を確保する選択もありますが、希望日に必ず利用できるわけではありません。相談前の整理は、磐田でショートステイを予約するコツ|3割の壁にまとめています。
運営する側でも、記録を管理表にしないか迷う
介護時間を記録する目的は、親御さんを管理することではありません。家族が休めない時間と、外へ相談する範囲を見つけるためです。私はここを言い切ります。
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、住まいのサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、通所のふじがおか見付デイサービス、訪問のふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい、通所、訪問は別のサービスで、契約も別です。私にはサービスを提供する利害があります。
以下は体験台帳にある特定のご家族の実話ではなく、運営する側としての私の意見です。サービス名を先に選ぶより、家族が何時に何をしているかを見えるようにした方が、相談の話が具体になります。一方で、細かく書くほど親御さんの一日を監視する表にならないか。私はそこに迷いがあります。
だから、記録は1週間でいったん止めます。できなかったことを責めず、本人が自分でしたいことも同じ紙へ残します。住まいを変えるか、通所を使うか、自宅で訪問を受けるかは、その後に別々に検討します。
今日できる確認は、1週間の始まりと終わりを書くこと
今日できる確認は、紙に「何をしたか」「始まりと終わり」「代われる人」の三列を作ることです。食事の支度、服薬の声掛け、移動の介助、見守りなど、実際にしていることだけを書きます。
1週間後、睡眠や仕事が途切れた欄、代われる人が空欄の行へ丸を付けます。その紙が相談の出発点です。認定を受けている方は担当のケアマネジャーへ、担当者がいない方は地域包括支援センターへ見せます。両者の役割は地域包括支援センターとケアマネの違い|磐田市で整理しています。
私たちへの相談は電話と相談フォームから選べます。入居や利用を前提にした案内ではありません。制度、利用可否、自己負担は個別条件で変わります。最後は、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。
介護時間を整理するだけでなく同じ立場の人と話したい場合は、磐田市の介護者家族の交流会と参加前の確認から、地域の入口を探せます。
よくあるご質問
「ほとんど終日」は24時間ずっと介助する意味ですか。
いいえ。「ほとんど終日」は2025年国民生活基礎調査の回答区分です。24時間を実測した値でも、連続して身体介助をした時間でもありません。見守りや待機をどう数えたかも世帯で違いうるため、ご家族の時間は開始・終了時刻と内容を別に記録してください。
15.8%は家族介護者全体の割合ですか。
違います。15.8%の対象は、在宅の要支援・要介護者と同居する「主な介護者」です。別居家族、複数で分担する家族、介護事業者まで含む全介護者の割合ではありません。磐田市だけの数値でもなく、全国調査の結果です。
介護で休めないとき、家族は何から相談すればよいですか。
1週間だけ、介護の内容、始まりと終わり、代われる人を記録してください。特に睡眠や仕事が途切れた時間へ印を付けます。認定を受けている方は担当のケアマネジャーへ、担当者がいない方は居住地区の地域包括支援センターへ、その紙を見せて相談します。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
この記事は2026年9月8日に確認した公表資料をもとにした一般的な整理です。「ほとんど終日」の実測時間と図27だけの実人数は、公表資料で確認できません。制度、数値、利用可否、自己負担は個別の状況と時期で変わります。ご本人の状況に当てはまるかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。