介護の費用 / 2026年8月30日

介護保険負担限度額認定証の申請|2026年8月改定

介護保険負担限度額認定の申請を表したイラスト。机の上に申請書と印、ペンが置かれ、その横に食事をのせたお盆と、住まいを表す小さな木の家の模型が並んでいる
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「特養に入るときの食事代と部屋代を下げられる、と聞いたのですが、どこに何を出すのですか」

介護保険負担限度額認定の申請です。磐田市の窓口は高齢者支援課 給付グループ。介護保険負担限度額認定申請書と同意書に、本人と配偶者の預貯金の写しなどを添えて出します。有効期間は申請を受け付けた月の1日からで、さかのぼりません。2026年8月1日から食費と一部の居住費が上がりました。

この認定は、介護保険施設とショートステイの食費・居住費だけを下げる

介護保険負担限度額認定は、介護保険法第51条の3(特定入所者介護サービス費)と第61条の3(特定入所者介護予防サービス費)に基づく仕組みです。所得と預貯金が一定額以下の方について、施設で払う食費と居住費(ショートステイでは滞在費)に上限を設けます。上限を超えた分は介護保険から施設に支払われるので、利用者は上限額だけを払います。

先に、自分に不利なことを書いておきます。この認定の対象は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院などの介護保険施設と、(介護予防)短期入所生活介護・短期入所療養介護に限られます。サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームは対象外です。私が磐田市見付で運営しているサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」も、この認定の対象になりません。家賃・共益費・食事代は賃貸借契約に基づく費用で、介護保険の給付ではないからです。

私はほかに、ふじがおか見付デイサービスとふじがおか訪問介護センターも運営しています。デイサービスの食事代も、この認定の対象外です。つまりこの記事は、私の商売に直接つながらない話です。それでも書くのは、施設入所を検討し始めたご家族から一番よく聞かれる費用の質問が、ここに集まるからです。

磐田市の申請先は高齢者支援課 給付グループ。書類は6点

磐田市の担当は、健康福祉部 高齢者支援課 給付グループです。場所は磐田市国府台57-7、iプラザ(総合健康福祉会館)3階。電話は0538-37-4869、受付時間は午前8時30分から午後5時15分までです。市のページ名は「居住費(滞在費)と食費の負担軽減(負担限度額認定)」で、2026年8月1日に更新されています。

1. 申請書介護保険負担限度額認定申請書(様式第22号(第16条関係))
2. 同意書様式第22号の2(第16条関係)。申請書の裏面にある
3. 預貯金等の写し本人および配偶者の分。通帳は口座名義・支店名・口座番号が確認でき、最新の状態に記帳のうえ、申請日から直近2か月前まで。総合口座は残高がゼロでも空欄ページの写しが必要
4. 本人確認書類顔写真付きの公的書類なら1点、それ以外は2点
5. 登記事項証明書の写し成年後見人等が申請する場合
6. 配偶者の非課税証明書の写し配偶者が市外にいる場合

有価証券・貴金属・投資信託は口座残高の写し(ウェブサイトの画面の写しも可)、負債は借用証書などを添えます。現金、いわゆるタンス預金は、提出書類ではなく申請書への自己申告です。申請できるのは本人または3親等以内の親族で、入所する施設の職員による代行申請も認められています。それ以外の方が出す場合は委任状が必要です。

書類3の「本人および配偶者」というところで、手が止まるご家族が出ます。親御さんの通帳だけでなく、同居していない配偶者の通帳も要るためです。世帯を分けていても配偶者は判定の対象になります。磐田市のページにも「世帯分離していても、配偶者が住民税課税者の場合は対象とはなりません」と書かれています。

有効期間は「申請を受け付けた月の1日」から。さかのぼらない

この記事でいちばん先に知っておいてほしいのが、ここです。磐田市のページには、こう書かれています。「負担限度額認定証の有効期間の開始は、申請を受け付けた月の1日からとなります。」郵送で出す場合は、書類が市に到着した日が受付日です。

つまり、入所した月に申請すればその月の1日から効きますが、翌月に申請すれば入所した月の分は軽減されません。1か月の差がいくらになるか、数字にしておきます。ここからは私が置いた計算なので、目安として読んでください。分母は1か月30日です。

特別養護老人ホームのユニット型個室に入り、利用者負担段階が第3段階①だった場合。認定があれば食費680円+居住費1,370円で日額2,050円です。認定がなければ基準費用額の食費1,545円+居住費2,066円で日額3,611円。差は日額1,561円、30日で46,830円になります。磐田市の介護保険料はいくら?基準額は月5,600円で書いた65歳以上の保険料の基準額が月5,600円ですから、申請が1か月遅れるだけで、保険料8か月分を超える額が動く計算です。

ひとつ、私が確認できなかったことを書いておきます。有効期間の終わりがいつなのかは、磐田市のページにも申請書のPDFにも書かれていませんでした(2026年8月30日確認)。介護保険法施行規則第83条の6第4項が「有効期限を定めて交付しなければならない」としているので、証には期限が入るはずですが、何月何日までかは市の公開情報からは読み取れません。更新の受付時期についても案内が見当たりませんでした。ここは窓口で聞くしかありません。

2026年8月1日に上がったのは、食費と第3段階②の居住費だけ

2026年8月1日から、介護保険施設の食費と一部の居住費が引き上げられました。厚生労働省が周知用に配った資料(介護保険最新情報Vol.1506、2026年5月29日)には、こう書かれています。「令和8年8月から、第3段階①・②に該当する方について、食費が30円~60円(日額)、一部の方を除き居住費については 100円(日額)引き上がります。*食費の基準費用額についても100円(日額)引き上がります。」

根拠は令和8年厚生労働省告示第88号で、2026年3月13日に公布され、8月1日から施行されました。厚生労働省老健局介護保険計画課長通知(老介発0313第1号、介護保険最新情報Vol.1481)が同日に出ています。改正の趣旨として通知が挙げているのは、2025年12月にとりまとめられた社会保障審議会介護保険部会の意見書です。

もう1つ、同じ8月1日に変わったものがあります。利用者負担段階を分ける所得の基準額が、80.9万円から82万6,500円になりました。介護保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第105号、2026年6月22日公布)による改正です。高額介護サービス費とは|上限額と2026年8月改定で書いた82.65万円と同じ数字で、同じ日から効いています。年金の満額が古い基準額を追い越したため、線のほうを動かした改正です。

介護保険施設の食費と居住費の負担限度額を利用者負担段階ごとに並べ、2026年8月1日に上がった箇所を示した図 介護保険施設の食費と居住費の負担限度額の一覧図。食費は日額で、令和8年7月までと令和8年8月からを並べている。基準費用額は1,445円から1,545円へ100円の引き上げ。第1段階は300円で据え置き、ショートステイも300円。第2段階は390円で据え置き、ショートステイは600円。第3段階①は650円から680円へ30円の引き上げ、ショートステイは1,000円から1,030円。第3段階②は1,360円から1,420円へ60円の引き上げ、ショートステイは1,300円から1,360円。居住費は令和8年8月からの日額で、変わったのは第3段階②のみで100円の引き上げ。ユニット型個室は第1段階と第2段階が880円、第3段階①が1,370円、第3段階②が1,470円。ユニット型個室的多床室と介護老人保健施設等の従来型個室は第1段階と第2段階が550円、第3段階①が1,370円、第3段階②が1,470円。特別養護老人ホーム等の従来型個室は第1段階380円、第2段階480円、第3段階①880円、第3段階②980円。特別養護老人ホーム等の多床室は第1段階0円、第2段階と第3段階①が430円、第3段階②が530円。介護老人保健施設等の多床室で室料を徴収しない場合は第1段階0円、第2段階から第3段階②まで430円で据え置き。 食費・居住費の負担限度額(2026年8月1日から・日額) オレンジの数字が2026年8月1日に上がった額 ※認定を受けていない方は基準費用額を払う 食費(日額) 利用者負担段階 〜2026年7月 2026年8月〜 ショートステイ 基準費用額(認定なし) 1,445円 1,545円 — 第1段階 300円 300円 300円 第2段階 390円 390円 600円 第3段階① 650円 680円 1,030円 第3段階② 1,360円 1,420円 1,360円 居住費(2026年8月1日からの日額) ※上がったのは第3段階②の100円だけ 室料の区分 第1段階 第2段階 第3段階① 第3段階② ユニット型個室 880円 880円 1,370円 1,470円 ユニット型個室的多床室/従来型個室(老健等) 550円 550円 1,370円 1,470円 従来型個室(特養等) 380円 480円 880円 980円 多床室(特養等) 0円 430円 430円 530円 多床室(老健等・室料を徴収しない場合) 0円 430円 430円 430円(据置) 対象は介護保険施設と(介護予防)短期入所生活介護・短期入所療養介護。サービス付き高齢者向け住宅、 有料老人ホーム、グループホームは対象外。第4段階(世帯に課税者がいる等)は補足給付の対象外。
厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1481」(2026年3月13日)および「Vol.1506」(2026年5月29日)の記載内容をもとに作成した図です(2026年8月30日確認)。磐田市の公式ページには2026年8月30日時点で金額の表が掲載されていないため、金額は国の資料によります。

段階を分けるのは、世帯全員の課税状況と、本人・配偶者の預貯金

利用者負担段階は、所得と預貯金の2つで決まります。所得の側は、世帯全員と配偶者が市町村民税非課税であることが前提で、そのうえで本人の課税年金収入額・非課税年金収入額・その他の合計所得金額の合計額で分かれます。預貯金の側は、介護保険法施行規則第83条の5が上限額を定めています。

第1段階生活保護を受給している方(預貯金の要件なし)、または世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金を受給している方(預貯金 単身1,000万円以下/夫婦2,000万円以下)
第2段階世帯全員が住民税非課税で、年金収入等の合計が82万6,500円以下(預貯金 単身650万円以下/夫婦1,650万円以下)
第3段階①同じ条件で82万6,500円超120万円以下(預貯金 単身550万円以下/夫婦1,550万円以下)
第3段階②同じ条件で120万円超(預貯金 単身500万円以下/夫婦1,500万円以下)
第4段階世帯に課税者がいる方、市町村民税の本人課税者。補足給付の対象外

40歳から64歳までの第2号被保険者には別の扱いがあります。磐田市のページは「第2号被保険者(40〜64歳の方)は、利用者負担段階に関わらず、預貯金等の資産が単身:1,000万円以下、夫婦:2,000万円以下であれば支給対象となります」と書いています。

もう1つ、第4段階でも使える道があります。夫婦の一方が施設に入ったことで、在宅に残った側の生活が成り立たなくなる場合に、食費・居住費を第3段階の額まで下げる特例減額措置です。要件は世帯人数2人以上、控除後の所得82万6,500円以下、現金等450万円以下、居住用家屋等以外に利用できる資産がないこと、保険料の滞納がないこと。該当しそうなら、高齢者支援課で確認してください。

良い点は2つ、注文したい点も2つ

磐田市の案内について、良い点から数えます。1つ目は、必要書類の書き方が細かいことです。通帳の写しは「最新の状態に記帳のうえ申請日から直近2か月前まで」、総合口座は「残高ゼロでも空欄ページの写しが必要」まで書いてあります。ここが曖昧な自治体だと、窓口で出し直しになります。2つ目は、入所する施設の職員による代行申請を認めていることです。遠方に住む子どもが平日に磐田へ来られない場合、これは実際に効きます。

その上で、注文が2つあります。1つ目は、金額の表が載っていないことです。市のページには「負担限度額」という見出しと「居住費(滞在費)と食費の負担限度額は以下のとおりです。」という一文があるのですが、その直後の表が空になっています(2026年8月30日確認)。2026年8月1日の改定に合わせて更新した際に、表が抜けたのだと思われます。いくらになるのかを知りたくて来た人が、そこで止まります。

2つ目は、有効期間の終わりと更新の受付時期が書かれていないことです。認定証には有効期限があるのに、それが何月何日までなのかが読み取れません。毎年出し直す必要があるのかどうかも分かりません。一事業者としては、金額の表と有効期間、この2つだけでも早く直してほしいと思っています。

運営する側から言うと、この申請は通帳探しから始まる

ここからは私の意見です。介護現場の一場面として書ける記録が手元にないので、体験談ではなく考えとして書きます。

この申請でいちばん時間がかかるのは、書類を書くところではありません。通帳を集めるところです。本人と配偶者の全口座、有価証券、投資信託。子どもが親の口座をすべて把握していることは、そう多くありません。しかも申請日から直近2か月前まで記帳が要るので、記帳していない通帳は先に銀行へ持って行くことになります。入所が決まってから始めると、この作業が月をまたぎます。月をまたげば、その月の軽減は受けられません。

だから私は、施設の入所申込を出した段階で、通帳の記帳だけ先に済ませておくことをおすすめしています。入所が決まらなくても、記帳して困ることはありません。ショートステイを使うご家庭も同じです。ショートステイは月に数日でも、この認定の対象になります。ショートステイそのものの予約が取りにくい理由と、先に潰しておける確認は磐田でショートステイを予約するコツ|3割の壁に分けて書きました。サ高住と特養の費用差、2026年8月の改定でどう変わるに、認定の有無で特養の月額がどう変わるかを整理しました。

あわせて、割合の話と限度額の話は別だということも書いておきます。介護保険負担割合証とは|1〜3割の見分け方で書いた1割・2割・3割は、介護サービスの自己負担にかかる割合です。食費と居住費は介護保険の給付ではないので、割合はかかりません。かかるのは、この負担限度額のほうです。

今日できる確認は3つ

今日、施設を決める必要はありません。次の3つだけ手元で確かめておくと、申請の日に慌てません。

1. 利用が始まる月を確認する入所日やショートステイの初日が決まっているか。その月のうちに申請すれば、その月の1日から効く
2. 世帯全員と配偶者の課税状況を確認する1人でも住民税の課税者がいれば対象外になる。世帯を分けても配偶者は判定に入る
3. 通帳を集めて記帳する本人と配偶者の全口座。申請日から直近2か月前まで記帳されている状態にしておく

3つ目が終わっていれば、申請そのものは窓口で長くかかりません。逆に、ここが終わっていないと何度も足を運ぶことになります。

よくあるご質問

申請はいつ出せばいいですか。あとからさかのぼれますか。

さかのぼれません。磐田市は「負担限度額認定証の有効期間の開始は、申請を受け付けた月の1日からとなります」と明記しています。郵送の場合は書類が市に到着した日が受付日です。入所やショートステイの利用が決まっているなら、利用が始まる月のうちに申請してください。1か月ずれると、その月の食費・居住費は軽減されないまま確定します。

サービス付き高齢者向け住宅の家賃や食事代も対象になりますか。

なりません。この認定の対象は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院などの介護保険施設と、(介護予防)短期入所生活介護・短期入所療養介護です。サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホーム、グループホームは対象外です。私が運営している住まいも対象になりません。住まいの費用は賃貸借契約に基づくもので、介護保険の給付ではないためです。

配偶者と世帯を分ければ対象になりますか。

なりません。磐田市は「世帯分離していても、配偶者が住民税課税者の場合は対象とはなりません」と明記しています。介護保険法施行規則第83条の5の配偶者には、婚姻の届出をしていない事実上の婚姻関係にある方も含まれます。行方不明の場合や配偶者からの暴力を受けた場合などは、その配偶者を除く扱いが定められています。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

制度・自己負担・利用条件は個別の状況と時期で変わります。ここに書いたのは一般的な整理です。利用者負担段階の判定は市町村が行い、世帯の構成・課税状況・預貯金の額によって結果が変わります。金額は国の資料に基づく全国共通の額です。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、磐田市高齢者支援課 給付グループ(0538-37-4869)でご確認ください。

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