
「親の退院日は決まったのに、要介護認定の結果がまだ出ません。サービスは使えますか」
磐田市は、認定結果前に暫定でサービスを利用したい場合、親御さんが住む地区の地域包括支援センターへ相談するよう案内しています。ただし、利用できるという保証ではありません。退院予定日、認定申請日、必要な支援を伝え、開始条件と費用を利用前に確認してください。
磐田市が明記しているのは「包括へ相談」まで
磐田市の「介護サービスを利用するには(要介護認定)」は2026年6月9日に更新され、認定結果前の暫定利用を希望する場合は、居住地区の地域包括支援センターへ相談するよう案内しています。
ここで言葉を足してはいけません。市のページは、認定前でも必ず使える、希望するサービスを選べる、費用が介護保険の自己負担で済む、とは書いていません。案内されているのは相談先です。対象サービス、手続き、開始日、費用の扱いは、相談時に個別確認が要ります。
意外かもしれませんが、結果待ちの間に家族がすることは「待つ」だけではありません。ただし「もう使える」と決めることでもない。使える条件を確かめるために動く期間です。
最初の電話で伝えるのは、退院日・申請日・必要な支援
地域包括支援センターへの最初の電話では、親御さんの退院予定日、要介護認定の申請日、退院後に必要と考える支援の3項目を伝えます。サービス名を家族だけで決めてから電話する必要はありません。
| 伝えること | 具体的な聞き方 |
|---|---|
| 退院予定日 | 「2026年9月○日に退院予定です」 |
| 認定申請日 | 「申請済みです。申請日は○月○日です」または「まだ申請していません」 |
| 必要な支援 | 「朝の着替え」「入浴」「食事の準備」など、困る動作と時間帯を伝える |
「デイサービスを週何回」「訪問介護を毎日」と先に枠を作るより、何に困るのかを伝えるほうが相談先は整理しやすくなります。入院中なら、病院の退院支援担当者にも同じ3項目を共有してください。
病院へ確認する項目と、退院後の暮らしへつなぐ順番は、退院後の介護は何から?2026年の3確認で整理しています。
認定にかかる日数の法令上の定めと磐田市の実績は、要介護認定は何日で出る?磐田市は平均30.1日で確認できます。平均は自分の家の期限ではありません。退院日が先に来るなら、結果を待たずに相談日を決めます。
認定申請そのものも、家族や包括が代行できる
磐田市の要介護認定申請は、高齢者支援課または支所市民生活課へ提出します。本人のほか、家族、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどによる代行も可能です。
市が挙げる主な書類は、認定申請書、訪問調査希望票、介護保険被保険者証です。40歳から64歳の方は医療保険証も提示します。主治医意見書は、本人または家族から病院へ直接作成を依頼し、作成後は主治医から市へ郵送されます。
訪問調査では、日頃の状況が分かる家族などの立会いを市が求めています。家族の予定が合わないまま日付だけ決めると、普段の困りごとを伝えにくくなります。申請の段階で「誰が立ち会えるか」も決めておくと、後の連絡が一つ減ります。
暫定利用を「仮予約」のように考えない
認定前の暫定利用は、席だけ押さえて結果が出たら自動で本契約になる、という単純な仮予約ではありません。磐田市の一次情報は相談先までしか示していないため、家族は利用前に条件を書面で確かめる必要があります。
- どのサービスを、いつから利用できる可能性があるか
- 認定結果が想定と異なった場合、費用をどう扱うか
- 結果が出るまでに必要な書類と契約は何か
- 退院当日に支援が必要な場合、誰が調整するか
私は、口頭で「たぶん大丈夫」と言われたまま始めないことを勧めます。家族が急いでいるときほど、費用と利用条件は短いメモでも残す。ここは遠慮する場面ではありません。
良い点は相談先が明記されたこと。注文はその先の手順
磐田市の案内で良いのは、認定結果前の相談先を「お住まいの地区の地域包括支援センター」と明記している点です。市役所のどこへ電話するかを家族に探させず、地区の相談窓口へつないでいます。
その上で、私は相談後の流れも見えるようにしてほしいと考えます。ページには、暫定利用で何を確認するのか、認定結果が想定と違った場合の費用をどう聞くのかがありません。制度の入口だけでなく、家族が電話口で読む質問例まであると使いやすくなります。
制度として筋が通っていても、退院日が迫る家族の質問は「誰に、今日、何を言うか」です。書類名を増やすより、電話の一言を示すほうが先です。
運営する側から言うと、3サービスを一つの答えにしない
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい、通所、訪問は別のサービスで、住まいと介護サービスの契約も別です。以下は体験ストックに基づく利用者事例ではなく、利害のある運営者としての意見です。
退院が近い家族から相談を受ける立場でも、私は「この3つを組み合わせれば済む」とは言いません。住まいが必要なのか、自宅へ通所や訪問を組むのかで、契約も確認先も変わります。認定結果前なら、利用可否と自己負担も個別条件で変わります。
私の迷いは、急ぐ家族に細かな確認を求めると、突き放して聞こえることです。それでも、曖昧なまま開始を約束するほうが後で家族を困らせます。だから、今日の結論は契約ではなく、包括へ3項目を伝えることに置きます。
今日の確認は、包括へ電話するための1枚を作ること
要介護認定前のサービス利用を考える家族が今日できるのは、紙を1枚用意し、退院予定日、認定申請日、必要な支援を書くことです。その紙を見ながら、親御さんの地区を担当する地域包括支援センターへ電話します。
地域包括支援センターとケアマネジャーの役割の違いは、地域包括支援センターとケアマネの違いで整理しています。更新時期と新規申請を混同しそうな場合は、要介護認定の更新はいつから?磐田市は60日前も確認できます。
相談した日にサービスを決める必要はありません。開始条件と費用の扱いが分かるまで、申し込みを保留する自由も残してください。
よくあるご質問
認定結果が出る前でも介護保険サービスを使えますか。
磐田市は、認定結果が出る前に暫定で利用したい場合、居住地区の地域包括支援センターへ相談するよう案内しています。ただし、相談すれば必ず使えるという記載ではありません。開始できるサービス、手続き、費用の扱いは個別条件で変わるため、利用前に書面で確認してください。
退院日が近いとき、最初にどこへ連絡しますか。
親御さんが住む地区の地域包括支援センターへ連絡し、退院予定日、要介護認定の申請日、退院直後に困る動作や時間帯を伝えます。入院中なら病院の退院支援担当者にも同じ内容を共有してください。市の案内上、暫定利用の相談先は地域包括支援センターです。
認定申請をしていない状態でも相談できますか。
地域包括支援センターへの相談はできます。介護保険サービスの利用には原則として要介護・要支援認定が必要です。申請は本人のほか、家族、ケアマネジャー、地域包括支援センターなども代行できます。まず申請状況を伝え、申請と支援準備の順番を確認してください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
この記事は2026年9月3日に確認できた一般的な整理です。制度、自己負担、利用条件は個別の状況と時期で変わります。暫定利用の対象、開始日、費用の扱いは利用前に確認してください。ご本人の状況にあてはまるかどうかは、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市の窓口でご確認ください。
認定調査の前に家族が整理する質問とメモの作り方は、介護認定調査の質問|家族が準備する3項目にも書きました。