
Q. 介護費用の平均を、そのまま親の毎月の支払いと考えていい?
A. 介護給付費等実態統計の「費用額」は、保険給付額・公費負担額・利用者負担額の合計です。家族の自己負担額そのものではありません。磐田で家計を組むなら、見積書を「介護保険の自己負担」「住まいと暮らしの費用」「一時的な支出」に分け、対象月と含まれない費用を確認します。
統計の費用額は家族の財布と違う
厚生労働省が2026年9月30日に公表した「令和7年度介護給付費等実態統計」は、介護サービスの費用を集計した資料です。2026年10月12日に原文を確認しました。検索で見かける「介護費用の平均」が、この統計の数字か、家族への家計調査かで意味は変わります。
厚生労働省の「用語の定義」では、費用額に保険給付額、公費負担額、利用者負担額を含めています。利用者が払った分だけの数字ではありません。意外かもしれませんが、「受給者1人当たり」という言葉が付いても、本人の持ち出し額とは限りません。
私は、平均額をそのまま家計簿へ転記することには反対です。必要なのは全国の代表値より、親の使うサービスと負担の範囲です。自己負担の割合を確かめる入口は、介護保険負担割合証の読み方に整理しています。
年間の人数を割っても月額にならない
2025年度の統計は、2025年5月審査分から2026年4月審査分の月報をまとめたものです。原則としてサービス提供月の翌月が審査月です。公表された月と、介護を受けた月と、支払った月を同じものとして扱わないでください。
年間実受給者数は、年度内に一度でも対象サービスを受けた人の数です。同じ人が繰り返し受けても基本は一人として数えます。介護予防サービスと介護サービスを両方受けた人は、それぞれの区分に計上されます。毎月同じ人数が利用したという意味ではありません。
そのため、年間の費用総額を年間実受給者数で割り、さらに月数で割っても、家族の標準的な月払いにはなりません。利用期間の違いも、保険などが支えた分も残るからです。市区町村が直接支払う福祉用具購入費や住宅改修費などの償還払いも、この統計には含まれません。
見積書は家計の3項目に分ける
家計を見積もるときは、介護保険の自己負担、住まいと暮らしの費用、一時的な支出の3項目に分けると確認先が見えます。これは統計の分類ではなく、私が提案する家族用の整理です。各欄を合計する前に、二重計上がないかを確かめます。
| 家計の欄 | 見積書で聞くこと |
|---|---|
| 介護保険の自己負担 | サービスの種類、利用回数、負担割合、加算を含むか |
| 住まいと暮らし | 家賃、食費、光熱費、日用品などの含まれる範囲 |
| 一時的な支出 | 引っ越しや購入など、開始時だけ必要な費用の有無 |
見積書に書かれていない欄を、無料だと読まないことです。該当する費用がないのか、別の請求元なのか、未確定なのかを聞きます。支払いを軽くする制度を調べる場合も、高額介護サービス費の上限と対象を確認し、暮らしの費用まで戻る前提を置かないでください。
運営側が先に示したい別料金
当社の住まいの月額案内にも、含まれない費用があります。私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として介護事業を運営し、サービスを売る側の利害があります。だから月額の見え方には自制が要ると考えています。
当社の確認済み料金資料では、サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」の単身月額は140,600円~160,600円です。家賃、共益費、基本サービス費、1名分の食事代を含みます。介護保険自己負担、個別水道光熱費、通信料は含みません。
この月額を同じ条件で12か月払う計算なら、1,687,200円~1,927,200円です。月額に12を掛けただけの換算で、年間総支出の保証ではありません。別の費用を足す前の金額と分かれば、年金などの年間収入と比べる出発点になります。
住まいの契約、ふじがおか見付デイサービスの通所介護、ふじがおか訪問介護センターの訪問介護は別です。入居すれば通所や訪問の費用が月額に収まるとは案内しません。サ高住と特別養護老人ホームの費用比較も、含まれる項目をそろえて読む必要があります。
平均を使う良さと、数字に残る迷い
統計の良さは、個別事業者の広告を離れて費用の全体像を見られることです。資料の対象期間と定義が公開されているため、別の年と比較するときも条件を確かめられます。私は、家族が数字の出どころを追える点を評価します。
一方、私は運営側の説明に注文を付けたい。平均だけを見せて「この程度で済む」と受け取らせるのは不十分です。見積もりには、含まない項目と見直しになる条件まで並べるべきです。総額の大きさより、親子が翌月の支払いを説明できることを優先します。
私はこう考えます。相談用の紙を作るなら、中央に大きな合計額を置く前に、欄外へ「別に払うもの」を書きます。住まいの欄を埋めた後、通所と訪問の予定を別紙で照らす。これは実際の相談を再現した話ではなく、私自身の説明の組み立て方です。まだ利用回数が決まらない段階で、どこまで細かい金額を示すべきかは迷います。だから未確定の欄を空白のままにせず、誰に確認するかを添えたいのです。
今日、見積書に付ける確認欄
今日できる確認は、手元の見積書に「対象月」「含まない費用」「次に聞く相手」を書き足すことです。契約を決める日ではなく、家計の見通しを一段確かにする日と考えてください。数字が出ない項目には、仮の金額を勝手に入れず確認中と記します。
毎月続く支出と開始時だけの支出を分けたら、誰の口座から払い、家族がどの範囲を補うかを話します。年金との差だけでなく、家族側の生活費も残す必要があります。利用可否や負担は個別条件で変わるため、見積もりの更新時期も担当者と確認してください。
よくあるご質問
費用や手続きで迷いやすい点を、確認先と合わせて整理します。
平均額に負担割合を掛ければ自己負担が分かりますか。
統計の平均額へ負担割合を掛けても、その家族の見積額にはなりません。統計には利用サービスや回数、状態が異なる人が含まれます。本人の負担割合証と利用予定を基に、事業所へ見積もりを求めてください。食費や家賃など、介護保険の自己負担と別に払う項目も確認すると、家計としての総額を考えられます。
月額の案内に食費や訪問介護も入っていますか。
月額に含む項目は案内と契約ごとに確認が必要です。当社の住まいの単身月額には1名分の食事代を含みますが、介護保険自己負担、個別水道光熱費、通信料は含みません。住まい、通所、訪問は別サービスです。パンフレットの合計だけで判断せず、利用予定に沿って別の請求があるかを尋ねてください。
見積額が年金を超えたら入居を諦めるしかありませんか。
一枚の見積書だけで入居の可否を決める必要はありません。含まれる費用、別払いの項目、利用予定を整理し、支援制度の対象になるかを個別に確認します。在宅で支援を組む場合も含めて比較できます。家族が補える額と本人の希望を先に確かめ、継続して払える条件を担当のケアマネジャーなどと相談してください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。磐田市で住まい・通所・訪問の3サービスを運営しています。不動産業では実家じまい・空き家・相続の相談も受けています。プロフィール
参考にした公式情報
本文の事実は次の一次情報で照合しました(2026年10月確認、確認日:2026年10月12日)。
当社への相談は、見学や契約を決める前でも受け付けています。
介護相談フォーム 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
本記事は2026年10月12日確認の一般的な整理です。制度・数値は変わり得ます。制度の適用、利用可否、自己負担は個別条件で異なります。個別判断は市の担当窓口や該当する専門家へ相談してください。介護の支援については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。