
家族も決まった記録用紙を提出する義務がありますか。
福祉用具のモニタリングは、利用後の状況を確かめ、計画の継続や見直しを考える過程です。家族は使っていない場面や本人の言葉を記録し、福祉用具専門相談員と担当のケアマネジャーへ伝えてください。2024年度改定後の事業者の記録義務を、家族の定型書類提出義務と混同しないことです。変更や自己負担は個別に確認します。
福祉用具は、借りた後の使い方も確かめる
福祉用具のモニタリングは、利用後の状況を確かめ、サービス計画を続けるか見直すかを考える過程です。「借りる物が決まった」で支援が完了するわけではありません。親が使わなくなった、扱いにくそうだと感じたら、その様子を相談の材料にします。
厚生労働省の介護保険最新情報Vol.1402は、2025年7月10日付の「福祉用具のサービス提供におけるPDCAの適切な実施等について」です。2026年9月30日に確認しました。2024年度改定後の手引きを事業者へ周知する資料です。2026年の新発表ではありません。
PDCAは、計画し、使い、状況を確かめ、見直すという流れを表す言葉です。通知は、利用者ごとの介護の見通しを踏まえた適切な時期のモニタリングと、結果に基づく継続・見直しを示しています。家族にとっては、用具を受け取った後にも相談する意味があるということです。
私は、最初に選んだ用具をそのまま使い続ける前提にしない点を評価します。本人の暮らしで役立っているかを確かめる仕組みだからです。一方、確認する日だけ用具を見ても、普段の困りごとが伝わるとは限りません。専門職には、本人が使う場面まで聞いてほしいと考えます。
記録の義務を、家族の宿題に置き換えない
福祉用具のモニタリング結果の記録と、介護支援専門員への交付は、事業者側の対応についての説明です。介護支援専門員はケアマネジャーのことです。厚生労働省の通知は、2024年度改定で確認時期の明確化と結果の記録・交付が義務付けられたとしています。
通知は、家族に定型の記録用紙を提出する義務が生じたという説明ではありません。家族が制度に合わせて専門的な評価を書く必要がある、と受け取らないでください。事業者が作る記録と、家族が伝える暮らしのメモは役割が違います。
私は、家族のメモは短くてよいと考えます。用語を正しく使おうとして連絡が遅れるより、「いつから使っていない」「この場所で扱いにくいと話す」を伝えるほうが相談を始めやすい。記録が苦手なら、電話で話し、先方が確かめたいことに答える形も相談できます。
借りるか買うかの比較をしたい場合は、福祉用具のレンタルと購入の選択制を別に確認してください。今回は選ぶ前の費用比較ではなく、利用を始めた後に何を伝えるかを扱います。制度上の品目ごとの扱いを、すべての用具に広げて考えないことです。
「使わない」を、本人の言葉と場面に分ける
福祉用具の使いにくさを伝えるときは、用具の名前、困る場面、本人の言葉を一緒に残す方法を私は勧めます。「使わないから不要」と結論を書く前に、使わない理由が分かっているかを確かめるためです。
| メモの欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 用具 | 借りている物の名称。分かれば事業者名や型番 |
| 場面 | 使った場所、時間帯、しようとした動作 |
| 本人の言葉 | 何が嫌なのか、何をしたいのかを本人の表現で |
| 観察した事実 | 使わなかった、途中でやめたなど、実際に見たこと |
| 次に聞きたいこと | 確認までの使い方、点検の相談、見直しの進め方 |
この表は家族用の提案で、提出必須の様式ではありません。分からない型番を探し続けて、連絡を遅らせる必要もありません。事業者から受け取った書類など、手元にある情報を伝え、何を確認すればよいかを聞きます。
本人が言ったことと家族の推測は分けます。「嫌がっているようだ」は家族の受け止めです。本人が話せるなら、用具を使って何をしたいのかも聞きます。困りごとの記録だけでなく、続けたい暮らしを残すと、変更する際の相談の軸になります。
写真で説明したい場合は、まず事業者へ受け取り方を確認します。本人の意向を確かめ、生活の様子を必要以上に写さないことも配慮したい点です。危険な動作を再現して撮影したり、撮るために本人を動かしたりする必要はありません。
ケアプラン全体の希望も伝えたいときは、家族の意向をケアプランへ伝える記事を参照できます。本人が続けたいこと、家族が手伝えること、手伝えないことは別の欄にしておくと、用具だけで解決する話かどうかも相談できます。
用具を選び直す前に種類の違いを知りたい場合は、体を支える構造を比べるシルバーカーと歩行車の違い|磐田で選ぶ前にも確認できます。
専門相談員とケアマネへ、同じ困りごとを伝える
借りている福祉用具に困りごとが出たら、貸与事業者の福祉用具専門相談員と、担当のケアマネジャーへ状況を伝えます。用具そのものの確認と、介護生活全体の見直しをつなぐためです。家族が専門職の役割まで代行する必要はありません。
最初の連絡では、「借りている用具を使わなくなりました。本人はこう話し、家族はこの場面を見ています。使い方と継続について相談したい」と伝えられます。これは連絡文の例で、実際の利用者の事例ではありません。分かる情報と、まだ分からない理由を分けて話します。
すでに一方へ連絡した場合は、誰に何を伝えたかも知らせます。事業者間でどのように情報を共有するか、家族から追加で連絡すべきことがあるかを確認してください。別々の要望として伝わると、用具の変更と支援の計画がずれるおそれがあると私は考えます。
危険や故障が疑われるときは、次の定期確認日まで待たず、事業者へ連絡して確認までの扱いを聞きます。家族だけで部品を組み替えたり加工したりせず、説明書と専門職の案内に従ってください。ベッドの組合せが気になる場合は、介護ベッドの隙間対策の記事で相談前の確認事項も整理できます。
継続・変更・返却を決める前に、暮らしを確かめる
福祉用具を使っていないことが分かっても、すぐ返却するか、そのまま続けるかを家族だけで決めない方法を私は勧めます。用具が不要なのか、使い方や環境の確認が必要なのかは、観察した一場面だけでは分からないからです。
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、住まいのサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、通所の「ふじがおか見付デイサービス」、訪問の「ふじがおか訪問介護センター」を運営しています。住まいと介護サービスは別契約で、通所と訪問も別のサービスです。
運営する側から言うと、使っていない理由が分からないまま「もっと別のサービスを」と話を広げたくありません。まず本人の言葉を一つ、専門職へ渡す。継続か変更かを今日決めなくても、その材料が増えれば意味があると私は考えます。
私にも、家族の負担を減らすことと本人が続けたい動作が、同じ方向を向くか分からない迷いがあります。だから用具の名前だけで答えを出さず、本人、家族、専門職で確かめたい。見直しの結果、何を変え、次はいつ誰が様子を確認するかまで聞いておきます。
今日の一歩は、借りている用具を一つ選び、使いにくかった場面と連絡先をメモすることです。変更の費用、介護保険での扱い、利用可否は個別条件によります。比較する際も、未確認の金額で返却や購入を決めず、担当者から説明を受けてください。
排泄の機器を検討する場合は、通知する機器と吸引する装置の役割も区別します。 排泄予測支援機器と自動排泄処理装置の違い|磐田で整理しています。
価格の説明も確認したい場合は、2027年分の福祉用具貸与価格上限の見方で、商品コードと適用時期を揃える順序を確認してください。
よくあるご質問
2026年9月30日に確認した情報をもとに、ご家族が迷いやすい点を整理します。
家族も決まった記録用紙を提出する義務がありますか。
今回の厚生労働省の通知は、福祉用具の事業者向けにモニタリング時期の明確化や結果の記録・交付などを説明しています。家族に定型用紙の提出を義務付ける記述ではありません。家族は本人の言葉と見た場面を分かる範囲で伝えます。事業者から記入を頼まれた場合は目的を聞き、難しいときの伝え方も相談してください。
次の確認日まで待つ必要がありますか。
使いにくさや危険、故障が疑われるときは、次の定期確認日まで待たず貸与事業者へ連絡してください。用具名と困った場面を伝え、確認までの扱いを聞きます。担当のケアマネジャーにも情報を共有します。家族が独自に部品を組み替えたり、危険な動作を再現したりせず、説明書や専門職の案内に従います。
使わない用具はすぐ返却してよいですか。
使わない理由を確かめず、家族だけで不要と判断しない方法を勧めます。本人の希望、実際の使い方、用具の状態などを専門相談員とケアマネジャーへ伝え、継続や変更を相談します。返却を希望する場合も、必要な支援が残るか、手続きや費用がどうなるかを確認してください。使っていないという事実は見直しの材料です。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
以下の一次情報を2026年9月30日に確認しました(2026年9月確認)。
制度・案内は変更される場合があります。介護の制度・利用可否・自己負担は個別条件で異なります。福祉用具の状態や扱い方、変更の手続きは貸与事業者へ確認してください。
介護についての相談は、電話とフォームから選べます。相談時点で入居や契約を決める必要はありません。
介護相談フォームはこちら 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)
介護サービスの利用については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。