
挿絵は相談場面のイメージであり、安全な部品の形状や取り付け方を示す図ではありません。
親の介護ベッドの隙間が気になります。何か詰めればよいですか。
介護ベッドの隙間は、家族だけで物を詰めたり部品を加工したりせず、説明書と製品の組合せを福祉用具事業者に確認します。NITEはJIS規格への適合と、スペーサーや保護カバー等での対応を案内しています。使える部品や当面の使い方は製品・本人の状態で違います。気になる箇所を伝え、確認が済むまでの安全確保も一緒に相談してください。
43件は、NITEに通知された介護ベッド事故の集計
製品評価技術基盤機構(NITE)は2026年9月17日、高齢者の介護ベッド事故への注意を呼びかけました。2016年から2025年までの10年間に通知された事故は43件です。隙間に挟まるなどの事故が含まれます。原文を9月28日に確認しました。
この資料で高齢者とは65歳以上です。集計には、法に基づく重大製品事故と、事故情報収集制度による非重大製品事故を含みます。43件は全国で起きた全事故の数でも、ベッドを使う人に事故が起きる割合でもありません。
NITEによれば、介護ベッド事故の約5割は製品の不具合以外による事故です。壊れているかだけを見ればよいわけではない、という点が目に留まります。ただし、この区分を家族の責任の割合と読み替えることもできません。
私は、製品の故障だけでなく、使う環境へ目を向ける注意喚起を評価します。その上で、注意する役目を家族だけに渡して終わらせたくありません。どの部品が合うのかは、日頃介護をしている家族でも分からないことがあります。相談相手まで決めて、点検の話を進めたいのです。
隙間を埋める前に、使っている製品を特定する
介護ベッドの隙間が気になったら、ベッド本体と手すり、マットレスの製品名や型番を、分かる範囲で確認します。これは福祉用具事業者へ相談するための準備です。家族が隙間の安全性を判定する検査ではありません。
説明書、レンタルの契約書、納品書が手元にあれば用意します。書類が見つからないときは、探し終えるまで連絡を待たず「型番が分からない」と伝えて構いません。重いベッドを持ち上げたり、親を動かしたりしてまで表示を探す必要はありません。
写真を求められたら、全体と気になる箇所を安全な位置から撮る方法があります。どこを撮れば判断の助けになるかは、先に事業者へ聞きます。親の体を隙間へ近づけて再現する、手を入れて確かめる、といった試し方はしないでください。
借りるか買うかという制度の話は、福祉用具のレンタルと購入の選択制に整理しています。今回の点検は、費用比較とは別です。制度の対象や利用可否、自己負担は個別条件で変わるため、相談時に切り分けて聞きます。
説明書と部品の組合せを事業者に確認する
NITEは、JIS規格に適合した製品の使用と、スペーサーや保護カバーなどで危険な隙間に対応することを挙げています。ここでいう部品は、何でも代わりに詰めればよいという意味ではありません。
私なら事業者に「このベッドと手すり、マットレスの組合せでよいか」「隙間に対応する適合部品は何か」と聞きます。別の製品の写真を見て同じ部品を買う前に、実際の型番で確認する順番です。
- 説明書で確認する箇所と、今の組合せに問題がないか。
- 必要な部品があるなら、誰が適合と取り付けを確認するか。
- 点検や部品の手配まで、どのように安全を確保するか。
- 作業後の確認方法と、再び連絡する必要がある変化は何か。
回答を受ける際は、「カバーを付けます」で終わらず、取り付ける人と確認する日を残します。費用の有無や訪問の可否も、その事業者へ聞くことです。本記事では、無料の点検や特定の部品の効果を約束しません。
ベッドを替えるべきか、今の製品に対応できるのか。私にも、隙間の写真だけでは決められません。心配だから何か詰める、その前に事業者へ連絡する。私はこの順序を崩したくありません。手すりを外す、部品を削るといった変更も、家族だけで進めないでください。
親の暮らしを含めた点検メモを作る
介護ベッドの相談には、部品の名前だけでなく、親がどんな場面で使っているかも伝えます。以下は相談メモの提案です。実際の利用者の出来事を紹介しているわけではありません。
| メモの欄 | 伝える内容 |
|---|---|
| 気になる箇所 | 手すりの周辺など、家族が見た位置 |
| 気づいた時期 | 確認した日、部品交換など分かっている変更 |
| 本人の使い方 | 寝起きや移動で困っていること、本人の言葉 |
| 次の対応 | 連絡先、回答、確認が済むまでの使い方 |
家族の見立てと本人の言葉は分けます。「危なそう」という感想だけでなく、どこが気になったかを伝えるほうが、事業者が確認する場所を絞れます。分からない動きは推測で書かず、担当者に見てもらう必要があるか相談します。
寝起きの不安には、ベッドの隙間以外の問題が重なる場合もあります。生活動線などを整理する際は、高齢者の転倒原因を確認する記事も参照できます。ただし、転倒への備えと挟み込みへの対応は、同じ点検で済んだと考えないことです。
磐田で相談先が分からない家族は、地域包括支援センターとケアマネジャーの役割を確認してください。製品の適合は事業者やメーカーへ、生活全体の支援は介護の担当者へ、質問を分けてつなぎます。
運営する側から、点検を家族だけの宿題にしない
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービスの代表として介護事業を運営しています。自社に契約上の利害があるからこそ、ベッドの不安をそのまま住み替えの理由にしてはいけないと考えます。
私は、家族の頑張りで安全を埋め合わせる段取りには賛成しません。必要なのは、部品を選べる相手と、日々の暮らしを知る相手をつなぐことです。今日することを一つに絞るなら、契約書から連絡先を見つけ、気になる隙間について電話してください。
住まいのサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、通所のふじがおか見付デイサービス、訪問のふじがおか訪問介護センターは別のサービスです。住まいと介護の契約も別です。自宅の安全の相談から、入居やサービス契約まで一度に決める必要はありません。
よくあるご質問
ご家族が確認するときの疑問を整理します。
タオルやクッションを隙間に詰めてもよいですか。
家族の判断だけで隙間を埋める方法は勧めません。NITEが挙げるスペーサーや保護カバーも、使っている製品に適合するかの確認が先です。ベッドと手すりの型番、気になる場所を事業者へ伝え、必要な部品と取り付け方を聞いてください。確認が済むまでの使い方も相談し、自己流の加工で安全と判断しないようにします。
JIS規格に適合していれば、隙間の確認は不要ですか。
NITEはJIS規格への適合に加え、挟まるおそれのある隙間への対応を案内しています。規格への適合だけを理由に点検を省かず、現在の手すりやマットレスとの組合せ、本人の使い方を事業者に確認してください。部品を替えた場合も、以前と同じ安全性があると家族だけで判断しないことです。
レンタルではなく、購入したベッドはどこへ相談しますか。
まず購入先やメーカーの相談窓口へ、製品名と型番を伝えます。購入先が分からない場合は、手元の説明書や納品書を探してください。介護の担当者にも相談し、製品を確認できる相手を探します。点検・部品交換の可否や費用は個別確認が必要です。購入品だから家族で修理するしかない、と決める必要はありません。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
以下は2026年9月28日に確認した一次情報です。
制度・利用可否・自己負担は個別の状況と時期で変わります。本記事は一般的な整理です。製品の適合と使い方は、福祉用具事業者やメーカーへ確認してください。介護の支援は、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。