
要介護5になった親は、デイサービスを利用できる?
要介護5でもデイサービスの利用実績はあります。ただし、どの事業所でも受け入れられるという意味ではありません。送迎・移乗・食事・必要な医療的対応を担当ケアマネジャーと整理し、候補の事業所へ個別に確認してください。利用可否や費用は本人の状態と事業所の体制などで変わります。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービスの代表取締役として通所介護を運営しています。要介護5という認定を見て、家族が通う選択を諦める必要はありません。同時に、運営者の私が認定区分だけで「利用できます」と返事をすることもできません。
この記事は、自社の受入れを約束する案内ではありません。厚生労働省の全国統計で利用実績を確かめたうえで、親の状態をどのように相談へつなぐかを整理します。制度、利用可否、自己負担は個別の条件によって変わります。
要介護5の通所介護利用者は全国統計にいる
要介護5の人にも通所介護の利用実績があります。厚生労働省が2026年9月30日に掲載した「令和7年度 介護給付費等実態統計の概況」で確認できます。「居宅サービスの状況」の表7は、2026年4月審査分について、通所介護の要介護5の受給者を60.9千人、構成割合を5.0%と示しています。
表にある通所介護の総数は1219.0千人です。要介護5の割合5.0%は、要介護5の人全体のうち利用している割合ではありません。この表の通所介護受給者に占める割合です。数字の分母を取り違えると、家族が使える可能性の説明まで変わってしまいます。
報道発表資料は、原則としてサービス提供月の翌月が審査月と説明しています。2026年4月審査分を、そのまま4月に提供されたサービスの集計とは呼びません。
私は、全国に利用実績がある事実を、相談を始める材料として示します。親の利用先が決まる数字としては示しません。
全国の5.0%を個別の受入れ回答にしない
全国統計に利用者がいることは、磐田市の各事業所や自社で受け入れられることの証明ではありません。本人に必要な介助と事業所の対応範囲を照合する必要があります。医療的な対応を要する場合も、内容を伝えて確認してください。
私は、統計が「要介護5だから通所は無理」という思い込みをほぐす点を良いと考えます。認定区分だけを見て相談をやめる前に、確認できる余地が残るからです。本人が通いたい気持ちを持っているなら、その希望も相談の材料になります。
そのうえで、運営側には「対応できます」の中身を説明してほしいと思います。送迎から帰宅までのどの場面を想定した返事なのか。追加の確認や条件があるなら、契約の前に伝えるべきです。
送迎から帰宅まで必要な介助を伝える
受入れの相談では、送迎、移乗、食事、必要な医療的対応を整理すると、確認すべき内容を具体化できます。以下は私の提案する家族用メモです。担当者へ情報を渡す入口として使います。
- 送迎:玄関までの道や段差、外出時に使っている用具、家族が付き添える範囲。
- 移乗:ベッドや椅子、車いすの間を移るとき、普段どんな手助けを受けているか。
- 食事:普段の食事の形や介助の内容。医療者からの指示があれば、その資料の有無。
- 医療的対応:必要な処置や観察について、誰からどのように説明されているか。
私なら、できないことだけでなく、本人が自分でできることも書きます。家族が普段している介助を専門用語へ直す必要はありません。判断できない内容は「未確認」とし、ケアマネジャーに整理を頼む方法があります。ケアプランへ本人と家族の意向を伝える方法も、この準備につながります。
受入れの返事は条件と未確認を分けて聞く
事業所からの返事は、対応できる内容、条件付きの内容、まだ確認が必要な内容に分けて受け取ります。利用日や時間帯で体制が異なる場合もあるため、希望する利用条件での説明を求めてください。自社の具体的な体制は本稿では案内していません。
私は、電話で話した一部分だけを家族が「全部大丈夫」と受け取らないようにしたいと思います。送迎は確認済みでも食事は未確認、という状態なら、そのまま記録します。誰が何を追加で確認し、次にいつ話すかまで決めれば、返事を待つ間の家族の役割が分かります。
見学では、本人に必要な介助について質問を持っていく提案です。デイサービス見学の確認点を、そのまま全部聞く必要はありません。今回の受入れに関係する項目を選び、担当者の説明をメモします。
本人の希望を残して選択肢を考える
通所を利用したい理由には、本人の過ごし方への希望と家族の介護負担の両方があります。家族だけの都合で決めることも、家族の困りごとを隠すことも避け、別々の言葉で担当ケアマネジャーへ伝えられます。
私はこう考えます。要介護度の数字だけで、通う選択を消したくありません。本人が外へ出たい理由があるなら、まず聞きたい。一方で、受け入れたいという運営側の気持ちだけで、必要な介助を引き受けられるとは言えません。本人の希望と、私たちが実際に担える範囲を並べる。そのうえで、足りない部分を誰に相談するかを考える。契約を先に決めず、確認を一つずつ進めることが、ご家族に残せる判断材料だと思います。
どの組み合わせなら本人も家族も続けやすいのか、私も情報を聞く前には分かりません。一つの事業所で難しいという返事があっても、別の相談先や方法を検討する余地までなくなったとは限りません。断られた理由を確認し、ケアマネジャーと次の選択肢を整理してください。
住まい・通所・訪問の契約を分けて確認
通所介護、住まい、訪問介護はそれぞれ別のサービスです。デイサービスを探している段階で、住まいの契約まで一緒に決める必要はありません。通所介護と通所リハビリテーションも区別し、目的に合う相談先を担当ケアマネジャーと確認します。
私が運営するサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」は住まいです。ふじがおか見付デイサービスは通所、ふじがおか訪問介護センターは訪問で、住まいと介護サービスの契約は別です。本稿の全国統計を、これらの受入れ可否や設備の説明として使うことはできません。
サービスの種類が分かりにくい場合は、デイサービスとデイケアの違いを先に整理できます。費用も一括で想像せず、介護保険の自己負担と別にかかる費用を見積もりで確認します。休む場合の扱いはデイサービスのキャンセル料の記事につなげて確認してください。
今日、ケアマネジャーへ相談する一文を作る
今日の準備は「要介護5の親が通所を希望している。必要な介助を整理して、受入れ先を相談したい」という一文から始められます。継続利用の相談なら、以前と何が変わったかを添えます。家族が制度や事業所の条件を全部調べ終えるまで、相談を待つ必要はありません。
運営する側から言うと、本人の状態を伝えるメモと、事業所の回答を並べて見ることを勧めます。まだ空いている欄があれば、契約の前に確かめる。利用するかどうかを急いで決めるより、その空欄が一つ埋まることを今日の成果にしてください。
よくあるご質問
ここでは、記事の確認事項に沿ってご家族の疑問を整理します。個別の状況は各相談先に確認してください。
要介護5ならどのデイサービスでも利用できますか?
全国統計には要介護5の通所介護利用者がいますが、すべての事業所で利用できるという意味ではありません。送迎、移乗、食事、必要な医療的対応を整理し、事業所の体制と照合します。担当ケアマネジャーに相談し、条件と未確認の項目を分けて返事をもらってください。本稿は自社を含めた個別の受入れを保証するものではありません。
通所介護と通所リハビリは同じですか?
同じサービスではありません。厚生労働省の今回の統計でも、通所介護と通所リハビリテーションは別の欄で示されています。本稿の要介護5の5.0%は通所介護の受給者に占める割合です。別のサービスの数値や対応を混ぜず、本人の目的や状態に合う相談先を担当ケアマネジャーと確認してください。個別の利用条件も別に確かめます。
受入れを断られたら入居しかありませんか?
一つの事業所で難しいという返事だけで、入居しかないとは決まりません。何の対応が難しかったのかを確認し、本人の希望と家族の困りごとを担当ケアマネジャーへ伝えてください。別の事業所や支援の組み合わせを検討できるか相談します。住まいと通所と訪問は別のサービスであり、通所の相談から入居契約を急ぐ必要はありません。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい・通所・訪問は別のサービスです。プロフィール
参考にした公式情報
以下の一次情報を2026年10月20日に確認しました。公表日・更新日と、開催日や集計対象期間は区別しています。
制度・数値・予定は変わることがあります。利用可否・自己負担・必要な支援は個別条件で異なります。医療の判断は医師に、地域の予定は担当窓口に確認してください。
相談フォーム 電話で相談:0538-33-7070(9:00〜17:30)
介護については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。