
Q. 床ずれ防止用具と体位変換器は、何が違うの?
A. 床ずれ防止用具は体にかかる圧力を分散するための用具、体位変換器は寝た姿勢から横向きや座位へ変える動作を助ける用具です。介護保険では別の貸与種目です。名前や価格だけで選ばず、本人の状態、寝床、介助する人の動作を専門職に伝え、適合と給付条件を確認してください。
圧力を減らす役割と姿勢を変える役割
床ずれ防止用具と体位変換器は、介護保険の福祉用具貸与で別の種目として扱われます。厚生労働省「福祉用具・住宅改修」と給付対象の取扱通知で確認できます。寝床で使うという共通点があっても、何を助けるための用具かが違います。
取扱通知では、床ずれ防止用具は、体圧を分散して圧迫部位の圧力を減らす目的の空気マット等とされています。一方、体位変換器は、動力などで寝た姿勢から横向きや座位への変更を容易にする用具です。2026年10月10日に定義を確認しました。
意外に見落としやすいのは、姿勢を保つことだけを目的とする用具は、体位変換器から除かれる点です。横向きにする動作を助けることと、横向きの姿勢を保つことは、同じ説明ではありません。見た目や売場の呼び名だけでは、介護保険上の種目を判断できません。
私は、家族が用具の名前を覚えるより、「圧力を分散するためか」「姿勢を変える動作のためか」と質問できる方がよいと思います。床ずれ防止という名称も、治療の効果や、別の介助が不要になることを保証するものとして読みません。
良い点は役割を分けられること、注文は説明の具体性
床ずれ防止用具と体位変換器を別の役割で説明できることは、提案を受ける家族にとって利点です。私は、何の困り事に対応する提案なのかを確かめやすくなると評価します。価格の高低より前に、提案の目的を聞く入口ができます。
その上で、私は説明する側に、本人と介助者の動作まで言葉にしてほしいと考えます。「寝床に合う用具です」だけでは、どの動作を本人が行い、どこを人が助けるのか分かりません。用具を置いた後の役割分担が見える説明を望みます。
家族が二つの種目のどちらかを選べば済む、とも限りません。本人の状態や支援の目的に応じた判断が要ります。必要な用具の組み合わせは専門職へ相談する内容で、この記事ではどちらが優れているかという順位は付けません。
借りた後に使い方や困り事を伝える方法は、福祉用具のモニタリングと家族の伝え方に整理しています。私は、導入時だけ納得すれば終わりではなく、使い始めてから質問を戻せる相手まで確認したいと思います。
本人と介助者の困る動作を専門職へ伝える
寝床の用具を相談するときは、本人が困っている動作と、介助する人が困っている動作を分けて伝えます。私が提案するメモは、寝返りや起き上がりなどの場面について、本人の言葉、助けている作業、まだ分からないことを並べる形です。
「動けない」と一言で終えると、どの場面の話かが抜けます。自分で行えることがあるのか、介助を受けるときに困るのか、日によって違うのか。家族が見ていない時間は、推測で埋めず未確認と書きます。これは診断のための採点表ではなく、相談材料です。
現在使っている寝床やマットの情報も、福祉用具専門相談員に伝えます。組み合わせの可否や、操作を誰が確認するかを尋ねてください。家族だけで器具を重ねたり設定を変えたりする手順を、この記事から決めないようにします。
ベッド周囲の安全確認は、二つの種目の役割比較とは別に必要です。介護ベッドの隙間を確認する記事も併せて参照できます。用具の名称を理解したことを、寝床全体の安全が確認できたことと同一視しないためです。
給付条件と2027年の価格一覧を混同しない
床ずれ防止用具と体位変換器は、要支援・要介護1の方では原則として介護保険の給付対象外です。厚生労働省は、身体の状態などにより、認定の調査結果に基づく判断や市町村への申請で対象となる場合があると案内しています。原則と個別の確認を分けて読みます。
「原則対象外」を「相談しても無駄」と置き換えず、反対に例外の記載を「必ず借りられる」とも読みません。私は、必要性の相談と給付条件の確認を並べて進めたいと思います。自己負担だけで先に契約する前に、担当者へ確認する余地を残します。
厚生労働省のページには、2026年7月22日更新として、2027年1月以降の全国平均貸与価格と上限の一覧が掲載されています。公表された日と適用される時期は別です。翌年の一覧が見られることを、2026年10月の請求額が同じになる根拠にはできません。
価格の資料の読み方は、2027年の福祉用具貸与価格上限を確認する記事で扱っています。今回は金額を並べず、用具の役割を比較します。見積もりを受け取ったら、対象の商品と利用時期、自己負担の説明を担当者へ尋ねます。
私は、用具名が決まっても契約を急がない
私は、床ずれ防止用具と体位変換器の名前が分かっても、その場で契約を決める必要はないと考えます。大石浩之(磐田市/不動産業)として、富士ヶ丘サービスの代表取締役を務めています。介護事業を運営する側ですが、個々の身体に合う用具をこの記事で決める立場ではありません。
私はこう考えます。提案書を見るなら、商品名の横に「何を助けるか」、その横に「誰が使い方を確認するか」を書く欄がほしい。どちらかが空欄なら、家族が理解不足だと責めず、説明を持ち帰る目印にしたいと思います。用具を選ぶ速さより、説明できる疑問が残っているかを見ます。これは実際の利用者の場面ではなく、私の提案です。
本人に合う説明の細かさを、どこまで家族へ求めてよいかは私も迷います。全部を家族の宿題にすると負担になります。だから専門職には、本人の状態を確認した上で、家族が操作や見守りを担う範囲を具体的に示してほしいと思います。
今日できるのは、提案された用具名の下に「どの動作を助けるためですか」と一行書くことです。操作の説明を受ける人や、使って困ったときの連絡先も尋ねます。皮膚の状態や痛みなど医療上の心配は、用具の種類だけで判断せず、医師や看護職へ相談してください。
私が運営するサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」は住まい、ふじがおか見付デイサービスは通所、ふじがおか訪問介護センターは訪問のサービスです。住まいと介護サービスは契約が別です。自社の利用相談と、公的窓口や医療機関への相談も分けて考えてください。
よくあるご質問
ご家族から想定される疑問を、相談先と確認する内容に分けて整理します。
床ずれ防止用具があれば体位変換器はいりませんか。
床ずれ防止用具と体位変換器は役割が違い、一方があれば他方は不要と一律には決められません。体圧を分散したいのか、姿勢を変える動作を助けたいのかを専門職へ伝えます。本人の状態、寝床、介助する人の動作を確認した上で、適した用具を相談してください。この記事の種目比較だけで、治療や介助の必要性は判断できません。
姿勢を保つクッションは体位変換器ですか。
厚生労働省の取扱通知では、姿勢を保つことだけを目的とする用具は体位変換器から除かれています。横向きにする動作を助けることと、横向きを保つことは区別されます。ただし、個々の商品がどの種目に当たるかは、名前や形だけで判断できません。商品情報と使用目的を示し、福祉用具専門相談員に確認してください。
要支援や要介護1では借りられませんか。
床ずれ防止用具と体位変換器は、要支援・要介護1では原則として介護保険の給付対象外です。ただし、身体の状態などに応じて対象になる場合があると厚生労働省は案内しています。認定の区分だけで利用を諦めたり、逆に給付を約束されたと思ったりせず、担当者や市の窓口へ条件と手続きを確認してください。

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護事業を運営し、不動産業では実家じまい・相続の相談も受けています。プロフィール
参考にした公式情報
次の一次情報を2026年10月10日に確認しました。
自社サービスについては、電話または相談フォームから確認できます。相談だけでも構いません。
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制度・数値・相談方法は変更される場合があります。利用可否や自己負担は個別条件で変わります。医療上の判断は医療機関へ、通知や手続きは各発行元へご確認ください。介護の利用に関する個別の判断は、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。