住まい・契約 / 2026年10月1日

老人ホームの退去費用|磐田の家族の確認手順

家族が契約書と請求の書類、部屋の写真を机に並べ、退去費用の説明を確かめている様子
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

老人ホームの退去費用に納得できない。何から確かめる?

老人ホームの退去費用に納得できないときは、契約書・重要事項説明書、入居時の記録、請求内訳を照合します。通常の使用や年月による損耗は原則として入居者負担ではないという国民生活センターの助言がありますが、合意した特約など個別確認が必要です。請求を放置せず説明を求め、解決しなければ消費生活センター等へ相談します。

通常の損耗と、特約の説明を一緒に読む

老人ホームの退去費用は、請求された金額だけでは妥当かどうか分かりません。契約の種類、費用負担の約束、傷や汚れの状態によって確認内容が変わります。この記事では、主に有料老人ホームの修繕費などに疑問がある場合の順番を整理します。

国民生活センターは2025年12月18日、見守り新鮮情報第531号「有料老人ホームの退去時トラブル」を公表しました。入居前からの傷をめぐる請求などを取り上げています。2026年10月1日に原文を確認しました。2026年に新しく費用のルールが変わったという情報ではありません。

同センターは、年月による傷みや通常の使い方で生じる損耗について、原則として入居者が修繕費を負担する必要はないとの考えを示します。一方、費用負担の特約があり、内容に合意している場合の扱いにも触れています。この両方を読んでから契約を確かめます。

「古くなった分も、退去する人が全部直す」という理解ではありません。ただし、「普通に使ったから請求は全部無効」とこの記事だけで決めることもできません。特約の記載と説明、合意の経緯を含め、個別の判断が必要です。

私は、通常の損耗まで当然に家族負担と思い込まなくてよい点を、この注意喚起のよさだと考えます。そのうえで、事業者の説明には金額の根拠を求めたい。契約書のどの条項を、どの傷に当てはめたのかが分からなければ、家族は判断できません。

最初に契約書、次に入居時の記録を探す

退去費用を確認するときは、まず契約書と重要事項説明書を手元にそろえます。修繕、清掃、原状回復、敷金などの欄を探し、請求と関係しそうな箇所に印を付ける。これは私が勧める確認の順番です。

原状回復とは、退去時の傷みをどこまで、誰の負担で直すかという話です。国土交通省のガイドラインは、借りた当時の状態へ何でも戻すこととは区別しています。ただし民間賃貸住宅を想定した一般的な基準です。老人ホームの全契約へ機械的に当てはめるものではありません。

次に、入居時の確認表、写真、事業者とやり取りしたメールなどを探します。写真があれば撮影時期と部屋の場所を確かめます。家族の記憶だけで「最初からあった」と言い切るより、記録と照合できる部分を先に示すほうが話を整理できます。

資料が足りなければ、事業者に保管している記録の説明を求めます。契約時に渡された書類が見つからない場合も、その旨を伝えて入手方法を聞けます。家族がすべてを集め切るまで、説明の依頼を控える必要はありません。

住まいの種類や契約の違いが曖昧なら、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いも確認してください。「老人ホーム」という呼び方だけで、住まいの契約と介護サービスの契約を一緒に扱わないことです。

請求内訳を、契約と記録に結び付ける

退去時の請求内訳では、場所、作業内容、数量や範囲、単価、負担する理由を確かめます。総額だけを見て高いか安いかを決めず、契約と入居時の記録に結び付く説明を求める方法を私は勧めます。

手元の資料確認する内容
契約書・重要事項説明書修繕や清掃の費用負担、特約、説明を受けた経緯
入居時と退去時の記録傷の場所、状態、確認日、事業者との確認内容
請求書・見積書作業の範囲、内訳、入居者負担とする根拠
説明の記録誰からいつ聞いたか、回答済みの点、未回答の点

例えば「壁の修繕について、傷の場所と工事範囲、負担する契約上の根拠を教えてください」と質問できます。これは問い合わせの文例です。実際の請求や事例を再現したものではありません。質問を作るときは、手元の請求項目名を使います。

清掃費と修繕費が一括で示されているなら、それぞれの説明を求めます。写真で見える傷と、請求された作業範囲が一致しないように感じたら、その違いを尋ねる。自分で傷の原因を推測して結論を出す必要はありません。

納得できない請求は、金額だけで争わず根拠を一つずつ出してもらう。私はこの段取りを勧めます。家族の負担を減らしたいからこそ、「払う」「払わない」の返事より前に、何が未確認なのかをはっきりさせたいのです。

説明がかみ合わなければ外部相談へ進む

退去費用について事業者と話し合っても納得できない場合は、消費生活センター等へ相談します。国民生活センターもこの相談先を示しています。磐田で暮らす家族が相談するときも、契約書、請求書、やり取りの記録を用意すると論点を伝えやすくなります。

私にも、記録のない傷を後からどこまで確かめられるかという迷いがあります。だから、未確認の点も相談先に伝えます。

相談用のメモは、退去日、請求を受けた日、支払期限、質問した内容と回答を分けます。金額が分かる書類は手元に置き、何に疑問があるかを短く書きます。「全部おかしい」だけではなく、通常損耗の扱いなのか、特約の説明なのかを示せると確認が進みます。

支払期限が近い場合は、請求を放置せず、説明を求めていることを事業者へ伝えます。確認中の支払いの扱いも相談してください。この記事は支払義務や支払いを留保できる権利を断定するものではありません。期限を含めて外部相談先に事情を伝えます。

ケアマネジャーに事情を共有することと、請求の法的な判断を求めることは別です。介護の対応についても困っている場合は、磐田で介護サービスの苦情を相談する手順も参照できます。金銭の契約問題とサービスの困りごとを分けて伝えます。

次の入居先では、入口で退去の話をする

退去費用は、入居するときにも確認したい項目です。国民生活センターは、契約書などを家族と確認し、事業者立ち会いで入居時の室内の状態を確かめるよう案内しています。退去の話を先にすることは、入居先を疑うこととは違います。

私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、住まいのサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、通所の「ふじがおか見付デイサービス」、訪問の「ふじがおか訪問介護センター」を運営しています。住まいと介護サービスは別契約で、通所と訪問も別のサービスです。

運営する側から言うと、入口で出口の説明を求められるのは当然だと私は考えます。入居中の費用だけで安心してもらうのでは足りません。ご家族には、退去時の確認方法と費用の根拠を、契約を決める前に聞いてほしいと思います。

介護施設の見学で確認することに、退去時の項目も加えてみてください。今日の一歩は、今回の請求書で説明が必要な項目に一つ印を付けることです。全部の結論を出す前でも、質問を一つ具体的にできます。

よくあるご質問

2026年10月1日に確認した情報をもとに、ご家族が迷いやすい点を整理します。

通常の汚れなら絶対に払わなくてよいですか。

通常の使用や年月による損耗は、原則として入居者が修繕費を負担する必要はないという国民生活センターの助言があります。ただし、費用負担の特約と合意の内容なども確認が必要です。請求がすべて無効とは断定できません。契約と傷の状態、説明の経緯を照合し、納得できなければ事業者へ説明を求め、消費生活センター等に相談してください。

入居時の写真がないと相談できませんか。

入居時の写真がなくても、相談を諦める必要はありません。契約書、重要事項説明書、入居時の確認表、事業者とのメールなど、残っている資料を整理します。事業者が保管している記録についても説明を求められます。写真がない部分を記憶だけで断定せず、確認できたことと分からないことを分けて相談先へ伝えてください。

支払期限が迫っているときはどうしますか。

請求を無視せず、どの項目について説明を求めているかを事業者へ伝え、確認中の支払いの扱いを相談します。外部相談先にも支払期限を知らせてください。この記事だけで支払義務や支払いを留保できるかは判断できません。契約書と請求書、これまでの質問と回答を手元に置き、期限が迫っている事情を含めて消費生活センター等へ相談します。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

以下の一次情報を2026年10月1日に確認しました(2026年10月確認)。

制度・案内は変更される場合があります。介護の制度・利用可否・自己負担は個別条件で異なります。退去費用の負担は契約や事情によって異なります。個別の契約判断は消費生活センター等の相談先へ確認してください。

介護についての相談は、電話とフォームから選べます。相談時点で入居や契約を決める必要はありません。

介護相談フォームはこちら 電話で相談(0538-33-7070/9:00~17:30)

介護サービスの利用については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。

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