デイサービス・家族の確認 / 2026年9月13日

デイサービスの身体拘束|2024年改正のルール

高齢の本人が家族と介護職員に気持ちを伝え、机上の説明資料を囲んでケアについて話し合うイラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

デイサービスで親の動きを制限すると言われた。認められるの?

デイサービスの身体的拘束等は原則禁止です。2024年度改定で通所系にも、生命・身体を守るため緊急やむを得ない場合を除く禁止と、実施時の方法・時間・心身の状況・理由の記録が規定されました。家族の同意だけで認められるものではありません。事業所に例外と判断した根拠、代替方法、解除の見通しを聞き、担当のケアマネジャーとも確認してください。

デイサービスの利用可否や費用は、本人の状態や介護保険の条件で異なります。ただし、身体拘束を原則禁止とする規定を、家族ごとの希望だけで緩められるわけではありません。磐田で親の通所中の対応が気になったご家族へ、まず説明を求めるための材料を示します。

2024年度改定で、通所系にも禁止と記録を規定

2024年度介護報酬改定では、通所系サービスの運営基準にも身体的拘束等の禁止と記録が規定されました。厚生労働省掲載の全日本病院協会の報告書は、本文2頁で訪問系・通所系等の規定を整理しています。2025年3月作成、2026年9月13日確認です。

禁止の対象は、身体を拘束するなどの行動制限です。例外となるのは、本人や他の利用者等の生命・身体を守るため、緊急やむを得ない場合です。実施した場合には、どんな方法か、時間、本人の心身の状態、緊急やむを得ない理由を記録します。

泊まる施設だけの話ではない、という点を家族にも知ってほしいと思います。一方、「2024年まではデイサービスで何をしてもよかった」という意味にはなりません。この記事は、改定で明記された規定を確認するものです。

例外は、切迫性・非代替性・一時性をそろえて検討する

緊急やむを得ない場合の判断には、切迫性・非代替性・一時性の3要件をすべて満たすかの検討が必要です。厚生労働省掲載の「身体拘束廃止・防止の手引き」第3章は、組織で慎重に検討する手順を示しています。

要件意味家族からの質問例
切迫性生命・身体に危険が及ぶ可能性が著しく高いどんな危険が、何を根拠に差し迫っているのですか
非代替性身体拘束以外の方法では代替できないほかの方法を検討し、どのような結果になりましたか
一時性行動制限が一時的なものであるいつ見直し、どんな状態なら解除しますか

表の質問は私の提案です。「危ないので」という一言で切迫性も非代替性も説明されたことにはしません。必要性の根拠と、ほかの方法をどう検討したかは、別々に聞くと話が整理できます。

手引きは、実施中も3要件を観察・再検討し、該当しなくなれば直ちに解除する考え方を示しています。家族が器具を自己判断で外すという意味ではありません。現場の責任者に本人の安全と解除の判断を確認するための基準です。

実施した場合の記録は、家族の質問の手がかりになる

身体的拘束等を実施した際の記録項目は、家族が説明を求めるときにも使えます。「態様」は難しい言葉ですが、何をどのようにしたかということです。時間と本人の状態、理由を合わせて尋ねます。

私なら、メモを次の4行に分けます。「行われた対応」「始めた時刻と終えた時刻」「そのときの本人の様子」「緊急やむを得ないと判断した理由」です。事業所の記録義務と家族のメモは別物ですが、同じ項目で聞けば行き違いを見つけやすくなります。

家族が見たことと、職員から聞いたことも分けて残してください。本人の言葉は、家族の解釈に置き換えず書き留めます。記録の説明や共有方法は事業所と相談し、別の利用者の個人情報まで求めない形にします。

公開情報から事業所の取組を確認する入口は、介護サービス情報公表システムの見方です。ただし、公表欄だけで親への個別対応の理由までは分かりません。実際の場面の記録をもとに説明を求めます。

家族の同意だけでは、身体拘束の根拠にならない

家族が同意したという事実だけで、身体拘束が認められるわけではありません。手引きの本文24頁は、家族への説明の確認と同意を区別し、同意が身体拘束を認める根拠にならないと記しています。

私は、家族が署名したかどうかで説明を終わらせてはいけないと考えます。「安全のためなら仕方がない」と感じていても、何をするのか分からなければ、分からないと伝えて構いません。本人への説明、代替方法、見直しの予定を尋ねる余地を残します。

ルールの良さを、説明の仕方まで届かせたい

禁止と記録が通所系の基準に明記されたことには、事業所と家族が共通の項目で話せる良さがあります。私は、職員個人の感覚だけに任せず、方法や理由を振り返る土台として評価しています。

そのうえで注文したいのは、記録を残して終わりにしないことです。専門用語の書類を渡すだけでは、家族は「うちの親に何が起きるのか」をつかめません。運営する側には、記録を日常の言葉で説明し、本人と家族の疑問に答える姿勢が要ります。

これから利用を考える段階なら、親のデイサービス見学で確かめることに加え、「行動を制限する対応が必要と考えたとき、誰が説明しますか」と聞く方法があります。見学当日に契約するための質問ではありません。

運営する側から言うと、家族に結論を急がせない

身体拘束の説明が分からないまま、家族に結論を急がせない。私はそう考えます。記録と代替案を示すのは、サービスを提供する側の仕事です。家族の不安を、署名を集める理由にしてはいけません。

私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役として、住まいのサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、通所のふじがおか見付デイサービス、訪問のふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい・通所・訪問は別のサービスで、契約も別です。

ここは実話ではなく、運営者としての意見です。私は、事故への心配をどの順番で家族に説明するか迷います。危険を軽く見せたくない一方、強調しすぎれば本人の自由を制限する結論へ誘導しかねません。だから危険、代替案、解除の見通しを分けて説明する順番を選びます。

今日の確認は、説明を求める一文を作ること

今日できる確認は、「親への対応について、方法と時間、理由、代わりに検討した方法を説明してください」と一文書くことです。担当者に伝えにくければ、管理者への説明依頼や、ケアマネジャーの同席を相談します。

本人に差し迫った危険があるなら、書類が揃うまで待つ話ではありません。まず現場の責任者に安全の確保を求め、必要な医療・緊急対応へつなぎます。虐待が疑われる場合も、自分で断定してからでなければ相談できないとは考えないでください。

相談の入口は、磐田の高齢者虐待に関する相談先も参考になります。家庭の養護者による問題と事業所での対応は分けて伝え、市の窓口や担当のケアマネジャーに確認します。自社への相談を選ぶ場合も、利用や契約を前提にしません。

よくあるご質問

身体拘束の説明では、家族の返事だけに話を狭めず、例外の根拠と記録を確認します。よく迷う場面を整理します。

家族が同意すれば身体拘束をしてよいのですか。

家族の同意だけでは、身体拘束を認める根拠になりません。原則は禁止であり、緊急やむを得ない場合の3要件と適正な手続きの検討が必要です。説明書に署名したかどうかだけで終えず、本人への説明、具体的な危険、代替方法、解除の見通しを確認してください。事業所の記録と担当のケアマネジャーを交えて話せます。

短時間のデイサービスでも記録は必要ですか。

通所系サービスでも、身体的拘束等を実施した場合の方法や時間、本人の心身の状況、緊急やむを得ない理由の記録が規定されています。「泊まらない」「短時間だから」という理由で記録が不要になるものではありません。実施した場面について管理者へ説明を求め、見直しの経過も確認してください。

説明を聞いても納得できないときはどうすればよいですか。

分からない点を箇条書きにし、管理者への再説明や担当のケアマネジャーの同席を相談してください。事業所内だけで整理できないときは、市の窓口への相談も選べます。本人の安全に差し迫った問題がある場合は、納得できる説明が揃うまで待たず、安全確保と必要な緊急対応を優先してください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

本文の一次情報は2026年9月13日に確認しました。確認手順の提案と運営者の意見は、公的な規定と分けて記述しています。

この記事は2026年9月13日に確認した厚生労働省掲載資料をもとにした一般的な整理です。個別の対応の適否をこの記事だけで判断することはできません。制度は改正される場合があります。記録と本人の状況を踏まえ、事業所、担当のケアマネジャー、市の窓口へ確認してください。

介護相談フォームはこちら 電話でも相談できます(0538-33-7070/9:00~17:30)

制度の利用可否や自己負担は個別条件で異なります。担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。

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