家族会議 / 2026年9月3日

人生会議とは?磐田の介護家族が話す3項目

自宅の食卓で母が大切にしたい暮らしを話し、娘と息子が聞く家族会議のイラスト
記事の内容をもとに作成したAI生成イラストです。実在する人物・施設ではありません。

「元気な親に、将来の医療や介護の話をどう切り出せばいいですか」

人生会議は、将来を一度で決める会議ではありません。①大切にしたい暮らし、②もしものときに望む医療やケア、③その考えを誰と共有するか、の3項目から話します。答えが出なくても構いません。本人の気持ちが変わったら、日付を改めて何度でも話し直します。

人生会議は「決定書」ではなく、繰り返す話し合い

厚生労働省は人生会議を、本人が大切にしたいこと、望む生き方、もしものときの医療やケアを前もって考え、家族や大切な人、医療・ケアチームと話し合っておくことと説明しています。英語のAdvance Care Planningを略してACPとも呼びます。

一度書いたら変更できない書類ではありません。厚生労働省の案内にも、気持ちは変わることがあるため、その都度、何度でも繰り返し話し合うとあります。結論より過程が中心です。

意外なのは、「どの治療を受けるか」だけを話すものではないことです。本人が大切にしている日常や、誰と過ごしたいかも話題になります。介護家族にとっては、医療の専門用語より、いつもの暮らしから始めるほうが話しやすくなります。

1項目目は、親が大切にしたい暮らし

人生会議の最初の項目は、親御さんが日々の暮らしで何を大切にしたいかです。病院や施設の名前を決める前に、続けたいことと、避けたいことを聞きます。

  • できるだけ自宅で過ごしたいか、場所より支援の安心を優先するか
  • 食事、入浴、外出、人との交流で続けたい習慣は何か
  • 家族に頼みたいことと、頼みたくないことは何か

「家にいたい」と言われても、その一言だけでは支援を組めません。どの時間、どの習慣、誰との関係を守りたいのかまで聞くと、住まい、通所、訪問を考える材料になります。

2項目目は、もしものときに望む医療やケア

人生会議の2項目目は、本人が自分の言葉で伝えにくくなった場合に、どのような医療やケアを望むかです。治療の選択を家族だけで決める話ではありません。

厚生労働省の案内は、どんな治療を受けたいか、受けたくないか、人生の最終段階をどこで誰と過ごしたいかなど、話す内容は人それぞれだと説明しています。医学的な選択肢と結果は、主治医や医療・ケアチームから説明を受けて確認します。

まだ病気も診断もない段階なら、「入院したときは娘にも説明してほしい」「自宅へ戻れる可能性を先に聞きたい」程度でも構いません。分からないことを無理に埋めるより、分からないと書くほうが正確です。

3項目目は、考えを誰と共有するか

人生会議の3項目目は、本人の考えを誰と共有するかです。家族の中で話を聞く人と、医療・介護の担当者へ伝える人を決めておくと、入院や退院の場で話が途切れにくくなります。

共有相手は血縁者だけとは限りません。厚生労働省は家族や大切な人、信頼できる人、医療・ケアチームを挙げています。ただし、話を共有された人が法律上の代理人になるわけではありません。預金管理や契約手続きの権限は別の問題です。

聞いた内容は、本人の同意を得て日付つきで短く残します。「2026年9月3日は自宅での食事を大切にしたいと話した」のように、その日の言葉として書く。後で変わったら、消して固定せず、新しい日付で書き足します。

磐田市は2026年度当初予算案に34万6000円を新規計上

磐田市の「令和8年度当初予算(案)のポイント」は、人生会議(ACP)の推進に346千円、つまり34万6000円を新規項目として計上しています。資料は2026年2月4日の記者発表資料です。

資料に書かれた内容は、普及啓発シンポジウムの開催と、民間企業との普及啓発に関する連携協定の締結です。開催日、会場、対象者、申込方法、346千円の内訳は、この資料では確認できません。

ここは言葉を正確にします。確認できるのは当初予算の「案」への新規計上であり、この資料だけで事業の実施確定とは言えません。34万6000円は家族への給付額でも、相談の利用料でもありません。

良い点は話す入口を作ること。注文は日常の言葉まで下ろすこと

磐田市の案で良いと思うのは、人生会議を個々の家庭だけに任せず、シンポジウムと民間企業との連携という二つの入口を置いたことです。医療機関へ行く前の人にも、言葉を知る機会ができます。

その上で、私は34万6000円を「周知しました」で終わらせないでほしいと思います。家族が必要なのは、ACPという略語の説明だけではありません。食卓で最初に何と聞くか、答えが出ないときにどう終えるか、誰がメモを持つかまで、日常の言葉に下ろす必要があります。

金額を家族の側へ翻訳すると、成果は大きな会場の人数ではなく、家で会話を始められたかです。ただし、資料に参加予定人数も評価方法もないため、1人あたりの金額には割り戻せません。

運営する側から言うと、話し合いを申込書に変えない

私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。サービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営しています。住まい、通所、訪問は別のサービスで、住まいと介護サービスの契約も別です。以下は利用者の実話ではなく、利害のある運営者としての私の意見です。

人生会議で「自宅がいい」と聞いたから訪問介護、「人と会いたい」と聞いたからデイサービス、と短く結び付けてはいけません。本人の言葉は営業の見込み客情報ではない。サービスを売る立場だからこそ、私はここを言い切ります。

私にも迷いがあります。希望を聞いても、家族の体力、医療上の条件、費用の全部がそろうとは限りません。かなえられない希望を聞くのが怖い家族もいます。それでも、聞かずに家族が決めるより、「今はこう思う」と共有するほうが次の相談の材料になります。

今日、入居も契約も決める必要はありません。親御さんの言葉を一つ知るだけで、その後の選び方は変わります。

今夜の食卓では、一問だけ聞く

人生会議を始めるために、3項目を一度に聞く必要はありません。今夜は「これからも続けたいことは何?」と一問だけ聞き、答えを直さずに書き留めます。

預金管理や契約の権限が心配なら、磐田市の成年後見制度相談を別に確認してください。認知症かもしれない段階の相談は、磐田で認知症かもと思ったときの最初の相談先へ。住まいを比べる段階では、介護施設の見学で確認したい5つのことが使えます。

答えが出なければ、その日は終わりで構いません。「また今度」で閉じる自由も、本人に残してください。

2026年10月31日に学ぶ機会を探している方は、磐田市の人生会議講座の内容と申込方法を確認し、親と参加するかを考えられます。

よくあるご質問

親が元気なうちから人生会議をしてよいですか。

元気なうちから話せます。厚生労働省は、本人が大切にしたいこと、望む生き方、もしものときの医療やケアを前もって考え、家族や大切な人、医療・ケアチームと話し合う過程と説明しています。一度に結論を出さず、日常の会話から始めて構いません。

話し合った内容は変更できますか。

変更できます。厚生労働省は、気持ちは変わることがあるため、その都度、何度でも話し合うと案内しています。日付を付けて短く記録し、本人の考えが変わったときや、入院・退院、介護サービス開始などの節目に、家族や医療・介護の担当者と共有し直してください。

人生会議をすれば、家族が法的な代理人になりますか。

人生会議で話しただけで、家族が法律上の代理人になるわけではありません。人生会議は本人の価値観や希望を共有する話し合いです。預金管理や契約、成年後見制度の利用は別の手続きです。権限が必要な場面は、地域包括支援センターや専門の相談窓口へ確認してください。

著者・大石浩之(富士ヶ丘サービス代表取締役・宅地建物取引士)の顔写真

この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール

参考にした公式情報

この記事は2026年9月3日に確認できた予算案と一般的な考え方の整理です。予算案の内容、制度、自己負担、利用条件は個別の状況と時期で変わります。医療上の判断は主治医へ、介護サービスの利用は担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認してください。

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