秋のお彼岸、親を連れて墓参りに行きたいけれど、移動や転倒が心配。どう準備すればいい?
お彼岸の墓参りは家族にとって大切な節目ですが、介護保険の訪問介護は原則として通院等に限定され、墓参りの同行は保険適用外となります。安全に墓参りを実現するには、民間の介護タクシーや事業者の自費(保険外)サービスを活用し、境内の砂利道・段差・駐車位置を事前に確認しておくことが大切です。無理のない外出計画を立てる手順を整理します。
秋分の日を迎え、秋のお彼岸の時期になると、「足腰が弱ってきた親を連れてお墓参りに行きたい」「でも途中で転んだり疲れて動けなくなったりしたら心配」というご相談をよく耳にします。車椅子を使うべきか、付き添い支援はどう手配するべきか、悩むご家族は少なくありません。
私は大石浩之(磐田市/不動産業)です。磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」やデイサービス、訪問介護センターを運営する立場から、高齢の親御さんの移動や暮らしの安全について考えています。
介護保険の外出支援と「保険外」の境界線
介護保険サービスを利用されているご家庭では、「ヘルパーさんに墓参りの付き添いを頼めないだろうか」と考える方もいらっしゃいます。しかし、介護保険制度における訪問介護(通院等乗降介助や身体介護)の給付対象は、日常生活を営む上で真に必要不可欠な通院や役所等の公的手続きなどに限られています。
そのため、冠婚葬祭への参列、お墓参り、趣味の外出、旅行といった行事は、国の制度上、保険給付の対象とは認められていません。これは磐田市に限らず全国共通のルールです。
「それなら諦めるしかないのか」というと、そうではありません。事業者が提供している保険外サービス(自費サービス)や、車椅子のまま乗り降りできる民間介護タクシーの付き添いサービスを組み合わせることで、専門的な介助を受けながら安心してお墓参りに行くことが可能です。
磐田市周辺のお寺・霊園で確認したい3つの物理的条件
磐田市内や近隣地域のお寺・墓地へ出かける前に、必ず事前に確認しておきたい物理的なポイントが3つあります。
第1に「境内の路面状況」です。お寺の墓地には玉砂利や砕石が敷かれている場所が多くあります。元気なときは気にならなくても、車椅子や歩行器(シルバーカー)の小さなタイヤは砂利に深く沈み込み、大人の力でも前に押せなくなることがよくあります。
第2に「段差と階段」です。本堂前や墓域への入口に数段の石段がある場合、車椅子を家族だけで持ち上げるのは極めて危険です。車椅子用の迂回スロープが設置されているかどうかを確認しておく必要があります。
第3に「車を横付けできる駐車位置」です。一般の参拝者用駐車場から墓所まで距離がある場合、親御さんが歩く距離を最短にするため、事前に寺院へ連絡して「足の不自由な家族がいるため、一時的に墓域の近くまで車を入れさせてもらえないか」を相談しておくのが賢明です。
短い外出のために車いすを借りたい場合は、磐田市の車いす一時貸出の条件と相談先で、受取・返却までの準備を確認できます。
親の体調と外出意欲に合わせた無理のない段取り
久しぶりの外出では、親御さん本人が「周りに迷惑をかけたくない」「疲れるから行きたくない」と消極的になることもあります。また、当日の気温変化や移動の疲れで、翌日以降に体調を崩してしまうケースも見られます。
お墓参り当日は、あれもこれもと欲張らず、「お参りをして手を合わせたらすぐ帰る」という短時間のシンプルな日程を組みます。途中の食事や買い物を詰め込みすぎないことが、高齢の親御さんの身体的負担を減らす秘訣です。
もし長時間の外出に不安があるなら、親の一人暮らしで確かめたい生活のサインや、日頃の歩行状態の変化を日頃からよく観察しておくことが役立ちます。また、住まい全体の安全確認としては、先日の高齢者の住宅火災の原因と対策のように、平時の身の回りの動線を整えておくことも基本になります。
通所・訪問・住まいのサービスをどう活かすか
親の足腰の衰えを感じたとき、「このままでは外出もできなくなるのでは」と焦って施設入居を急ぐ必要はありません。まずは日中の活動性を保つためにデイサービス(通所介護)で適度な機能訓練を受けたり、自宅での生活動作を訪問介護でサポートしたりと、段階的な選択肢があります。
私は「ふじがおか見付連理枝」というサービス付き高齢者向け住宅、通所の「ふじがおか見付デイサービス」、訪問の「ふじがおか訪問介護センター」の3事業を運営していますが、これらはそれぞれ役割の異なる独立したサービスです。
墓参りや季節の行事をきっかけにご家族が集まったときは、親御さんの現在の暮らしぶりや希望にじっくり耳を傾ける良い機会です。困りごとがあれば、まずは担当のケアマネジャーや磐田市の地域包括支援センターに相談し、生活に合った支援の形を一つずつ検討していくことをお勧めします。
よくあるご質問
介護保険を使ってお彼岸の墓参りに付き添ってもらえますか。
公的な介護保険の訪問介護(通院等乗降介助や身体介護)は、原則として日常生活上必要な通院や公的手続き等に限定されており、冠婚葬祭や墓参り、趣味の外出は保険給付の対象外です。墓参りの付き添いには、事業者の自費サービス(保険外サービス)や民間介護タクシーの付き添いプランを活用します。
車椅子での墓参りで事前に確認しておくべきポイントは何ですか。
霊園や寺院境内の砂利道、段差、階段の有無、車を横付けできる駐車位置の3点を事前に確認します。手押し車や車椅子は砂利や玉砂利にタイヤが取られて進まなくなることが多いため、車椅子用スロープがあるか、無理のないルートがあるかを前もって現地で見ておくことが安全につながります。
足腰が弱くなった親の外出意欲が低下している場合はどう対応すべきですか。
無理に遠出を迫るのではなく、まずは玄関先での外気浴や短時間の散歩など、小さな一歩から始めます。デイサービス等の通所施設でリハビリを重ねながら少しずつ体力を戻すことも有効です。本人の体調や不安な気持ちに耳を傾け、担当ケアマネジャーと相談しながら進めます。
この記事を書いた人:大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
磐田市見付でサービス付き高齢者向け住宅「ふじがおか見付連理枝」、ふじがおか見付デイサービス、ふじがおか訪問介護センターを運営する富士ヶ丘サービス株式会社の代表取締役。介護施設の運営から不動産事業を始め、実家じまい・相続の相談も一件ずつ受けています。プロフィール
参考にした公式情報
制度・利用可否・自己負担は個別の状況と時期で変わります。この記事は2026年9月23日に確認した一般的な整理です。介護の支援については、担当のケアマネジャー、または地域包括支援センターに確認を。